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【サンダイ先生と葉梨ちゃん】双児宮は無人だったしね
【登場人物紹介】
・サンダイ先生(年齢不詳)
売れてると言えなくもない、青年誌で連載作品を持つ漫画家。
好きな悪魔は「ルシファー」(堕天使って設定がもうカッコいい)。
小学生の時に「絵本を書こう」という国語の課題で、堕天使が出てくる話を書いて先生にドン引きされた。
・葉梨(はなし)ちゃん(年齢非公開)
サンダイ先生のアシスタント。美大出身。
好きな悪魔は「ベヒモス」(図体デカい割に名前の響きがかわいいので)。
中学生の頃は「ベヒモス」という名前のゲーム会社が作ったゲームをひたすらやり込んでいた。
※前回の話はコチラ
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「そういえば、今日の星座占い最下位だったんだけど」
いつもとは逆に、ボクの方から話題を振りつつ横目でモニタを伺ってみる。
例によって、映っているのはつむじとヘッドホン。
『飛び降りや飛び込みは、後片付けが大変らしいのでやめといたほうがいいですよ』
「いや、自殺を考えるほど悩んじゃいねぇよ」
悪魔みたいな発想しやがるな。
ワイドショーの星座占いに、そこまで人生預けてないわい。
「気のせいだろうけど、なんかよく最下位になる気がするんだよなー、蟹座」
『キャンサーのデスマスクだからですね』
「なんでそのネタ知ってんすか」
しかも、それで妙に納得しちゃったじゃないか。
『おじいちゃんがコミックス全巻揃えていたので』
「葉梨ちゃんのおじいちゃんとは、一晩中語り明かせそうな気がするわ……」
イヤホン越しに空気が緩む感じがして、なんとなく葉梨ちゃんの笑ってる顔が脳裏をよぎる。
実際には、見たことないんだけど。
『いくら夏だと言っても、公園のベンチで一夜を明かすのは如何なものかと思いますよ』
いや、せめて家にはあげてくれよ。
「それはさすがにおじいちゃんの部屋に泊めてもらうとして……。そういや、葉梨ちゃんて何座だっけ?」
『ジェミニのサガです』
教皇さま……!
珍しく個人情報を即答した葉梨ちゃんに、なんだか急にラスボスみを感じはじめた。
『昔は、仲間外れな感じがしてあまり自分の星座が好きではなかったですね』
「いまは?」
少し懐かしむような声音でポツリと漏らす葉梨ちゃんが新鮮で思わず尋ねると、
「おいしいな、と」
いかにも葉梨ちゃんらしい答えが返ってきて、ボクはなんだか嬉しくなって、声を上げて笑ってしまったのだった。
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今回はネタ的に「おっさんホイホイ」というか、『聖闘士星矢』を知らない方にはさっぱりかも。
※お題は、こちらの「三題噺スイッチ改訂版」をお借りしてます
「悪魔」が強すぎるので、あえてずらして「星座」メインにしました。
これからもゆるゆるとやっていきますので、『サンダイ先生と葉梨ちゃん』ふたりのやりとりを楽しんでいただけると嬉しいです。
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