【サンダイ先生と葉梨ちゃん】白ご飯は正義です
【登場人物紹介】
・サンダイ先生(年齢不詳)
売れてると言えなくもない、青年誌で連載作品を持つ漫画家。
魚と肉、どちらも好き。いつも迷う。
ウナギが食べたいけどお金がないときの救世主は、スーパーで売ってるサンマの蒲焼。
・葉梨(はなし)ちゃん(年齢非公開)
サンダイ先生のアシスタント。美大出身。
魚よりも肉派。ハラミ最強。
焼き肉のときに「白ご飯」を頼まないひとを見ると、心の中の【このひととは友達になれないリスト】にそっと追加している。
※前回の話はコチラ
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*
「サンダイ先生は、焼肉には白ご飯ですか」
背景のペン入れが終わったところで、私は軽く背筋を伸ばしながら、いつものように先生に質問を投げてみます。
『また唐突な質問だね……』
「ペン入れしてたらお腹が空いてきまして」
『今回の指定、魚屋だったはずだけど』
私は肉派なのです。
『えーと。あぁ、焼肉ね。うん、白ご飯頼むよ」
心の中で、私は小さくガッツポーズをします。
『だいたい、中盛りで頼むかな』
「初めて先生のことをオトコらしいと思ったかもしれません」
『なんか喜んでいいのかどうなのか複雑な気分だけど、とりあえずはありがとさん』
これは、いつか先生と焼肉に行く日が楽しみになりました。
私がいそいそと心の中の【サンダイ先生メモ】に書き込んでいると、
『葉梨ちゃんもご飯食べるひと?』
「当然です」
先生から当たり前すぎる質問が飛んできたので、ノータイムで返事をしてしまいました。
「焼肉には白ご飯、あんぱんには牛乳、カレーには生卵、が葉梨家の家訓です」
『またえらく偏りのある……』
「まぁ、ただのおじいちゃんの好みなんですけど。ちなみに、夏といえば海より山でした」
『葉梨家に対するおじいちゃんの影響力が強すぎる!』
小声で器用に叫ぶ先生の声を聞きながら、私はおじいちゃんと先生の3人で焼肉するのも悪くないなと、心のメモに追記するのでした。
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*
今回は、お題をおかずに白ご飯をかっこんだみたいな感じになりました。
※お題は、こちらの「三題噺スイッチ改訂版」をお借りしてます
海と魚屋という比較的近いお題が出てるのに全然そっちにいかなかったな。
これからもゆるゆるとやっていきますので、『サンダイ先生と葉梨ちゃん』ふたりのやりとりを楽しんでいただけると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?