国語はロジックを意識:学習のデザイン06
最後の4科目目は国語です。
正直、国語だけは明確なデザイン解決案が見出せなかったので、まずは本で国語の教え方を知るところからはじめてみます。
この本の中で、金田一秀穂先生が、そもそも国語ってなんだ、日本語と国語の勉強は何が違うのか、について書かれています。
美文ではなく正しい文を
他の科目は覚えることから始めるのに対して、国語だけは特殊で、日本語は小学生にあがった時点である程度身についています。
漢字や語句などは記憶の学習なので、淡々とやることで伸びます(もちろん興味を持つための工夫は必要ですが)。ところが、文章問題は日本語が読めたとしても、正解を見つけるのは容易ではありません。
文章問題が分からないのは「印象」で捉えてしまうことだといいます。印象ではなく、事実と論理で捉えることが大事です。本書ではこのようなことが書かれています。
国語の授業での感想文では、自分の感想を全面に表現しますが(感想文なのだから間違ってはいないけど)多くの場合は、いつ・どこで・だれが・なにを・どうした、という事実の情報はほとんど抜け落ちています。
社会人になっても文章は指摘されます。そのくらい、国語での勉強は文章の読み解きを「感覚的に」やっているということなのだと思います。
国語とプログラム言語
と、このようなことを書いているうちに「それって、プログラミングの考え方と一緒なのでは」と思いました。僕は小学生の頃にちょっと触れたくらいで、いまはほぼ何も書けないのですが
・相手に伝えるために文を書く
・構文が間違っていると間違って実行する(伝達ミス)
・論理が破綻しているとエラーが出る(伝わらない)
という点は共通していると思います。
プログラミングを覚えたら国語の点数が上がるかはわかりませんが、無料でつくれるScratchで遊んでみて、この命令で動く理由を言語的に説明してあげることで、感覚ではなく論理的な理解ができるかもしれません。
構造力を身につける
普通に文章を書くこともよいかと思います。
例えばこの本は、みんなご存知の池上彰さんと、読売新聞で編集手帳を担当してきた竹内政明さんの、正しく伝える文章を書くプロ達の指導書。
その中のテクニックで紹介されていた1つは、自分がいいなと感じた文章を写経のように書き写すトレーニングです。一見、地味な作業ですが、自分で書いてみることによって、無駄がないのに多くの情報が含まれている文章などに気づくことができるのだそうです。
次に、自分で文章を考えるときは、読書感想文の域にとどまらずに、論理的な文章構造を身につける意識が必要です。では、どうすれば良いのか。例えばnoteに投稿するのはどうでしょうか?
僕自身そうだったのですが、blogやnoteに書き始めたころの文章は、なかなかひどいものでした。でも続けることで、文章の組み立て方がだいぶ上達できたような気がします。
他の人の話題になっている文章を読んで「この人うまいな」と思い参考にしたり、相手から自分の文章の感想をもらうことで、改善につなげることができます。あるいは一度書いた文章を少し間をおいて読み返してみると「なんて下手なんだ」ということに気づきます。
noteで小学生を対象に文章を書くコンテストなどやってみてはいかがでしょう?読書感想文ではなく、何か1つの状況をテーマに、事実をわかりやすく伝えるといったようなお題で、みんなが競って書くなど。健全なコンテンツが集まるnoteなら、学校の先生も前向きに検討してくれるかも?
テストの振り返りがチャンス
国語の点数をあげるのに近道はなさそうです。ただし、テストに出る問題にはすべて正解に理由があります。
なので選択問題では、なぜこの選択肢は間違いになるのか、を論理的に読み解くことができます。記述問題では正解の条件を構造的に捉えることができます。
答え合わせや復習を「なんとなく」やっていると、論理的・構造的な学習にはつながりません。復習をしっかりやって超ロジカルに理解すること、これが国語の点数をあげるための上達方法ではないかと考えます。
最後に
僕の娘は本をたくさん読むからか、国語は割と得意なようです。読書量と国語の点数が比例するという保障はないですが、好きなことには熱中できるから、成績にもつながるのかなと思います。
どの科目でも一番大事なのは「面白い」とか「好き」とかの気持ちです。ただし国語は、本を感覚的に読むだけではなく論理的に捉える、そのための関心を持たせる方法を見つけたいですが、まだ模索中です。
さてここまで、国・算・社・理と小学生が習う4科目について、デザインできることを考えてみました。このテーマはとても楽しいですが、さて来年はこれを深掘りするかどうか、今のところはまだ悩み中です。
デザインとビジネスをつなぐストラテジーをお絵描きしながら楽しく勉強していきたいと思っています。興味もっていただいてとても嬉しく思っています。