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アートを取り入れたポップなボクシングジム

こんにちは。
今回も前回と同様に、実際にクライアントから依頼を受けたという設定で生成AIを用いた内装パースの作成・提案を行い、またそのプロセスについて考察していくことで、生成AIを取り入れた設計提案の新たなプロセスを構築し、表現するための可能性を検証していきます。今回はボクシングジム内の受付や更衣室等などの設備を含めた内観パースを3カット作成します。

第2回目の今回は『アートを取り入れたポップなボクシングジム』をテーマとして、実際に生成AIを用いてパースの作成を行います。


ミッション

現役プロキックボクサーであり、パーソナルトレーナーとして活動するクライアントからの依頼。
40歳を迎え、プロとしてキャリアの終盤ということもあり、セカンドキャリアに向けてパーソナルトレーニングの拠点となるジムの開設を計画している。

アートを取り入れたポップな空間で、格闘技=男っぽいというイメージを払拭するような爽やかな空間。女性会員がsnsにポストしやすいような試みが各所にあり、格闘技ライト層向けのジムにしたい。

営業の形態は以下の通り。
朝の部(8時〜12時)はパーソナルジムとして会員制とし、時間制として最大2名が同時にトレーニングを受けることができる。
昼の部(14時~16時)は個人のトレーニングスペースとして、練習パートナーを招聘し、トレーニングを行う。
夜の部(18時〜22時)はパーソナルジムとして会員制とし、時間制として最大2名が同時にトレーニングを受けることができる。

スタッフは受付1人、トレーナー1人を採用する予定である。

生成AIによる内装パース作成までのプロセス(1)

①コンセプトの作成とイメージの収集

内装パースの作成にあたり、まずはデザインのコンセプトの作成とデザインのイメージ収集を行います。

コンセプト:ポップアートに彩られた空間で身体と感性を磨く

アートペイントによって彩られた、現代的でポップなボクシングジムです。全体を白基調とすることで空間に清潔感と開放感を持たせ、壁面に大胆にアートを描くことで、利用者の感性を刺激しトレーニングにへのモチベーションを高めます。

デザインのイメージ

①全体のコンセプトとイメージ
②細かいディティールについて
③更衣室のイメージ

②プロンプトの作成・入力

生成AIで画像生成をする際には、プロンプトの入力や生成したい画像のイメージ写真の添付が必要となります。
※プロンプトとは、生成AIにイメージの方向性を指示するテキスト。

そこで大まかなイメージを生成するためのプロンプトを作成と入力を行います。

①で述べたデザインのコンセプトとイメージをプロンプトに変換すると
Prompt : A boxing gym which is popular for young people, looks like a contemporary art gallery. There are some small accent color paint art on the white wall. There is a boxing ring on the center of the room and there is a punching bag on the corner. Design of the boxing ring is pop design looks like a cartoon.
このようになります。

そしてこのプロンプトをMidjourney(生成AI)に入力すると

生成画像①

このような画像が出来上がりました。
しかし、この画像ではポップな印象が強く、全体のコンセプトとイメージからは外れてしまっているのでプロンプトに訂正を加えます.

③出力した画像にさらに指示を加える。

訂正後のプロンプトは以下の通りです。
Prompt : A boxing gym which is in the art gallery in the city. It looks very simple and there is no art on the wall. the ceiling hight is 3 m. the wall is painted green by gradation color. And there is a boxing ring on. the center of the room. it is 4m square and it doesn't have rope on the front side.

このプロンプトでは”pop design”や”accent color”といった単語を抜いて、天井高や壁面のデザインといった細かい指示も加えているのでAIにより明確なイメージを持たせることができます。

そしてこのプロンプトをMidjourney(生成AI)に入力すると

生成画像②

このような画像が出来上がります。壁面のグラデーションやリングの指示が細かく反映されて、よりコンセプトやイメージに沿ったデザインになりました。

そこに更に、壁面のグラデーションの色の統一やメッシュの天井を作るといった空間のデザインの変更を加えます。

画像の一部分の訂正を行う際はVary(Region)というコマンドを用います。
Very : Change the color of wall green gradation. And the ceiling is covered by the green steel wire mesh board, which color is same as the wall. And make the boxing ring bigger.
このコマンドを入力すると

生成画像③

このような画像が出来ました。この段階ではまだポップな印象とボクシングジムらしさが出ていないので、壁面にアートペイントを描くことやリング内にサンドバックを加えるといった訂正を行います。

Very : There is a boxing punching bag hanging on the ceiling. and orange paint splashed on the wall, looks more artistic.
このコマンドを入力すると

生成画像④

このようなコンセプトに近いイメージを生成することができました。

生成AIによる内装パース作成までのプロセス(2)

次に受付などの設備が写る、空間全体を引きで撮ったイメージを作成します。

まず、生成画像④の画像の比率を3:4に変更し1.5倍のズームアウトを行います。

生成画像⑤

するとこのように空間全体が写るイメージになり、画像の右側に受付のスペースを生成するための空間が生成されました。そしてその空間に受付スペースを設けるための訂正を入れます。

Vary : A reception counter at the gym, it looks like a cafe counter, very simple and stylish. looks modern.
このコマンドを入力すると

生成画像⑥

このような受付を含めた空間全体のパースが出来上がります。

生成AIによる内装パース作成までのプロセス(3)

最後に更衣室のイメージの作成を行います。

このイメージの作成にはMidjourneyのBlendと呼ばれるコマンドを使用します。
※Blendとはアップロードされた2枚以上の画像をAIが組み合わせることで新しい画像を生成してくれる機能です。

このBlendに以下の3つの画像をアップロードします。

アップロードした画像3枚

この3枚の画像をBlendのコマンドで組み合わせると

生成画像⑦

このようなコンセプトとイメージに近い画像が生成されます。
そこから更にタオルやグローブなどを空間に追加し、扉を緑にすることでトレーニングルームとの繋がりを持たせます。

Vary : Change the color of the door on the front dark green. And remove the door on the back. remove shelf and paint the wall white. there is a green towel and orange punching glove on the white wall.
このコマンドを入れると

生成画像⑧

よりイメージに近い画像を生成することができました。

感想・考察

今回、実際に生成AIを用いて内装パースを作成し、感じたことは

・AIに的確なプロンプトを入力するための語彙力が求められる。
・空間を要素ごとに分けて生成するとイメージに近い画像を生成することができる。
・プロンプト以外の、ブレンドや訂正の機能を併せて使うことで生成にかかる時間を短縮することができる。

といったことが挙げられ、生成AIを活用する側の更なるスキルが必要であることが分かります。

しかしAIを活用するためのスキルを身につけることができれば、より一層表現の幅が広がり、仕事の効率化を図ることができます。

まとめ

内装パース3枚

いかがでしたでしょうか。今回は『アートを取り入れたポップなボクシングジム』をテーマとして、実際に内装パースの作成を行いました。今後も生成AIによって様々なテーマを元に、生成した内装パースの紹介をしていきます。

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