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ダジャレから生まれるライフハック。

「コーディネートは、こうでねえと。」

いかがだろう。この日本の紳士たちが誇る笑いの伝統芸「ダジャレ」。おもしろいだろうか。

残念ながら文面なので僕からは君のリアクションをうかがうことは出来ないが、さぞかし爆笑の渦に巻き込んだものと受け取って話を進めることにする。

僕がこのダジャレを初めて聞いたのはかなり昔のことで、みんなで楽しくファッションの話をしている時に年輩の方がボソッと言い放ったものと記憶している。
その場の空気が凍り、全員がリアクションに困り果てる中、こちらの反応をうかがっているおっさんのニヤケ顔に軽い虫唾むしずが走ったことも鮮明に覚えている。
その時に僕が覚えたスキルは「苦笑いでやり過ごす」という、日本で生きていくためには必須の渡世術なので、思い返してみればあの経験も悪くはなかったのだろう。

まあそんなおっさんにわいたソフトな殺意など今となってはどうでもいいのだが、僕はこのダジャレが実はものすごく理にかなったことを示しているんじゃないか、ということに気づいたのだ。

そう。
あのApple社を創設したスティーブ・ジョブズの有名なライフハック「同じ服を何着も用意する」である。

今ではもはや国民の必須アイテムでもあるスマートフォン。このアイデアを生み出すために行ってきた数々のライフハックは伝説となり、彼が亡くなった現在でも世界中のビジネスマンたちのお手本となっている。
そのライフハックは一貫して目的はシンプルで、すべて「新しいアイデアを生み出すために極限まで無駄を減らす」ということに密接しているのだ。

コーディネートを考える時間。
実はこれはものすごく労力を使うことなのだ。

もちろん、ファッション自体もそれはそれで楽しいのもわかってはいるのだが、齢40にもなってくるといい加減飽きてくる。おしゃれなんてもう最低限でええやん。TPOさえわかってれば。そんなことより面白いのは世の中を便利にしたり楽しくするアイデアやでえ。

ということで、ご多分に漏れず僕もそんなおじさんの一員となり、試しに数年前からスティーブ・ジョブズよろしく毎日シンプルなコーディネートで暮らしているのだが、これが効果てきめん。
毎日のコーディネートを考えなくて良くなった分、その余裕を仕事やプライベートに全振りすることが出来て、かなり過ごしやすくなったのだ。
すごい。さすがスティーブ・ジョブズさんやで。

そして、彼もティム・クックか誰かに「なんでおんなじ服ばっか何着も持ってるんですか?」と聞かれ、こう言ったに違いない。
コーディネートは、こうでねえとな。

そんなダジャレを言うやつは誰じゃ?とティム・クックも返し、おじさん二人でキャッキャしていたものと推測されるが、世の若者たちに嫌われるダジャレも、深堀りしてみると意外と理にかなったことを言ってる場合もあるのではないか。

しかしさすがにダジャレはウケないと経験上わかっているので、僕も極力言わないようにしているのだが、うっかり出そうになることも多々あったりする。あの自然現象を我慢するのは、実はなかなかの忍耐力が必要だったりするのだ。
なんで言いたくなるのだろう。ウケたことなんて一回もないのに。

えっ。
それが老化現象なんだって?


そっ

そんなバナナ🙂

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