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展望: 2024 J2 第22節 清水 vs 岡山

当日になりましたが、本日のホーム岡山戦の展望を書いていきます。初の連敗で、3位というポジションで迎えるホームの岡山戦。横浜FCは前日に勝利、長崎はミッドウィークに勝利・引き分けと、ライバルは勝ち点を積み増している中で、絶対に勝ちたい一戦になります。


岡山とのこれまでの対戦成績は?

今季の前半戦のアウェイの岡山戦は、北川のゴールで1-0で勝利。内容も非常に良くて、アウェイの中での快勝となりました。ハイライトはこちらになります。

当時は連勝中真っただ中で絶好調。乾の欠場により、4-4-2で北川とカルリの2トップ、右にブラガ、左に矢島を置く形が機能していました。
この試合の観戦記はこちらですので、是非振り返ってみてください。

これまでの通算での対戦成績は、清水の3勝2分で、清水は一度も負けていません。

岡山のこれまでの成績は?

岡山は、現在10勝7分4敗の、勝ち点37で4位につけています。3位清水との勝ち点差は6。前回対戦時は清水が2位、岡山が3位でしたので、再びここで6ポイントマッチとなります。
その岡山ですが、好不調の波がはっきりしていて、開幕から4連勝含めてスタートダッシュに成功した後に、中盤は8試合で1勝3敗4分という低迷期を経て、ここ6試合は4勝1分1敗と好調。

岡山のこれまでの対戦成績

直近2試合はどちらも後半終了間際のセットプレーからの劇的なゴールでの勝利。連勝でアイスタに乗り込んできます。

岡山の特徴は?

スタッツ的にみると、岡山は攻撃は1試合平均1.2得点とさほど高くないですが、守備委は被攻撃回数は多いものの、被ゴールは1試合平均0.7と2位の成績。被シュート成功率は、ブローダーセンのセーブ力もありリーグ1位の成績です。攻撃的なチームでありながら、しっかりと守備から組み立てるような強敵だと思います。

岡山のChance Building

より詳しいチームスタッツを見てみましょう。

岡山のチームスタッツ

ボール保持にはこだわらず、ボールを奪ったら一気にゴールに迫るというスタイルが見て取れますね。

岡山のシステム・戦術は?

岡山は、開幕から一貫して3-4-2-1のシステムを貫いています。選手が変わっても、システムは変わっていないので、岡山の木山監督はシステムに選手を当てはめるタイプということがわかります。システムを使い分ける清水とは逆のタイプとなります。リーグ中盤になってくると、システムの熟成度という観点では、岡山の方に分があるかもしれませんね。

岡山の前節のスタメン

戦術としては、まず守備に関しては、奪われたらできる限り早くボールを奪い返すべく、前線からプレスをかける形。但し、奪えないと判断した場合には、両ワイドは一気に引いて、5バックを形成します。トップ下もそれぞれサイドの位置に落ちて、5-4-1でブロックを作ります。
攻撃はいたってシンプル。前線からパスを繋ぐというよりは、ターゲットとなるトップの選手(上記ではルカオ)にロングボールを出しつつ、両WGが一気に駆け上がって、トップ下と4枚でセカンドボールを拾いに行って、奪えたらできる限りシュートで終わるというやり方。またボールサイドに数的優位、人数をかけてサイドを攻略するということもやってきます。特に前回の対戦時は、岡山の右サイドで、岡山のトップ下2人、WG、ボランチに、右CBも加わって、崩しに行くということがありました。
こうした中で、竹内・藤田の元清水コンビのボランチがとにかく精力的に動いて守備とパス出しの中心的な役割を担う。そういうチームです。
岡山の攻略としては、前線からのプレスをうまく回避して、WGが戻り切らないうちに、CBの脇のスペースを突くことが一つ。また岡山が3バックが故に、CBが前に出てくる傾向が、前回対戦時の北川とカルリのワンツーでの得点のように、ワンツーや3番目の動きで裏を取ることができれば決定的なチャンスを作りやすいと思います。

岡山の予想スタメン・注目選手は?

さて、岡山ですが、前回対戦時とは大きくメンバーが変わっています。今季鳴り物入りで加入したガブリエルシャビエル、グレイソンは怪我により欠場、代わりにトップには長身でフィジカルの優れるルカク、トップ下には岩渕に加えて、最近では早川が定着。そしてボランチには、15節から竹内がスタメン定着。CBの中に柳(育)、左には鈴木が入ることになり、このメンバーになって、戦い方が安定し、直近の好成績につながっています。
スタメンは、ここ5試合は全く変わっていないので、同じメンバーを予想します。

岡山の予想スタメン

注目選手は、まずはなんといってもブローダーセン。リーグトップのセーブ率を誇ります。そこまで上背のあるタイプではないのですが、とにかく反応が早いのと、パンチング・キャッチの判断と質が高い、Jリーグ屈指のGKです。

岡山の絶対的守護神ブローダーセン選手

続いてはCBの真ん中にはいる柳(育)。とにかくヘディングが強い。前節の群馬戦でも、終了間際のコーナーキックで、右からのインスイングのクロスをファーから、首の筋肉で、ミートして逆サイドに押し込みました。ファーで合わせるのは、ニアよりもきちんと当てないといけないため、これで決められる選手がいることは、警戒が必要だと思います。

ヘディングの強いCB柳育祟選手

そして前線の要は、前回対戦時も苦しめられた岩渕選手。ドリブル、キック、ランニングと何でもできり選手で、セットプレーの際はキッカーとして、攻撃時はアタッカーとして脅威になる選手です。

攻撃の要岩渕選手

最後に上げたいのは元清水のWボランチ。藤田息吹選手と竹内涼選手。藤田は清水移籍後J2のチームを渡り歩く中で、今まさにサッカー選手としてのピークを迎えている印象があります。とにかく、素晴らしい運動量でピッチを駆け回り、献身的に守備やスペースへの走り込みをさぼらず、本当に清水にいて欲しいようなそんな選手にまで成長しました。またキャプテンの竹内選手。ベテランでありながら、周りが良く見えていてプレーの選択がいつも早く、清水のことも熟知しているため、相手に回すと非常に怖い選手ですね。

藤田息吹選手
竹内涼選手

清水のスタメン・サブ予想は?

さて、この岡山に対して、清水はどのようなメンバーで戦うべきか?非常に注目が集まります。前回対戦時には、CBに住吉と高橋が入り、相手のロングボールを良く跳ね返していたのと、右SBの吉田が、末吉を中心とする岡山の左サイドの攻撃を良く封じてくれました。また乾不在で4-4-2のシステムをとりましたが、前線からのプレスや攻撃時には、矢島が中盤に下がり、ブラガが最前線に上がることで、3-4-3のような可変システムを採用し、非常に効果的でした。

前回対戦時の清水の攻撃時の立ち位置

そして後半にリードした状態から原を投入して3-4-2-1のミラーゲームにして、試合をきちんと締めることで見事勝利を収めました。
秋葉監督は秋田での敗戦を受けて「原点回帰」という言葉を口にしていますので、おそらくまずは4バックでスタートするのではないかと思います。

注目①: 乾と矢島のどちらを先発で起用するか?

注目の一つ目は乾の起用です。前節は先発から外しましたが、前半全く攻撃が機能せずに、後半頭から投入。また途中から4-2-3-1にすることで、清水はチームとしてやることがクリアになり、攻撃が活性化したというところがあります。一方で、前回岡山との対戦時には、乾不在の4-4-2で勝利したということもあります。乾を先発で起用して4-2-3-1にするか、矢島を左MFに起用して、4-4-2にするか。秋葉監督は両選手の同時起用の選択肢を取る可能性はありますが、2人共スペースでボールをもらうよりは、足元で受けるタイプであり、動きが少なくなることから、個人的には使い分けた方が良いと思っています。乾か矢島か同時か、ここは秋葉監督も悩むポイントだと思います。でし的には、ホームアイスタでプレーできることもあり、前半から得点を取りに行くために、乾選手のスタメンを予想します。

注目②: ブラガ・吉田と松崎・原のどちらを先発で起用するか?

続いて、右サイドの選手起用について、ブラガと松崎のどちらを先発で使うか。これは右SBが誰を起用するかにも関わるのですが、前節の後半で非常に良い連携を見せてくれた、松崎と原のコンビに期待するのが良いと思っています。ブラガを使うならば、右SBは吉田の方がバランスと連携が良くなります。ただ、ここ最近のブラガのパフォーマンス、前節の松崎のパフォーマンスを考えれば、松崎をスタメンで起用するの方が良いのかなと思います。

注目③: 蓮川・住吉の復帰はあるのか?

さて、最大のポイントが、清水のCBの人選です。上述の通り、岡山はルカクを最前線に置いて、長いボールを蹴ってきます。ここに対して、跳ね返せるかどうかを考えれば、前節まさにその役割を完璧に果たした、住吉選手が最有力候補になります。ただ練習の様子からは、住吉選手を確認できなかったので今回復帰は難しいのかもしれません。一方で、練習でフルメニューを消化した蓮川選手。前回は怪我明けで途中出場して負傷してしまったため、慎重な選手起用になると思いますが、この大切な試合にスタメン復帰させる可能性はあると思います。なので今回は蓮川選手の先発を予想したいと思います。

清水のスタメン・サブ予想

以上の考察から、清水のスタメン及びサブのメンバーはこうなりました。

清水のスタメン予想

SUB: 沖、高木、吉田、北爪、白崎、ブラガ、タンキ

前半のうちのゴールを奪いリードしたら、松崎→吉田で3-4-2-1に以降。原が右CBとなり、偽CBとしてプレー。疲れが見えたら乾→白崎でゲームをクロージングする。
後半も得点を取らなければいけない展開になった場合には、乾→タンキ、松崎→ブラガ、高橋→北爪(原をCBに)などで4-4-2に移行し、攻撃の圧を高める、そんなイメージです。

清水はどう戦うか?

さて清水は、この試合どう戦うべきか。キーワードは「原点回帰」。そして秋田戦のレビューでも書きましたが、個の力の足し算と、チーム戦術の掛け算の「掛け算」の部分をしっかりやる。チーム戦術は、「ベース」と「相手の対策」に分かれますが、まず「ベース」について、昔書いた清水の戦術に関するnoteですが、ここであげたような鹿児島キャンプで取り組んだ戦術を改めてしっかりと共通認識をもって実践することかなと思います。

まずは守備から入ることが大事。ボールを奪われたらゲーゲンプレス(即時奪回)で再度ボールを奪う、ネガトラを早くすること。次に、前線からのプレスは、北川・乾の両選手がスイッチ役となり、シャドーカバーや同サイド圧縮など、基本的なことをしっかりやりきること。攻撃の面ではまずはビルドアップ。4バックの時は中村が落ちるなど、3枚で回しつつ、SBなのか、SHがハーフレーンでしっかりと顔を出し、(確実に通る)チャンスがあるのであれば、下がって受けに来る北川の足元につける。そこからのレイオフで逆サイドに展開するなどをやる。さらにアタッキングサードに進入した場合には、簡単にクロスを上げるのではなく、前節も松崎がやったようにドリブルやワンツー、三番目の動きでニアゾーンまで進入する。そこからグラウンダーでのマイナス方向のクロスでゴールを狙う。この上がりの「清水のベースとなる戦術」をしっかり実践することが大事ですね。
また岡山に対する「対策」については、前回対戦時と同様に、ロングボールと同サイドでの数的優位に対する対応、相手がしっかりとプレスに来た際の、3バックの脇へのロングパスなど、この辺りをベースはやりながら、臨機応変に対応できるかが、注目になると思います。

最後に、ファジサポさんの素晴らしい展望のnoteを紹介させてください。

相手側の視点でこの試合をどう見るのか、とても興味深いですね。合わせてみることをおすすめします!

絶対に勝ちましょう!

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