見出し画像

作り手の思いが反映された、愛されるサービスの人格

この記事は、2018年5月3日に執筆されたものです

みなさんこんにちは!UIデザイナーの井上です。
最近ものすごく暑いですね。私はもうクーラーつけないと寝られないです。

そういえばこの間、『UI Crunch #13 任天堂のUIデザイナーが語る 娯楽のUI』が開催されましたね!!私奇跡の当選を遂げましてTwitter枠として参加しました。

この時、「サービスを通して、ユーザーに笑顔を届けられること」の素晴らしさを再確認しました。 元々私がこの仕事についたのも、人に笑顔を届けたり人の心に触れたりすることが好きだったからで。

なので今回は人々を笑顔にし続ける「作り手の思いが反映された、愛されるサービスの人格」というテーマでお話ししたいと思います。


1. ちょっぴり毒舌、でも健気でかわいい「Discord」


discordはゲーム特化型のSkypeなどと同じようなボイスチャットツールです。


エイプリルフールネタの詰まった新着情報のモーダル
まずは、この画像をじっくりと見て欲しいです。

画像1

なんという圧倒的可愛さ!!!!
普通、サービスの文言ってもっと硬くって読みづらいものですよね。
例えば「新しい機能を実装しました」という文言
ユーザー的には「あ、うん、そっか。」ぐらいにしか受け取らないし 、見ない人の方が多い。もしくは徐々に見ることがなくなると思います。


ですが、Discordみたいに「いちかばちかやってみよう」という文言に変更するとなんだか不思議と興味が湧きますよね。
さらに内容を見ても面白いですよね。これはエイプリルフールだからという訳ではなくDiscordの人格は普段からこのテンションでやってきます。

Discordがランダムにクラッシュするようになった。つまりきみの忍耐力が耐えられるようになったんだ。やったね!

冗談じゃない。やったねじゃない。そんなツッコミをせざる終えない。
また重要なのが「きみ」というユーザーの呼び方

サービスの大半がユーザーのことを「あなた」という言葉を使っていますよね
これはユーザー=大切な人という意識が強く働いたものだと思います。


ですがDiscordはユーザーを「きみ」という風に呼ぶことで
距離感をより近く、ユーザーと同じ目線に立って話をしています。

ネガティブ要素をネガティブにみせないUI
Discordには「ウンパス君」というキャラクターがいます。
キャラクターを作ってユーザーに親近感を持たせる手法は一般的に使われているものですが
Discordはこれをうまく利用しています。

他のユーザーをブロックする行為
これってすごくネガティブな要素で、ブロックという言葉だけを聞くと一人のユーザーとの縁がぷつりと切れてしまう印象があります。

ですが、かわいいイラストを使うことでブロックのネガティブな要素を打ち消すことに成功しています。
また、「ウンパス君はブロック解除できません」という言葉に着目してみてください。

画像2

キャラクターを使う = キャラクターの人格をうまく利用できると印象操作ができる

ということなんです。
この場合「ウンパス君」を不器用そうに見せることでブロックするという行為自体が軽い印象のものに変化しています。

2. 作り手がユーザー、ネタと愛の詰まった「Pixiv」のサービスたち


ネタが豊富、思わずほっこりするアップデート文言

前回が今年最後のアップデートだと言ったな?アレは嘘だ。(pixiv sketch)


元ネタがわからない人用に解説すると、コマンドーという映画で出てくるセリフのパロディです。
本来起こるはずのなかった不具合修正、謝罪文と共にネタを入れることでなんだかドジっ子でおちゃめな印象に。
ユーザーに通じるネタを提供できるのは作り手自身がユーザーである、pixivならではの手法といえますね。

これはこれでかわいかったのですが(BOOTH)
BOOTHのアプデ内容が面白い pic.twitter.com/xDaNUZwfGg
— ぐらふぃーのhobby (@draw_graffy) 2018年1月25日


これは「プッシュ通知」を「ポッシュ通知」と誤植してしまった時のアップデート文言なんですが
確かに「ポッシュ通知」ってなんだか語感がかわいいですよねww
言い方一つ変えるだけで、こんなにもサービス全体に対する印象が変わってくるのです。

そしてサービスだけに止まらず、pixivという会社自体が面白く楽しそうな会社という印象を受けるようになります。
サービスの人格が人を呼び、さらにより良いサービスが作れる。という良いサイクルがここで生まれるんですね。


3. ユーザーと直接触れ合う、最強の愛されサービス「ペコッター


ペコッターは飲食店予約代行アプリです。


ユーザーの苦手を解消してくれる「はらぺこ君」
ペコッターというサービスは「はらぺこ君」との対話形式でお店を予約できるというもの。
「はらぺこ君」という存在がいることで、その先にいる"人"を意識せずコミュニケーションをとることができます。
そしてコミュニケーションのハードルを格段に下げることができます。

また、自分でわざわざお店に電話しなくても良いので
電話することが苦手な人にも優しいサービスなんですね。

画像3

4. まとめ 愛されるサービスの人格をつくるには

ここまで3つのサービスを紹介してきましたが、この3つのサービスに共通する点は「言葉の力」だと思っています。
キャラクターという存在がイラストで存在している、というのも確かに一番簡単で確実な方法ではありますが
重要なのは「姿が見えなくとも、文字だけでそのサービスか判断できること」だと私は思っています。


・色でサービスを体現する
・形でサービスを体現する
・文でサービスを体現する

この3つがそろっても、個体であっても 「あ、これなんか〇〇じゃない?」みたいな感覚をユーザーに届けられて初めてブランドと呼べるのかなと。

また、言葉でサービスの人格を表現するにはブレない人格作りが必要です。
人格をきちんと作り上げることで、UIや機能として何が必要なのかというところも作りやすくなります。


「このサービスの性格は優しいから、きっとユーザーが困っているときはこの行動をとるだろう」
「じゃあ、この機能が必要だよね!」

という風に落とし込めます。
是非みなさんが、自分のサービスがもし人間だったら・・・?
ユーザーに笑顔を届けられるのかな、と考えてみるきっかけになればと思います。


ここまで読んでいただきありがとうございました。 私たちクラウドワークスは、ユーザーに愛されるサービスを一緒につくっていける仲間を募集しています。 良かったらWantedly覗いてみてください!

ではまた来週!