全員を疑う その2 ペーパードライバー
ペーパードライバーの眼鏡をつけると、路上のもの全てが疑わしくなるでしょう。
合流、車線変更、入れてもらえるはずがない。駐車場出口の精算機にちょっと手が届かなくて、後ろからクラクション鳴らされる、なんで?なんだか後ろの車が近い…これが今流行りの煽り運転?
やたら車線変更して追い抜いていく車に絡まれないように、左車線をそーっと走る。
一度道路に出れば、進路奪い合いの戦争。
右折レーンのないところで右折しようならば、途切れない対向車と、後ろからの圧力を感じて、ウインカーを無かったことにしたい…
いきなり車線がなくなるなんて聞いてないし、いきなりそっちの分岐に入るなんてそんな手前で言われても車線変更できない。
運転初心者なんてどこにいるのか…ガンガン走る人ばっかりやんけ。都心に続く大通り。ここを通らなければ行きつけのディーラーに行けない。路線バスの後ろは怖い。信号機は見えにくくなるし、バスがバス停に止まったら、追い越さないといけない。対向車が見えない。
ペーパーのお前がヘタクソなんだ、とベテランからは片付けられそうだが、アドバイスするとしたら、最終的にはとにかく走って慣れるしかないということになる。
ペーパードライバーの眼鏡は外したが、ベテランの眼鏡を掛けてはいない自分でも、やはり全てのことを疑うしかない。
不意な割り込みやブレーキは常にあるだろうとして車間を開け、横断や飛び出しが常にあるだろうとして速度を落とす。
もちろん、自分の失態も考慮に入れる。
今、ペーパードライバーの眼鏡が外せなくて悩んでいたら、車を何らかの形で必要としているのでしょう。
ある程度想定して、車間を開けて待っていますから、こちらにおいで下さい。