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同世代でデザインコミュニティを作る理由

Design Homiesを設立し、運営をしているatarapiです!普段は大学院生として情報理工学を学ぶ傍ら、デジタルプロダクトを扱うデザイナーとして活動しています。

今年の9月に初めて主催でデザイナー学生を集めてLT会イベントを開催しました。そこを起点に4人の運営メンバーと共に同世代のデザイナーたちを集めてイベントを行い、Design Homiesというデザインコミュニティを作るようになりました。今回なぜ私がコミュニティ作りに取り組み始めたかについて話します。

本記事ではIPA(情報処理推進機構)が提供する人材白書2023のデータを参考にします。人材白書では、UI/UXデザイナーの定義を「デジタル事業に関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材」としています。

2024年現在、日本国内ではUI/UXデザイナーが足りていないという現状があります。今後も少子高齢化に伴って、デザイナーの数はどんどん減っていくでしょう。

出典: 人材白書2023 P.170 

Redesigner for Studentsの田口さんの記事は「デザイナー就活」における課題感を上手く言語化しており、若い世代のデザイナーを増やしていくための取り組みについて言及しています。デザイナーが足りていない現状と裏腹に、業界として「高度デザイン人材」の適性に合わせて新卒に求める採用要件が高くなり、新卒デザイナーの入口が狭くなっているという矛盾はとても課題に感じます。

このようにデザイナーが足りていないことに危機感を呈し、協力してくれる先輩達はいます。しかし、一番困るのは私たち自身です。当事者である私たちが行動を起こしていくべきではないでしょうか。数は減っていく一方なので、現状と同じやり方ではいつか破綻します。私たち自身が進化していくべきです。

私たちが進化するためにやるべきこととして、主に2つ考えています。

1つ目はデザイナーとしてのスキルを上げることです。
社会が求めるデザイナー要件が高くなる以上、私たちもレベルアップする必要があります。デザイン原則の理解やメソッドの理解の場を提供することで、同世代で知見や情報を共有して刺激し合い、一緒にレベルアップしたいと思っています。海外ではDesign Buddiesという若手向けのデザインコミュニティがあり、多くのコミュニティイベントやミートアップが行われています。日本の若手のデザイナーが遅れを取らないためにも、積極的にギークなトピックまで学べる場を提供したいと思っています。

2つ目は、デザイン専攻以外のデザインのケイパビリティを高めることです。
そもそもUIやUXデザインを専門的に学ぶことができる大学の学部が少ないことに課題を感じますが、教育システムを変えるほどの影響力は持ち合わせていません。デザイナーが不足している以上、自然科学や工学、経営学、文化人類学など色々な領域の学生達のデザインスキルを上げることが大事だと思います。デザイン専攻外の人たちのデザインケイパビリティを上げることで、社会全体におけるデザイン不足の解消につながります。実際に以前行ったLT会に参加したメンバーの半数がデザインとは異なる専攻でデザインに興味がある人たちでした。デザイナーを増やすことは重要ですが、現状維持ではなく進化するためには多くの人のデザインケイパビリティを向上させることが本質的に重要ではないのでしょうか。

また一方で、ちゃぶ台返しになってしまいますが、このような記事を見かけました。米国求人サイトのIndeedの統計によると、UXデザイナーやUXリサーチャーのニーズが激減しているそうです。


日本ではまだこの波が来ていないようですが、いつ同じ波が来るか分かりません。想像を超えて進化するAI、10年後果たしてデザイナーという役割は残っているのでしょうか?先のことを考えすぎると気後れますが、落ち込んでいる場合でもありません。先の見えない技術の進化の波に置いていかれないよう、デザイナーという肩書きに囚われすぎず、ものを作る人としてデザイナー側もUIやUXのデザイン領域だけでなく積極的にエンジニアリングや経営方面も横断的に学んでいくと良いのではないでしょうか。コミュニティ活動も「デザイン」の枠に囚われすぎず、デザインと横断して色んな領域の勉強ができる場を作りたいと思います。

以上、長文になりましたが、私がコミュニティ活動を始めた理由になります。私は今後もデザインコミュニティを育てることに注力していきたいと思います🔥

そして今年度も公式XアカウントでDesign Homiesの活動の情報を発信していく予定です!

5月11日にはGoodpatchオフィスで第3回デザインLT会を行う予定です!
U25の皆さんはぜひ👇

📝 関連情報

🔗 Design Homiesの過去記事
🔗執筆者:atarapiのXアカウント
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