海外ハイク#8 「2つの世界遺産を巡る」サナヒン-ハフパット修道院 @ アルメニア
イントロ
こんにちは。
歴史的荘厳さを持つ修道院が数多くある国
アルメニア。
その中でも1000年以上前の原型をとどめ、
世界遺産に登録されている
サナヒン修道院とサナヒン修道院の2つを
山道と村を駆け抜けるハイキングを通して
巡ってみませんか?
今回の記事の中心地となる場所は、
アルメニア北部に位置するロリ地方の
デベド渓谷という場所です。
この地域で世界遺産巡り+ハイキング、
の両方をとることができるハイキングコースを紹介します。
非常におすすめのハイキングコースです。
建築美とその裏に潜む
深い信仰と歴史を併せ持つ二つの世界遺産は
一見の価値があります。
3時間から4時間程度で終わる歩行距離なので、
体力に自信がない方でも
大丈夫かと思います。
数年前に生まれた新しいハイキングコース
ということもあり、
友達に自慢してもいいかも。
本記事では、
そんなハイキングコース行程や難易度、
ざっくりとした見どころなど、
実際の行程やアクセスを書いてみました。
アルメニアに来て、
世界遺産が好き!
または、
ハイキングが好き!
という人に参考になればと思います。
サナヒン修道院とハフパット修道院のざっくりな説明
[サナヒン修道院 (Sanahin Monastry)]
1000年以上前に
中世アルメニアの王国時代に建設された
神聖に満ちた修道院です。
神々しい雰囲気があり、
なおかつ、建築美もあって、
ロリ地方でも有数の観光スポットです。
異教徒でも畏敬の念を抱いてしまう神聖さと
中世建築の美しさを兼ね備えたサナヒン修道院は、
後世に残されるべき建築物だと思います。
王国の黄金期には、
「辺境の地」とされてきたロリ地方で、
文化的、学術的に貢献した修道院でもあります。
幾度と外敵から侵略を受けながらも、
再建築が繰り返され現在に至っています。
見どころは豊富にありますが、
個人的なハイライトは、薄暗く光が差し込まれる
聖母教会です。
区域内で最も古い建造物です。
10世紀後半にビザンツ帝国から逃れてきた
クリスチャンによって建てられたそうです。
[ハフパット修道院 (Haghpat Monastery) ]
サナヒン修道院から30年遅れで建設が始まった修道院。
最も注目すべきは、
度重なる侵略に翻弄された地域にある修道院でありながら、
ほとんど破壊されることなく、
当時建設された状態で現存していることです。
異民族でありそれぞれの時代で最強を誇った
モンゴル軍やティムール軍の侵攻時にも、
なぜかハフパット修道院だけ、損壊を受けませんでした。
そのためか、
いわゆるパワースポット、
または、いわくつきの場所としても有名です。
特に、畏敬の念を感じたのが、
ガヴィト (Gavin)とその奥にある聖ヌシャン教会です。
ガヴィトとは、教会に入ることを許されない人々が
祈りを捧げていた場所です。
フロアーにはお墓らしきものが敷き詰められています。
その奥へ進むと、
聖ヌシャン教会です。
少なくとも900年前に描かれた
フラスコ画その時にまま保存されています。
この二つの場所に入った瞬間、
「こんな場所で不敬なことなんてできない」と、
萎縮したのを覚えています。
当時の侵略者達もここを訪れた時、
「あ〜、ここはマズい」と引き下がったかもしれませんね。
ハイキングの行程
概要
歩行距離: 約8.8km
日数: 1 日
歩行時間:4時間
休憩時間/見学時間:約2時間
獲得標高: 435M
宿泊地:オールド・シティー・ホテル(Old City Hotel)
歩行開始地点: サナヒン・バスストップ(Sanahin Bus Station )
歩行終点:ハフポット修道院(ここからタクシーで帰宅)
10:30:アラヴェルディ・バスステーション付近のバス停
↓マーシュカ移動
11:00:サナヒン・バスストップ(Sanahin Bus Stop)到着
↓1.1KM
11:15:サナヒン修道院(Sanahin Monastrey)(40分見学)
↓530M
12:00:山道に入る
↓1.9KM
12:45:カラペット修道院(Surb Karapet Church)(10分見学)
↓2.4KM
13:45:アクネル村(Akner)
↓1.1KM
14:10:草原の休憩場
↓2.9KM
15:10:ハフポット修道院 (Haghpat Monastery)(1時間見学)
↓タクシー
16:50: アラヴェルディ・バスステーション(Alaverdi Bus Station)
難易度
体力※2 :★★☆☆☆
技術※2 :★★☆☆☆
アクスセス:★★☆☆☆
(★が多ければ多いほど難易度が高くなると考えてください。)
・体力面
公共交通機関やタクシーを織り交ぜながら、
片道だけのハイキングなので、
そこまで難易度は高くないです。
水は一人2L程度で大丈夫です。
・技術面
できれば、山ぐつ、雨具、軽食は欲しいです。
一箇所だけ急な舗装されていない下り道があります!!
登山道のマークがところどころありますが、
オフラインマップ(MapsMeがおすすめ)など、忘れず持ち歩きましょう。
・アクセス
アルメニ首都イェレヴァン(Yerevan)から、
起点となる町、アラヴェルディ(Alaverdi)まで、
1日1本定刻に出ています。
アラヴェルディに宿泊し、
アラヴェルディ・バスステーション近くのバス停から、
ハイキングの開始場所まで、30分ごとにバスが出ています。
詳しくは、アクセスで見ていきましょう。
・シーズン
6月から10月下旬までがおすすめです。
少しづつ紅葉めいてくる10月中旬が見頃と、
地元の方が話していました。
12月から3月までは、
降雪のためこのコースは危険です。
暖かい時期に訪れましょう。
・見どころ
トレッキングのサイトによると、
このハイキングコースは最近になって開拓されたようで、
あまり歩かれていないコースです。
それを歩く特別感があります。
また、ハイキング開始点と終点の
2つの世界遺産に登録されている修道院は、
一見の価値があります。
建築美+積年の人々の信仰が、あの「畏れおおさ」
をかもしているのだと思います。
その他にも、
開けた牧草地や田舎の暮らしを見れるので、
自然の中を歩くハイキングとは違った面白さがあります。
写真で眺める実際の行程
ここからは筆者の登山行程です。
重要な箇所には、
Google Mapのリンクを貼っておきます。
加えて、
Maps Meで検索できるように
実際の表記も記載しておきます。
気になる方は、マップを辿りながら、読み進めてもいいかもしれません。
朝10時にホテルからバス停に到着。
天気は快晴。
タクシーの運転手に
「サナヒン行きのマシューカはない」
「2000ドラムで乗せていく」
など、色々言われますが、
丁寧に切り抜けてください。大丈夫です。
マシューカはあります!!
ソ連風の車を見取れている間に、
サナヒンのバス停に3番のマシューカが到着しました。
写真などはありませんが、
非常に車の中は混み合っていました。
乗車から20分後に
100ドラム(40円)を払って、下車しました。
結構殺風景なところに降ろされますが、
こう見えてサナヒンの中心地です。
1KMほど歩くと、
お土産屋さんと
その向こうに最初の世界遺産、
サナヒン修道院(Sanahin Monastrey)が見えてきます。
(Google Mapにあるので迷わずいけます)。
アルメニアでは、ほとんどの歴史的建造物の入場が無料です。
この修道院も入場無料です。
中の見学もできます。
サナヒン修道院を出たら、
お土産屋さんが立ち並ぶ階段を出て、
右に進みましょう。
道なりにいくと、
Karnel Hotel(カルネルホテル)の看板が見えるので、
そこを右側に進みます。
進んでいくと、
舗装されていない下に向かう道VS
舗装された上に向かう道が
あります。
下にいってください。
ここからいよいよ山道です。
ちなみに、山道や村には、下の写真のような、
赤と白のマークが箇所にあります。
トレッカーが迷わないように塗られています。
そのため、このマークがある=道通りに歩けている
ということです。
道なりに山道を進むと
次の見どころである、
カラペット教会(Surb Karapet Church)です。
今でも祈りの痕跡があり、
1000年ほど前から信仰を集めているようです。
降水量の多いロリ地方、
厳しい冬といった険しい環境の中で、
1000年も人々の山の上から見守る、
どこか心が温かくなる場所でした。
カラペット修道院を背中にして、
左側の山道を進んでください。
アクネル村に出ます(Akner)。
「挨拶は三文の徳」
みんなBarev(バレヴ=Hello)と元気に返してくれます。
牧草地が見えてきるので、
車の轍に沿って進んでください。
そうすると、
緑のベンチの休憩所が見えてきます。
この休憩所付近にパイプが通っているので、
そのパイプ沿いを降りていきます。
かなりの急です。
こことが一番危ないので慎重に降りていってください。
下り終えると、橋が見えてきます。
橋を渡って再度登りです。あと少し!!
休日の地元警察の方と一緒に、
ラストの坂を上ります。
ロシア語を話しながら、
週5回の警察の仕事の話を聞かせてくれました。
いよいよ最後の見どころ、
世界遺産のハフパット修道院です。
地元の学生の芸術の授業で、みんなが修道院と
その後ろに映る山間の絵を描いていました。
見学後にタクシーで帰宅。
ハフパット修道院の駐車場に
基本的にタクシーがあります。
価格は必ず1500ドラムです。
帰りの道すがら、喉の渇きを満たすために、
イチジクを購入。
1キロ600ドラム(230円前後)なので、非常に安い!!
無事ホテルに帰宅しました。
アクセス(行き方)
[エレヴァン(Yerevan)→アラヴェルディ(Alaverdi)]
手段:マシューカ
価格:1500ドラム(550円程度)
所要時間:3~4時間
出発時間:午後2時出発
出発場所:キリキア・バス・ストップ(Kirikia Bus Stop)
到着場所:アラヴェルディ・バスステーション(Alaverdi Bus Station)
エレヴァン(首都)から遠出する場合、
キリキア・バスストップ
でバスを捕まえることになります。
建物の中に入り、
チケット売り場で、チケットを買います。
アラヴェルディ行きは
一日一回午後2時に出発します。
午後1時に来てチケットを買えば大丈夫です。
アラヴェルディの到着時間は夕方になるので、
ホテルを予め予約しておきましょう。
私は、朝食付きという甘い言葉に誘われ、
Old City Hotelに宿泊しました。
キッチン付き、熱々のシャワー、きれいなベッド
の三拍子が揃っています。
代表取締の方は英語が話せます!!
[アラヴェルディ(Alaverdi)→サナヒン(Sanahin)]
手段:マシューカ
価格:100ドラム(40円程度)
所要時間:30分
出発時間:30分毎に朝8時から夕方5時まで運行
出発場所:アラヴェルディバスステーション付近のバス停
到着場所:サナヒンのバス停
タクシー運転手から、
サナヒンまで向かうマシューカやバスは
ないと言われるかもしれません。
安心してください。あります。
メインのバスステーションから50M離れた
バス停で待っていれば大丈夫です。
3番のに乗ってください。
アクセス(帰り方)
[ハフパット修道院(Haghpot Monastery)→アラヴェルディ(Alaverdi)]
手段:タクシー
価格:1500ドラム(570円程度)
所要時間:30分ほど
出発場所:ハフパット修道院(Haghpot Monastery)の駐車場
到着場所:アラヴェルディバスストップ(Alaverdi Bus Station)
ハフポット修道院の駐車場の誰かしらに話しかければ
タクシー運ちゃんを読んできてくれます。
一律で1500ドラムです。
それ以上の価格を言われた時には、
次の運転手を探しましょう。
ちなみに、
ハフパット修道院から
アラヴェルディバスストップまで
マシューカやバスがある説があります。
地元の方やホテルの従業員に聞いたところ、
「分からない」という答えでした。
アラヴェルディからハフパット修道院行きの
63番のマシューカがあるので、
その帰りもあると思うのですが、
私が調べた限りでは、
「分からない」というのが答えです。
[アラヴェルディ(Alaverdi)→エレヴァン(Yerevan)]
手段:マシューカ
価格:1500ドラム(550円程度)
所要時間:30分ほど
出発時間:8時30分 / 10時 / 5時(これ以上の本数が出ている可能性があります)
出発場所:アラヴェルディ・バスステーション(Alaverdi Bus Station)
到着場所:キリキア・バス・ストップ(Kirikia Bus Stop)
マシューカの番号は415です。
上記の出発時間より多い頻度でエレヴァン行きの
マシューカがある可能性があります。
早くバス停に到着してしまう可能性があるので、
上記の出発時間の30分前には、
バス停に到着している必要があります。
[アラヴェルディ(Alaverdi)→ジョージア国境]
手段:マシューカ
価格:500ドラム(190円程度)
所要時間:40〜50分ほど
出発時間:9時 / 11時 / 15時
出発場所:アラヴェルディ・バスステーション(Alaverdi Bus Station)
到着場所:バグラタシェン(Bagratashen)
出発時間の40分前には待っていたいです。
私の場合、マーシュカが8時40分に到着し、
8時50分には出発しました。
また、かなり人が乗っていて、
並び順によっては乗れない可能性があります。
国境(バグラタシェン)を超えたら、
あとは、バスかマシューカがあります。
10ラリ(560円程度)で首都トゥビリシ(Tbilisi)まで
戻ることができます。
この度も長い記事でしたが、
お付き合いいただきありがとうございました。
最近中央アジアネタが多く、
気分転換でコーカサス関連の本記事を書いてみました。
今回のサナヒン/ハフパット修道院は、
アルメニの数ある修道院/教会の中でも、
特に気に入った場所でした。
アルメニア来る際には、是非立ち寄ってください!!
それでは!!
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