見出し画像

プロダクトにサービス人格を反映しよう!他社サービスの事例について調べてみた!

挨拶

おおおおお!!みなさん、こんにちは!秋が大好きなデザイナーのりんです。

最近どんどん秋っぽくなってきて、気温が下がりつつありますね。木の葉もこれから色づくでしょう。私は今年の秋こそ東京大学の銀杏並木を見に行くと決めましたよ!このブログをご覧になっている皆さんも是非素敵な秋をお過ごし下さい!(もちろん健康第一!!!!)

さて、私は今月から弊社の「フィークル」チームに異動しました!フィークルは、ユーザーのみなさんの安心感を大事にして、ストレスなく報酬を受けとれるというサービスです。

実は、私は前職でも仕事をやりながら、空いている時間に簡単なグラフィック系の副業をやっていました。その時は、案件に対してクライアントの信用が得られるかを一つ一つ確認する時間を確保するのが大変でした。作業時間は夜の時間しかないのに、自分で調べていたら、時間がかかって作業時間がなくなってしまったことはよくありました。納品後にクライアントが言い分を変えてきて、結局お金が貰えなくなってしまった事もありました。*1

その時は、普段の仕事にも疲れていたし、その案件の金額もそんなに多くなかったので、ついてなかったと思ってクライアントに報酬を要求することを諦めました。

フリーランスとして働いている人も、副業をやっている人も、私のかつてのような悩みを持っている人がいるのではないでしょうか。

さて、先週からUXデザイナー兼プロダクトオーナーの八尾さんと一緒に、「サービス人格をプロダクトに反映させる」という事を着々とやっています!私がチームに入る前から、具体的な「サービス人格」の形はもう決まっていました。一体どうやってサービスに反映させるのか、その進め方は?という課題を持って国内外の事例をしっかり調べてみました!
ということで、
今回はみなさんに「サービス人格設計」のことを紹介させていただきますね!

え、「理論的な話」って?

まず、「Emotional design」とは一体どういうものだろう…簡単に理論的な話をしたいと思います!
世界でもよく知られているドナルド・ノーマン(Don Norman)さんをはじめ、著名な人が「Emotional Design」という思想を世に紹介しています。Arron Walter さんの著書「Designing for Emotion」では、ノーマンさんのコンセプトと、有名な心理学者アブラハム・マズローさんの「マズローの欲求5段階説」が結びつけられました。

そこでの定義は、人間が持つ5つに階層化された欲求のように、プロダクトもFunctional機能性、Reliable信頼性、Usable実用性、Pleasurable楽しい 、という四つの階層に分けられました。この二つのピラミッド型に積まれた欲求は下から順番に現れ、その欲求がある程度満たされると次の欲求が現れます。

その中で、「Pleasurable 楽しい」は、プロダクトを開発している時には重視されてない部分と思われてしまい、「The missing piece」とよく言われます。しかし、これこそ「ユーザーに愛される」というキーポイントだと思います。

画像1

Graphic image by Designing for Emotion-Arron Walter

よし、ではサービス人格をプロダクトに反映させよう!

…とはいっても、まず、なにをしたらいい?

以下の図をご覧くださいー!

画像2

Graphic image by Ella-做与用户对话的产品界面:微供对话式设计语言探索

1. 内在的に:Input

「このサービス・プロダクトはユーザーに何の感情(精神的に)を伝えたいのか?」まず、色々な人格的な単語を設定してみよう。例えば、フィークルでは、「安心感」、「暖かくて優しい」、「頑張り屋」、「ユーザーと同じ方向を向いている」などの人格特徴を持っています。そしてこのような抽象的なイメージからもっと具体的な輪郭を設計する事が重要だと思います。

それは何かというと、例えば、「同じ人格特徴を持っている人は多いですが、あなた自身はこの世に唯一の存在だ。」…大体こんな感じです。抽象的な特徴を血液のDNAに例えると、具体的なイメージは「生き物」と考えられます。なぜ「生き物」なのか?一般的に「生き物」はもっと生き生きしていて、且つ独自の特徴や個性を持っていると思われています。人間の私たちをつなげる存在と言っても言い過ぎではないでしょう。(エイリアンやモンスターなども生き物かなぁと思っているw)

ちなみに、人工知能の中では、人間と機械の交流も同じ理論がベースだと言われています。大事な友達みたいな、自分専用のアシスタント。執事みたいに喋れなくてもいるだけで安心する。ペットみたい…親切な隣のお婆さんみたい…元気満々のピザデリバリーさんみたい…などなど。

2. 表面的に-Output
ここからは、Emotional デザインの本題です!
ドナルド・ノーマンさんのEmotional Design は三つのコンセプトに分けられています。
Visceral(本能), Behavioral(行為), Reflective(反応)。この三つ部分を簡単に説明したいと思います。

I proposed a framework for analyzing products in a holistic way to include their attractiveness, their behavior, and the image they present to the user -- and of the owner. In this work on design, these different aspects of a product were identified with different levels of processing by people: visceral, behavioral, and reflective. These three levels translate into three different kinds of design. Visceral design refers primarily to that initial impact, to its appearance. Behavioral design is about look and feel -- the total experience of using a product. And reflection is about ones thoughts afterwards, how it makes one feel, the image it portrays, the message it tells others about the owner's taste. By Don Norman- Emotional Design

引用元:Emotional Design: People and Things - jnd.org (DONALD A. NORMAN)


2-1. Visceral(本能):
簡単にいうと、本能はユーザーがサービスやプロダクトを初めて見る時に直接感じられるイメージです。つまり、第一印象です。人間は視覚的な生物であると言われています。本能的に、自分の興味があるもの見るとテンションが上がるでしょう。美味しそう、まずそう、などの感覚も、主な判断基準はその食べ物の見た目です。よい見た目はユーザーにポジティブな感情をもたらします。そして、小さいネガティブな気持ちを自動的に取り去ってくれる可能性が高いと報告されています。
視覚的な元素は独自の個性を持っています。色、形、材質、その組み合わせによって違うイメージを生み出せます。例えば、ウェブとアプリでアイコンはとても小さいですが、全体的なイメージとしては大きな役割を持っていると思います。

画像3

2-2. Behavioral(行為):

つまり、ユーザーがサービス・プロダクトとインタラクションをして体験が生み出されることです。例えば言葉。設定した人格を言葉に反映させて、もっと「存在していること」を感じられるでしょうか。
みなさんはこういう経験があるかもしれません。人に一所懸命話かけているのに、なかなか返事がこない場合にはいらいらするでしょう。人がプロダクトとインタラクションする事も同じです。例えばアプリでローディングする場合が多いですが、どうやってユーザーのネガティブな気持ちを和らげて、もっとスムーズに次のプロセスにいってもらうか。長い入力フォームがあって、どうやって「もうすぐ終わり!」とユーザーに伝えられるか、などなど。この階段のデザインではユーザーの体験向上のための大事なワークの一環になります。

2-3. Reflective(反応):

あなたのプロダクトを使っているユーザー達は、どんな「価値」を生みますか?国、人、文化、成長背景、環境の関係で複雑な網のように相互に影響されて、新しい価値が生まれるかもしれません。例えばいま、動画共有系のサービスが流行っていますが、その中で若者を中心に話題を呼んでるTikTokというアプリはなぜ一番人気なのでしょうか?若者達の共通言語として、何らかの価値がその中で見いだせるのでしょうか。

参考にできる事例がありますか?

1. 予約代行サビース「ペコッター」

画像4

キャラクターの個性、言い方をサービス全般に浸透させます。 「僕が代わりにお電話しますペコー」という言い方はユーザーとの距離感をなくせますよね。もっと詳しい紹介はデザイナーの井上さんの記事をご覧ください(大作)!

2. 同じプラットホームですが違うマーケット向けのサービス:淘寶(TABOU)と天貓 (TENNMOU)

画像5

Graphic image by Slim许洋-从这3个层面出发,让你的产品实现人格化
中国の大手企業アリババグループの二つのプロダクト:淘寶(TABOU)と天貓(TENNMOU)は同じ「買い物プラットホーム」系のサービスですがターゲットマーケットを分けて作ったということです。

人格的にも全然違うイメージが設定されています。淘寶(TABOU)は、商品を売ることに情熱を持って、大きな声で「いらっしゃいませーこちらの商品をみてみて!安いですよ!」と常に呼びかけているような、ポジティブな性格の人です。ブランド色はとても明るいオレンジです。
天貓 (TENNMOU)は、「猫」のイメージでエレガントで静かにファションのトレンドをこっそり注目している女性です。違うターゲットのユーザーグループの為に鮮明にサービスの人格を立ち上げているので、使う人もそういう感情が伝わってくるでしょう。ブランド色は上品な美しさを感じ得るピンクです。

3. 超純粋な人格代表:Zeplin

画像6

Graphic image by Zeplin Official Website

見出しなどや説明文にも、若い人がよく使う言葉に統一されています。個性が強い手書きのイラストや、購入プランの値段はユーモアたっぷりに野菜の値段を表示します。まるでスタートアップしたばかりの会社で働いていて、チャレンジ精神があって毎日ワクワクししている若い人のイメージですね。

4. ビジネス向け:Trello

画像7

サービスでは丁寧な言葉を使っていますが、日常的な言い方も時々見られます。キャラクターも存在し、それぞれ自分の役割を持っています。例えばTrelloのTacoというハスキーは、広報担当として活躍しています。ウェブやアプリの新しいお知らせが届くと、よく頑張っているTacoの姿がみられます。あなたにとって 一番親しいアシスタント(僕はあなたの相棒だよ)というような感じです!

最後に
やばい、今回も固いテーマになってしまった。ここまで読んでいただきありがとうございます!!実際に作る前に、諸々の調査をやってよかったと思います。

素晴らしい事例や作り方を見ると、どんどん頭の中のイメージが明確になってきます。今回は理論的な紹介ですが、次回は、実際に作るプロセスをシェアしたいと思います!

ではまた今度!!!

ちなみに、私はこの本を読んでいます、この作家のプロダクト・製品に共感デザインを含めて考える視点はとても参考になります!興味があったら是非一緒にこの本の内容について話し合いましょう!

CWでは、いまデザイナーやエンジニアを大募集しています!一緒に面白いものにチャレンジしましょう!少しでも興味があったら、是非CrowdWorksに遊びにきてください!!

*1:①外注の費用申請はプロセスが複雑で進まないことも度々…②納品した後クライアントが消えたこともありました。メールも電話も繋がらなくて、相手の生存確認もできなかったり…(どこ!!!出てくれ!!!!!もし生きてたらお金をはいいからと心の叫び)


この記事が参加している募集

私のイチオシ