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パッケージデザイン(パッケージ編_01 解体)


シンゴ先生より
今日はパッケージデザインのお話です。
日常生活で当たり前に見るパッケージですが実は奥が深い。

わたしが学生の頃、某デザイン事務所でパッケージデザインのアシスタントをさせていただいてました。アシスタントなのでダミーを作ってはよく代理店に届け物のハシゴしておりました。

実際にデザイナーが作るデザインやプロセスを見て率直に感じたのは、
細かいデザインの傑作だと思いました。

パッケージデザインは消費者にとっては容器に過ぎませんが、そこには正しい表記と正確な表現、細かなルールが存在します。後ろの細かな表記はもちろん正しく届けないと企業の信頼そのものを失います。表記の箇所の見えない四角の中にいかに必要最低限の情報を配置する様はまさに職人技と言っても過言ではないと思います。

表面のビジュアルに関してはストーリーが存在し大人しすぎずかつ誇張しすぎず、上から見た時、横から見た時、開けた時、中身のおまけなどそこには細部に目が行き届いた表現がなされてます。

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例えば王道のカントリーマームのデザインを見るとイラストレーション、タイポグラフィー、キャッチコピー、味による色の違い、背景グラフィックなどよく見るとビジュアルデザインの集合体が表面の中に見ることが出来ます。

またコアラのマーチなどは立体物を使った表現でありながら、どの面から見ても楽しい雰囲気が感じられる演出がなされ、開けた後もデザイナーの遊びが垣間見れます。こちらはぜひ箱を一度「分解」してみてはいかがでしょう。

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わたしの勤めていたデザイン会社の社長は写真一枚に関しても試行錯誤し、写真のワンショットの中でいかに表現出来るかを考え、
誰でも「食べる前に食べた時以上を連想されるような」撮影のディレクションをしてました。

社長からはとにかくそれらを表現するためには、「観察」の重要性を学びました。デザインの解剖とでもいうべきか、分析、分解に関して他社や競合の商品をよく解体し、その細部に行き届いた構造やデザインの奥深さや面白さを肌で感じることが出来ました。


みなさんもパッケージデザインに限らず、アイデアや表現に困ったら、一度この分析、分解という手法をおすすめします。デザインを分析、分解する事で今まで見えなかった面が見えたり自分のアイデアのヒントになることが多いからです。ビジュアルであれば自分が美しいと思うデザインを集めて分析してみるのもアリではないでしょうか。

社長は数年前にこの世から旅立ちましたが、根幹にある考え方を継承し、自分も高いクオリティのデザインが出来るよう、ジャンルを問わず
常に分析、分解の精神は心掛けてます。

パッケージデザインのお話はまだまだつきませんが、
次回パッケージデザインのお話をする際、
わたしが最も美しいと思う
イギリスのパッケージデザインのお話が
出来ればと思います。

それでは今回はこの辺で チャオ!

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