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うつと生きる者が『NHKスペシャル 山口一郎 "うつ"と生きる ~サカナクション 復活への日々~』を見ました

お久しぶりです。
近頃、仕事が忙しかったり予定が立て込んでいたりして
日記を書く余裕がなかったので久々の更新となってしまいました。

今回の記事は、
うつ病と生きている人やその周りにいる人、
うつ病かどうかは不明だけど
ちょっとしんどい気持ちとお付き合いしている人、
サカナクションが好きな人、音楽が好きな人、
どれにも当てはまらないけど、読んじゃおっかなー!と思ってくれた人
すべての人に届いたら嬉しいです。

私は2010年にサカナクションを知って、ライブに行ったりするくらいのファンでしたが
2016年頃から仕事やプライベートがうまくいかず病んでしまい(その後2017年に気分変調症→うつ病と診断され、現在も投薬治療をしています)、
その頃からライブにも行けなくなってしまい
それからは音源やライブのblu-rayを購入し楽しませてもらう形で応援をしている者です。

今回、ボーカルの山口さんがご自身のことを打ち明けてくれたことで感じたのは
「病気のことをファンに打ち明けるまでに、想像もつかないくらいの体力・気力・勇気を費やしてくれたんだろうな…」ということでした。

どれも数値にできない、誰にもわからない。
本人にしかわからないどころか
本人にさえわからないかもしれないくらいのことです。

そのことに、まずファンとして
「大切なことを教えてくれてありがとうございます」という気持ちが沸き起こりました。

次に、同じ病と生きる者として
「この病のことは、かなり言いづらかったであろうに
メンバーやスタッフたちだけでなく
ファンにまで包み隠さず打ち明けてくれて、本当にありがとうございます」と、心の中で深くお辞儀をしています。

今やその名を知らない人はいないであろう「うつ病」。
その症状は人によりグラデーションのように程度が異なりますが
超シンプルにいうと脳の病です。
仕事したり趣味をしたり、もっというとお風呂とかの日常生活をするにあたって
無意識に頑張ってくれている脳がうまく働かなくなってしまった結果
好きなことが楽しめなくなり、あらゆることに興味が持てなくなり
身体が石化したように動けなくなったり
ワケもなく悲しくなり、自分が大嫌いになり
あとかたもなく、消えたくなってしまう(でも悲しむ人がいると思うと、みんなの記憶からさえも消えたくなっちゃう)
そんな状態が断続的に続くとても厄介な病です。

その結果、予定をキャンセル(ドタキャン)したり
仕事に行けなくなったり遅れたり
健康なときに作れていた成果物が満足に納品できなかったりして
不本意ながら周りの人に迷惑をかけてしまうこととなります。

症状についていまいちピンと来ない方からすると
甘えやワガママ、気にし過ぎに見えてしまうこともあり
人間関係が崩壊したり所属している組織を離れざるをえない状況になったりもする
本当に本当に厄介な病気です。

そんなわけで、うつ病だと告白すると腫れ物扱いしてくる組織や人がたくさんいる現状で
告白するのはすごく勇気がいることだと個人的に思います。

たとえば会社で勤務するにあたり、何か配慮が必要であれば
あらかじめ告知することもありますが(障害者雇用枠であれば告知や障害者手帳の開示をすることが多いかと思います)、
そうでない場合は、告知はせずに健常者と同様の勤務形態で働き
いわゆる"擬態"をすることになります。
私は後者ですが、擬態できるようになるまでにかなりの年月を要しました。

人気商売でもあるミュージシャンの山口さんが
身近な存在であるメンバーやスタッフだけでなく
ファンや、ファン以外も知ることができる形で
病のことを打ち明けて、しかも闘病中のリアルな抑うつ状態の記録まで見せてくれたことは
なかなかできないことで
本当にすごいことですし、多大なる勇気を称えたくて
どうにかしてこの気持ちを記したい!!と思い
筆を執りました。

そして、復活ライブのひと幕でドラムの江島さんが涙ぐんでいたこと。
これも私はグッときてしまいました。

うつ病になると、患者本人は良くも悪くも自分のことで精一杯になってしまいます。
先述したような周囲へ迷惑や心配をかけてしまうことに
気付なかったり、気付いたとしても
お詫びできる余裕も体力もなく…。
周りと向き合えないもどかしい時間がくるケースが多いように思います。

それで、人が離れていくケースも多い中で
サカナクションのメンバーは山口さんのことを信じて待ってくれていました。
スタジオにきて、待てど暮せど来れない山口さんのことを
心配し、活動できないことへの不安もあったでしょう。
言葉には出さないけれどきっと思うことはたくさんあったと思います。
それでも、ずっと待ってくれていました。
もうそれだけでも尊くて、ありがたいのに…。
山口さんがステージで再び輝くのとともに
メンバーのみなさんも最高に輝いていました。
本当に、いい人達の集まりだなと再確認することができました。

山口さんが番組内で仰っていたように
もううつ病になる前の自分には戻れないので
新しい自分として生きていき
うつ病を倒そう!じゃなくて
うつ病と肩を組みながら生きていこうという覚悟。
この方向に気持ちを持っていき、言語化した山口さんは流石だなと心から思いました。

実際、私もうつ病になる前の自分に戻りたいと思う時期はありましたが
それはもうどうあがいても無理でした。
ならばいっそ昔は昔、今は今として
いったん切り離して考えたほうが何倍も気楽で生きやすくなるな…ということに気付き
今は完全にシフトチェンジしました。
※昔の自分を否定する意味ではないです。バージョンが変わるくらいのニュアンスです。


今回の番組は
・うつ病が意外と身近な存在で、どんな人が罹患してもおかしくないこと
・つらい時間は確かに多くなりますが、やがてつらくない時間も徐々にくること
・周りのひとにどんな影響があるのかということ
様々なことが伝わりやすい構成だったので

サカナクションのファンの方だけではなく
精神疾患と生きる人々も勇気づけられる素敵な番組だったと思います。

このような番組を作ってくれた人
勇気を持って取材を受けてくれた山口さんや周囲の皆さま
本当にありがとうございました。

長くなってしまいましたが、このへんで失礼します〜。
ここまで読んでくれたあなた、ありがとうございました!!!

#サカナクション
#うつ病
#NHK
#メンタルヘルス

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