マガジンのカバー画像

風景

102
身の回りにある様々な風景を撮った写真は撮影者ではなく、見る人の心を映し出す鏡。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

照葉

 北九州の最低気温は10℃位の日が続いている。街路樹のイチョウやカエデもすっかり黄や赤に色づいた。歩道にはかなりの量が積み重なって落ちている。 気温が低くなったから虫たちの活動も不活発になっただろうと思いきや、庭に植えたブロッコリーや白菜の苗に、ダンゴムシやカイガラムシが夜になるとわんさかたかり始め、新葉を貪り食っている。しかし朝になると何処へともなく消え去り、残るのは穴だらけの葉となる。園芸用品店で植物性100%の病虫害予防剤を買ってカミさんと二人がかりで防除作業をした

独断Jazzヴォーカル大賞

秋の夜長はジャズヴォーカル! ということで今夜は動画配信サイトから1曲だけを課題曲として選び、その曲を華麗に歌い上げる女性ジャズボーカリストたちをピックアップして、その中から勝手に大賞を決定するという独断企画。 題して「独断Jazzヴォーカル大賞」。 北九州市小倉北区紫川周辺で開催されているイベント「小倉イルミネーション2022」の写真と共にどうぞ! 課題曲はスタンダードナンバ一曲 Cry Me a River(クライ・ミー・ア・リヴァー) この曲は、アメリカ人作曲家であ

野の道辺

(写真40枚)  野の道辺に降り注ぐ光が眩しい。 今は秋分と冬至のちょうど中間あたり。太陽の軌道は低くなり、明るい斜光がススキの穂を輝くシルエットで包みこむ。 野の草花たちは内に残る最後の色彩を解き放ち、今年の命の営みを終えようとしている。枯れ果てることに、戸惑いも躊躇いも怖れもなく、大地に帰るその時をただ静かに待っているようにすら見える。夏の日の、あれほど激しかった嵐を耐え抜いた強靭さも、散り際は呆気なく手放してしまう。 夏の日々を十二分に堪能し尽くした安堵。 種や

呑山観音寺の紅葉

紅葉の名所と呼ばれる所には今まであちらこちらに出かけたが、中でも記憶に残る場所と言えばやはり関東以北の地域に多い。群馬や栃木、長野、秋田、青森、そして北海道。東日本エリアでは冬の寒さを目前に控え、秋は朝晩の冷え込みが急に厳しくなる。昼夜の寒暖差が大きいということが、美しい紅葉になる必須の条件だ。 20代の頃に栃木県日光市の高原にあるリゾートペンションで、1年半ほど住み込みアルバイトをしていたことがある。当時はペンションブームで、オーナーになることも、宿泊することも、大

関門海峡から皆既月食を見た

今日は特別な天体イベントの夜。 442年ぶりに皆既月食と月の背後に天王星が隠れる天王星食が同時に起こった。 昨年北九州に移り住んで以来、ずっと関門海峡を照らす満月の写真を撮りたいと思っていたので、今日はちょうどいい機会となった。 到着が少し遅れて月の出時刻には間に合わず、イメージしていたようには撮れなかったが、一応何とか関門海峡に写る月の光をフレーム内に収めることはできた。またいつか再チャレンジしたい。 日本中どこからでも今夜の天体イベントは見ることができたようだが、中には見

人と宇宙とシャボン玉

(文1600字 写真45枚)  科学者の話によれば、私たちの太陽系を含むこの天の川銀河には、太陽のように輝く恒星が2000億個以上存在し、宇宙全体ではこうした銀河が約1兆個存在するという。 更に最近の研究では、この銀河は一様に分布するのではなく、直径が6000万光年から1億5000万光年という巨大な泡状に分布するということがわかった。 宇宙空間には光っている星のほかに、その10倍にものぼる暗黒物質とダークエネルギーがあるが、銀河の泡構造はそれらによって形成されたという可能