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デザインもデザイナーもないと困る

デザインってなんですか?って質問は割と聞かれます。ネットなどをのぞいてみても同じような質問もそれに対する解答もそれなりにみかけます。
解答の一つとして散見するのは「課題の解決手段」です。これは答えの一つとしては同意ですし、よくそう答えています。
ただ答えがこの一つで良いのであればデザインもデザイナーもこんなに必要ないのでは?とも思えてしまいそうです。
今回はデザインの役割を通じて、デザインそのものとデザイナーの必要性について書いてみます。デザインが身近になったからこそ、クライアント、デザイナー問わず改めて考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。

デザインするってどういうこと?

そもそも「デザインする」ってどういうことでしょうか?デザインを依頼する人はもちろん、デザイナーも一度は考えることではないでしょうか?
文化や社会の変化によってその意味合いは日々変化するものだとも思います。ただ、どんな依頼にせよ、デザインの大きな特徴は最終的に可視化、目に見える、もしくは手に取れる形になることです。さらに、第三者から見て認識して識別できなくてはなりません。重要なのは認識だけでなく識別できるということ。
ロゴや商品、サービスなど有形・無形に関係なく、様々なものが溢れている今、デザインされてないのは生まれたての新生児が並んでいるようなものです。いるのは分かるけどきちんと区別がつかない状態、認識のみです。我が子を分かるのは生みの親だけ。第三者から見たら、見分けがつかず識別するのはとても困難です。

デザインがあるから識別できる

第三者から識別してもらうには、その特徴をとらえ周りと差別化されていなければなりません。その差別化こそがデザインするという行為になると考えます。
見分けがつかなかった新生児に名前がつく、個性がつく、特徴がつく、そこで周囲から識別してもらえるのです。識別されて初めて第三者自身にとって関わりのあるものかどうかを判断されます。
今はさまざまなツールがあるので名前をつけて形にするまでは、誰でも割と出来てしまいます。それだけ見れば立派に「デザイン」されたものにも見えることも多いです。
ではデザイナーの役割はなんでしょうか?誰でもできるのであればその必要性も見えにくい。眼に見えるカタチだけにとらわれると、デザイナーの本質を見失うことになります。

デザイナーはフィルター

デザインには知識と技術、なにより経験が必要です。デザインが誰にでもできるのであれば、逆に言えばより一層まわりとの差別化が重要になります。それは誰でも使えるツールで簡単にできることではありません。ぱっと見の良さだけだと狭い範囲での差別化はできても、おそらくそのものの価値をきちんと伝え持続するのは難しいでしょう。価値を伝え、その個性、特徴を的確にポジティブに表現する必要があります。そこまで考えて可視化し、表現できるのがデザイナーだと思います。
またどう表現するかが、各デザイナーの違いであり、デザイナー自身の価値につながります。それまで得た技術だけでなく通ってきた文化、得た価値観、美的感覚を総動員しなければデザインは作り上げることはできません。
同じ依頼であってもデザイナーによって表現されるデザインが異なるのは、与えられた情報をデザイナーの価値観によって捉え方、扱い方が違うからです。

デザインに必要なデザイナー

デザイナーだから素敵なデザインができると思われがちですが、先述から、デザインと一言で言っても依頼内容やジャンルなどによって向き不向き、得手不得手があるのが分かると思います。できればデザイナーのポテンシャルを十分に発揮できるのが、デザインの依頼側も請負側にもメリットがあると思います。そのためにも、きちんとデザイナーの経歴や実績、価値観をきちんと共有することが大事です。
また依頼側もできるだけ、形へのこだわりだけでなく、デザインするものの背景や価値をきちんとデザイナーに伝えコミュニケーションをとることでよりよりデザインにつながります。どちらかに頼るだけでなくクライアントとデザイナーが一緒に作り上げていくことが重要です。
識別、差別化するには今ある他のものとの違いをクライアントとデザイナーが一緒になって考えていかないと見つかりません。

最後に

デザインが社会にとって身近になることはデザイナーとしてもとても嬉しいことですし、必要とされることも増えてやりがいは一層高く感じます。それに伴い、社会全体のデザインへの意識も高まり、求められるデザインの質はより一層高くなっています。だからこそ、デザインの役割、デザイナーの役割を見失わずきちんと果たしていく必要があると考えます。
またその役割自体も社会に併せて日々、柔軟に考え変化させていかなければなりません。

「デザインてとて」としては、役割を果たした上で、関わる人々にデザインもデザイナーも面白いと興味を持ってもらえるよう活動していきたいと思っています。

最後までご拝読ありがとうございます!
デザインてとて、でした。


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さいたまのデザイン制作室、デザインてとて です。
デザインを通して、ひと・もの・ことの「て」と「て」をつないでいきます。ロゴやチラシをはじめ、デザインに関するご依頼やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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