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ダウン症児中絶③出産編

ここから日記をベースにまとめていくので、乱筆ですがご容赦ください。
今回の出産において無痛分娩ができるとのことだったので希望しました。その処置についても記述します。

2024/4/9 火曜日(19週4日/5ヶ月)
9:00 入院
・今日はやたらに胎動を感じる。
・部屋は大部屋希望と伝えていた(金銭的な余裕を考えて。)が、個室にだった。おそらく、配慮された。

9:50 ラミナリアを3本入れた。
・ラミナリアという海綿でできた棒を子宮頸管に入れる。子宮口を徐々に広げるために本数や大きさを適宜増やしていく。
・ラミナリアが子宮頸管に入ってくる感覚はあまり感じなかった。それよりもクスコ(膣鏡)を挿入して広げる瞬間がめちゃめちゃ痛い。
・ラミナリアを入れるため、クスコの大きさもLLと大きいサイズを使っていたみたいでキシロカインゼリー(表面麻酔剤)はただの粘滑剤なんだと思い知らされました。

11:00 ロキソニン1錠内服。
・ラミナリアを入れている時は子宮が押されるような感覚になります。消炎なのか鎮痛なのかとりあえずロキソニンを飲んで良いよと言われて、痛みが怖いので飲みました。

ここからはラミナリアが子宮口の開大を助けてくれるまで待つ、といった感じ。
暇だけどなんだかんだで処置したり入院日は説明があったりで、あっという間に時間が過ぎていく。

看護師さんが赤ちゃんに産着つくってあげたりするお母さんもいるんだよって、型紙に沿ってもう切ってある布と裁縫道具を貸してくれた。
この時、初めて「お腹の子のために何かできることがあるんだ」と気付かされた。
同時に自分のことしか考えていなかったことが恥ずかしく思えた。

近くの布卸店でお腹の子に似合う布を買って来てあげてって夫に言ったら「悲しくて選べないかもしれない」と涙を流して、受け止められない様子だった。
「それでも見にいくだけでもこの子のためにお願い」と伝えて、夫に行ってもらうことにした。

夫は私の前では泣かないようにしててくれたみたいなんだけど「赤ちゃんと最後どう過ごすか、希望はありますか?」と助産師さんに聞かれたあと、ボロ泣きしてしまってた。私も泣いちゃった。
「生まれた後、一緒に過ごすことはできますか?」「写真を撮ったりしても良いですか?」「あとはどういうことができるんだろう、みんな何をしていますか?」と聞いたりしてお腹の子にできることを探した。

夫が11時半くらいにお出かけして、LINEで布の柄の候補を見せてくれた。
決めたのは、コアラの可愛いハギレ。

型紙がなくて、裁断された布を型紙がわりにして裁断。

最初で最後の直接渡せる物としてのプレゼント。
手縫いの針と糸を使って、頑張って母ちゃん縫うよ。

13:45 硬膜外麻酔のカテーテル挿入
・多分2回刺した。羊水検査といい、2回刺されがちかもしれない。
・カテ入れの前に硬膜外麻酔の手順をYouTubeで見た。何をされるかわからないとちょっと不安なので、今これやってるから次に何されるっていうのがわかる方が安心できるので。(これは人によるのでおすすめできるものでもない)
・背中を丸めて背骨を先生に差し出すんだけど、良いポジションがどんなものかあまりわかっていないのと局所麻酔しても痛い時は痛いので「うぅ〜」と言いながら少し動いてしまったりした。
・テストドーズ(少量の麻酔)を入れて、ちゃんとカテーテルが入っているかの確認。この辺りで夫の付き添いができるようになり、ベッドの横に座っていてもらう。

・30分後に麻酔の効きを確認しますねと言われたんだけど左足のほうが腰から足首まで全体的に表面が弱〜く痺れる。
・これは正常なのかもしれないな!?と思いながら夫に痺れる〜って言ったらナースコール押しな、と言われて押すとわりとすぐに先生登場。
・上手く入ってるとそうなります、とのこと。感覚テストっていうか冷たいか冷たくないかのテストをした。
 こんなことで呼んでしまって申し訳ないなと思いつつ、正常なのか…と安心。
・30分経過後は車椅子で部屋まで運んでもらいました。

・下半身全体に麻酔が効いているので、膝折れする可能性もあり、ベッド上安静でとのこと。
・腰の左下のあたりが痛む。普段刺されないところ刺されるのめっちゃ怖い〜すみませんすごく動いてしまって…

18:00 発熱していた
・37.2℃くらいの微熱。なんだか暑いなと思って測ったらほんとに微妙な熱。
・熱が上がらないようにロキソニンを内服。

その後、ポケモンBWを持参していたのでやろうかなと思い、3DSの充電器を夫に買ってきてもらったりなどした。
でも硬膜外麻酔のカテ刺入部左2センチ横くらいが痛くて、体動が難しい。ロキソニン飲んでもこれは変わりない。
麻酔が効いていたからあまりよくわからなかったけど、15時くらいからずっとそんな感じ。

なんか50代くらいから腰痛いって言ってる人の気持ちがわかるかも。
体位変える時が1番痛くて、ギギギ…て動きになる。この痛み、たぶんカテ抜いたら取れるんだろうけど、どうなんだろ…(不安)

私は痛みという痛みを受けたくないし、自分に感じる痛みがお腹の子への罪滅ぼしとも思わないので(同じ目にあったら許してくれるとかそうじゃないから)なるべく回避したい。

痛みに耐えながら動作の遅い私を心配しつつ、20時ごろまで夫は付き添いをしてくれた。

21:30 夜勤帯の助産師さんが坐薬入れましょうか?って言ってくれて、ボルタレンが結構効いた。

正直寝返りを打ちたくても腰が痛くて、でも打たないとまた別のところが痛いから寝返りをして、痛みで眠れない〜っていうのを繰り返していたから助かった。
腰の痛みで産着作りもポケモンBWもやっている余裕がなかったからその日はボルタレンに救われながら寝た。


2024/4/10 水曜日(19週5日/5ヶ月)
8:30 ラミナリアを7本入れた。
・やはり痛いのはLLサイズのクスコ。7本ラミナリア入れたところであまり痛みは感じなかった。入れた直後はすこし痛いけど、しばらくすればおさまる。

10:00 腰痛の話が麻酔科医の耳に入ったようで、カテーテルのテストしてくれた。使えないようであれば抜きましょう、と担当医に言われてたのでドキドキしてたけど使えるとのこと。良かった。

14:00 夫と母が面会に来る。
・母にミシン持ってきてとお願いしていたので個室の広いテーブルにミシンが設置された。
・一回産着を手縫いで作ったんだけど、袖も通らないしかわいくないので型紙から作って縫い直すことに。
・夫が朝から一緒にいられなくてごめんね、とLINEしてきたときにお腹の子がポコポコ動いていたのでお腹の子は怒っていた模様。お父さんのこと大好きなんだね。私もだよ。
・夫にはスタバの期間限定メロンフラペチーノを買ってきてもらっていて、母はケーキを買ってきてくれた。
・入院直前に電子カルテでチラッと見えた尿検査の結果は尿糖4+だったけど、もう気にせずに食べた。

17:00 ラミナリアを追加して合計10本入れた。
・10本は流石に子宮を押される感じがする。じわじわ痛い。
・上手くいけば明日出産です、と先生に言われて赤ちゃんをエコーで見た。頭を下にしてくれていて、お腹の子も準備してくれていた。
・先生に「明日旦那さんくるの8時か9時ごろでいいですよ。7時半に子宮収縮の膣錠入れます」と言われたので夫にその旨を伝える。

20:00 腹痛
・まぁまぁ痛い。生理痛の2倍くらい痛い。
アセリオを点滴してもらったら痛みが少し落ち着いた。
・余裕が出てきたので産着を縫うことにした。

前。セーラーカラーの襟は私の趣味。
もう少し後ろのセーラーカラーの部分を
伸ばして良かったかなと思いつつ、出来栄えには満足。

産着は本来赤ちゃんの肌に優しいコットンとかの方がいいんだろうけど、柄が寂しくなってしまうのでこれを選ばせてもらった。

夫と寝る前にLINEした。
笑顔で迎えて、笑顔で送ってあげようと話し合っていた。たくさん泣きながらLINEをした。
出産の痛みが怖いけどお腹の子を送り出すと思って頑張る、とか
食欲わかなくてご飯食べられる気がしない、とか
お腹の子は母親想いのいい子だから明日は大丈夫だよ、とか。
胎動が活発だからお腹の子と一緒に会話しているようで、離れていたけど3人で過ごしているような気持ちになって不思議と安心して眠ることができた。
一緒に過ごせる最後の夜だって、お腹の子もわかってたのかもしれない。


2024/4/11 木曜日(19週6日/5ヶ月)
出産当日
6:30 LDRに移動。
7:20 先生が来る。
・ガーゼとラミナリアを10本抜いて1回目の膣錠を入れる。ここから3時間ごとに子宮収縮させる膣錠を入れていく。
・やっぱり処置の時のクスコは痛い。先生に「明日は小さいクスコを使いますから」って言われて安心してたら今日使ったのLサイズだった。心の中でツッコミしてた

7:30 夫到着
・廊下で待つ。処置が終わったら中に入ってくる。

7:50 お腹痛い
・生理痛の5倍くらい痛い
・ナースコールを押すととりあえずロキソニン内服と言われて飲む。

8:10 朝ご飯到着
・お腹痛くて食事進まない。昨日も夕飯は一口しか食べられなかった。お腹の子にも食べてもらおうって気持ちで食べると少しだけ食事が進む。

8:30 お腹痛い
・トイレに行きたい気持ちもあって、トイレでこもっていたらその間に助産師が見にきてくれていたらしい。
・痛みで呼吸が浅くなる。
・夜勤の助産師さん再訪。やっぱり痛いです、と言うとちょっと待っててね、と言って夜勤助産師さんと日勤助産師さんが交代する時間なのもありしばらくしてから日勤助産師さんが再訪
・ここまで痛み我慢しなくて良かったのに〜と言われる。我慢してないよ。ナースコール押してたもん。

9:00 麻酔科の先生が来る
9:07 麻酔開始
・噂に聞くボタンを押すと麻酔が流れるやつ。
・1時間ごとに自動でも麻酔が入る。
・ボタンは15分に一回押せるようになるらしくて、2-3回押したら痛み落ち着くと思うよ、と言われたので3回押したら全く痛く無くなってしまった。

10:20 膣錠2回目
・痛くなくなってしまったか…みたいな先生の反応。痛みから麻酔の効きを逆算してボタン3回くらいでいいかなって思ってたけど、自動で入ってくる麻酔のこと計算外だった。
・あまり痛くないので、少し寝てしまった。

12:30 先生の診察
・先生が来て、頚管の展退も胎胞も良い感じで子宮口も柔らかいですねとのこと。順調にいけば明るいうちに産めそう!
・体温37.6℃まで上昇してきて、報告したらそうだよねみたいな顔だったので「上がるんだな〜って思いました」って伝えておいた。
・夫の情緒大丈夫かなと思う。けど、今日はとても穏やかに過ごせている。朝から泣くこともなく。
私と離れると夫は泣いちゃうみたいで、私というよりもお腹の子がお父さんのこと幸せな気持ちにしてあげてるのかなと思った。きっとそうだね。

13:10 膣錠3回目
・不思議ととても穏やかな気持ちで過ごせている。
・先生には順調だよ、と言ってもらえて安心した。明るいうちに産めそう。

13:55 強めのお腹の痛みが急に来る。
13:57 自動で麻酔が入り、効いてくるまでにこの痛み治るかな〜という感じだった。あと15分したら麻酔入れられるからそれまで我慢して頑張ることにする。

14:12 麻酔追加ボタンを押す。
14:15 なにか膣から出てくる感覚。もれなく腰も痛い。これはナースコールしなきゃ産まれる!!と思い、ナースコールを押す。

14:17 バタバタと先生、麻酔科医、助産師、看護師が入室。早めに来てください!と看護師さんが焦ってピッチで先生を呼んでいる。あ、お腹の子が出てきてるんだな〜と思った。

14:20 にゅるにゅると出てくる感覚。お腹は痛くない。麻酔科医の上の方の先生なのかな、普段は見ない先生に麻酔が自動でいつ入りましたよ〜っていう説明をした。それからは痛くないです、っていう話をしたけどお腹の子のことが気になって会話に集中できない。
何か痛みとか痺れとか聞かれてるんだけど「え?あ、はい」みたいな返事をした。

14:22
私がいきんだりもすることなく。
私たちの子は、静かに産まれた。


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