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たおやかに生きる

  北九州市の中央公園「花の丘」へ通じる小道や階段には、先日の台風の爪痕生々しく木の葉や枝が散乱し、花壇の脇には痛んだ大量の草花が刈り取られ山積みとなっていた。「花の丘」は小高い丘の頂にあり、周囲は樹木に囲まれてはいるものの、激しい暴風雨だったことをそれらは物語っている。
ところが花壇は決して全滅したわけではなく、たくさんの花がしっかりと咲き、そこにいつもより多い蝶や蜂たちが蜜を求めて元気に飛び回っていた。あの嵐の中、虫たちは暴風雨に飛ばされずに、どこでどうやって耐え忍んでいたのかと不思議に思えてくる。

先日投稿した記事に頂いたコメントの中で、
中西千種さんが台風の後も咲く草花を見てこのように仰っていらした。

草木はたおやかなので、折れることも少ないのでしょうか?
そのように生きていきたいものです。

草木はたおやか。
まさにその通りだと思う。

千種さんは、
「そのように生きていきたいものです。」
とさり気なく付け加えられていた。
千種さんのお人柄が伺える奥ゆかしい言葉である。
実際にたおやかに生きておられる方なのだと思う。

草木と私たちの間には不思議な相関関係がたくさんある。
時に気づいていない自分のことや世界のことを映し出してくれることもある。
その小さな光景を覗き込むとき、そこから思いがけずに大きな世界の扉が開く。
その小さな美の世界から、この世の神秘が顔を出す。
身近なところにはまだまだ奇跡がいっぱいあるよ、と草木や虫たちはさり気なくそっと教えてくれているような気がする。



中央公園花の丘 9月












































浅崎郁恵
おぼくり~ええうみ


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