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カルチャーフィット至上な採用の裏にある、現場のリアルな闇

先日、ベイジさんが公開したWebデザインドリルがとても話題になっていましたね。私は、ドリルそのものではなく、このドリルを作ることになった意図の方が気になって記事を読んでいました。

ベイジさんの記事にも書いてあるように、企業ではよりカルチャーフィット、企業の価値感に合う人材の採用が重視しましょうというのが、昨今の傾向です。

そして一番理想なのが、カルチャーフィット+高スキル人材。ですが、こんな人材探すのめちゃくちゃ難しい。頷きながら記事を読んでいて、ふとこんな図を思い出しました。

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どの本に載っていたか、すみませんうる覚えで上図を作ったのですが、どんなメンバーを集めるか、その優先順位を決める上で参考にする図として紹介されていました。

モラル(価値観)は変えられないけど、スキルは向上できる

この本では、価値観が合うことを「モラル」と表現してたのが印象的でした。組織ではなく、マネジメントの話だったので、そのような表現になったのかもしれません。(私はカルチャーって言われるよりもモラルの方がわかりやすいな、って思ったりしてました。)

この本でもやはり、
①「モラルのマッチ度が高い+スキルが高い」人材が優先で、
②その次に選びがちなのは「モラルのマッチ度が低い+スキルが高い」人材ですが、優先すべきは「モラルのマッチ度が高い+スキルが低い」人材だよ、
と言っていました。

その人のモラル(価値観)は変えられないけど、スキルは向上できるからです。採用する側もされる側も、変えられないものだからこそ、離職率の低下につなげるためにも、その「フィット感」が大事になってくるのでしょう。

さて、スキルよりもカルチャーフィットする人材を優先的に受け入れた時に、今度はスキル向上が課題になってきます。そうじゃなくても、この業界、いやどの業界も人材不足。社内教育までなかなか手がまわらないのが実情ではないでしょうか。

私は最近自分でも体感していることで、カルチャーフィット至上になった現場では、こんなことが起きていると思っています。

カルチャーフィット+スキル不足な人材に起きていること

カルチャーフィットしたからこそ、早く会社や事業の役に立ちたいという想いがあるのですが、なにぶん活躍しようにもスキルが足りないので・・・

😞仕事を任せてもらえない → だんだんやりがいが感じられなくなる
😞自分の力不足を感じる・役に立ててない → フラストレーションが溜まる

カルチャーフィット+高スキルな人材に起きていること

会社にとっては超要な人材ですが、カルチャーフィット採用を優先したことにより・・・

😞メンバーのスキルのバランスが悪い → この人に仕事が集中する
😞スキルが低い人への教育に時間がとられる → 教育したら自分の作業時間がなくなる or 教育しないとメンバーのスキルが上がらないので忙しいまま の無限ループ
😞会社や事業が好きなので無理してやってしまう

と、私のいま思いつくものを上げてみましたが、ほかにもいろいろあるように思います。

ベイジさんの記事を読んでいて、私が経験したことを思い出しつつ、会社が独自の教材を作るという手段が出てきたことに、業界全体のどこか闇を感じてしまいました。必要なスキルも会社によって違いますしね。(そして、個人的には教材を作れる程の時間をとれる環境が心底羨ましいと思いました。作りたくても余裕がない、または会社が推進してくれない・・。)

そして、教育となると、教育機関が頭をよぎりました。(最近炎上してたスクールも記憶に新しい・・。)
もう7,8年前のことですが、私が新卒の時に入った会社は、じつは専門学校の指定校推薦で面接して内定をもらいました。今思えば、その会社に合う教育をしている学校から最適な人材を紹介しているのは、じつに理にかなってるな、なんて思います。

最後に

私は今まではカルチャーが軽視されていただけで、スキルも今までと同じように大事と思うのです。単純に「カルチャー>スキル」と考えていいのか。

でないと、せっかくカルチャーフィットな高スキルな人が、スキル不足の人に足を引っ張られ、結局事業スピードが上がらない・・となりかねません。スキル不足の人もそれを感じますので、全体の士気も下がりかねない。(だからこそ、1on1ミーティングが流行りだしたのもあるかもしれませんね。)

Webデザインドリルすごい!と素直に喜べない、8年目デザイナーのスズキアユミがお送りしました🤤

※2019/11/3 0:40 一部改変しました。


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