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宇宙人の哲学 1. 宇宙人の自己紹介

ここ1,2年で、「宇宙人だね、君は」と言われることが連続したので、それについて考えました。多分割とあるあるネタです。

1. 「宇宙人」ってどういうこと?
2. どうやって宇宙人ができたか
3. 宇宙人のつらさとよかったこと
4. みんな宇宙人の世の中をどう生きるか

こんな感じに4部に記事を分けようと思います。

キーワード: マイノリティ、相対主義と絶対主義、異文化、コミュニティ、3rd culture kid、観光客の哲学

1. 「宇宙人」ってどういうこと?

僕が、「宇宙人」と言われた時のことをよく分析してみると、以下のような意味合いのようです。

・ある状況で多くの人がするだろう反応と違うことをする
・全然違った分野のものを同じものとして扱う
・いつもポツンと一人でいるようなイメージがある

有名なCMの「惑星ジョーンズ」のジョーンズみたいな状態、と言ったらイメージが伝わりやすいかもしれないです。

どこにいても、何をしていても、ある人が好きなことや、あるコミュニティが大事としている価値観が、ものすごく遠いところの何かに感じる気分です。
目が離れている程美しく、生殖の可能性が上がるハエを見て「ホォー俺は目が離れてれば美しいとは思わんけど面白いなー」みたいな感覚。アレが人に会うたびに発生する。

年収が多い少ないですごいすごくないを決めている様子は、ある限られたゲームのポイントを競っているように見えてくる。
港区に住むのがすごいこと、という価値観も、海外で港区の1/4くらいの家賃で公園もあって静かな場所に住んだ経験があると、分からなくなってくる。
ある界隈にドップリ浸かって「これはいいデザイン/音楽/絵画だ!!」と言い切ることができなくなってくる。

「いや、金が沢山あったら色々なものが買えるし、うまい肉とか寿司とか食べれるし、都心の一等地のタワマンに住んで外車に乗って石原さとみみたいな女を取っ替え引っ替えだろ!サイコーだろ!」
といわれても、
どこか別の星の住人が、
「鼻毛をたくさん持っている人は、その鼻毛を使って耳毛が買えるんだぞ!そうしたら、紫色の土の土地に住めて、目の離れたハエに似た女がたくさん寄ってきて、人生サイコーだろ!!」と言われても、
「はあ、そうですか」としか返事ができないだろう。
流石に今の時代、上のような価値観の人はむしろマイナーだが、
「結局人の繋がりが大事だよね。うちで踊ろう!みんなを笑顔にすることがいいことだよ!」
「会社の同期は一生の仲間だから、大事にしていこうよ!」
「リアル充実しているやつが憎い。俺はクソだ。みんなで堕ちよう!」
みたいな、このどれもに「はあ、そうですか。」という反応になってしまう。
その、「はあ、そうですか」という反応をした時に、各星の住人から、「君は宇宙人だね」と返ってくる。

なぜ宇宙人になったか

前の話からまとめると、宇宙人は「あるコミュニティのマジョリティ側の価値観と違った価値観を持っている人」、かつ、「価値観の会うコミュニティが極端に少ない人」と定義できるかもしれません。
僕が宇宙人になったのは、幼少期の度重なる転校と、高校時代、大学院時代の留学が大きいかな、という気がしています。
価値判断の基準は、その人が人生で見てきた、体験してきたデータセットをもとに構成されます。
なので、複数の社会で生きた体験してきた人のデータセットは、その組み合わせから、当然どの社会にも属さない特殊なものになり、価値判断の基準も世の中の多くからは相当ズレてきます。

世界スケールで転勤するグローバルな家族の元に生まれた子供を、英語圏では Third Culture Kids と呼ぶようです。これはこの記事の「宇宙人」とほぼ同義です。
ただ、「違った文化」というのは何も国単位の話ではなく、地域、学校、学校の中でもさらにサークル、など、至る所で発生しうるものです。
なので、「宇宙人」に感じる人は、日本を一度も出たことがない人でも存在します。

次の記事では、「宇宙人」であることによる辛さと、よかったことを書こうと思います。


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