ホン雑記898「自分の勇気は見えない」

若い頃は認知の歪みが多くて大変だよなぁ～、とりあえずおっさんになるまで生きような～、って話を最近ここでしたけど、やっぱおっさんになっても相当認知の歪みはあるね。

オレなんかなんやかんや言ってもどうやらアホなんで、わかってるつもりでも結構わかってないんだなぁと思わされた。

また昨日の糸井重里氏の言葉を借りてくるんだけど、
「大胆だの、冒険的だのということがこんなに人をわくわくさせてくれるというのは、本人が大胆でも冒険的でもないからだ。
ビルのてっぺんから火災のなかに飛び込む、みたいな場面を『当たり前じゃん』と思ってる人は、わくわくもどきどきもしないからね」
って言っててうへ～っとまた目から鱗がドボドボと落ちた。

いや、オレはね～、どうも「やる」と「いう」のバランスが取れてないヤツが嫌いでね～。嫌いなんだけどそれが自分の中にもあるっていう一番の成分がまさにそれなんだよ。つれぇわ。
口だけのヤツが死ぬほど嫌いなんだけど、自分にもそれがまーぁたいがい仰山しこたまテンコ盛りで入ってるもんだからそれがメッチャイヤなんだよね。
ウソつくヤツは許せない、ってヤツの100%が、ブーメランになって自分に刺さるもんだから始終ムカついてるってのと一緒だよね。自分のムカつく部分が人に映ってるからムカつくわけだ。

で、この冒険的ってのもずっとそうだと思ってた。
オレはメンドーサ一族の棟梁でありヒッキーなんで、スカイダイビングしてみたいなーとか、モーターパラグライダーひとりで乗れるようになりたいなーとか、パイプオルガンでドラクエ弾いてみたいなーとか、ドバイのブルジュハリファを見てみたいなーとか、ボクシング習ってダウンさせられたいなーとか、寛平ちゃんみたいにめっっっっっさ走りたいなーとか、『望郷』をオーケストラで聴いてみたいなーとか、純白のメルセデス　プール付きのマンション　最高の女とベッドでドン・ペリニヨ～オ～ン♪　してみたいなーとか、そりゃいろいろハッスルしてみたいって思うわけだけど、「そうは言ってもなかなかなー」なんて感じになっちゃって、そんな口だけ思うだけ状態がずっと続いてることがチョー情けねーなって思っちゃうわけ。思っちゃってたわけ。

でも糸井氏のこの発言で「はっ！（×3万）」となったんだよ。なかなか叶いにくいようなことをずっと思ってるのが冒険心じゃんって。
他人から見てよくそんなことできるなーって思われるようなイベントを、こなしてる当の本人が「当たり前じゃん」と思ってる時、その本人はそのイベントを「俺いま冒険中だわー」とは当然思ってないわな。
それって子供の頃を思えばよくわかる。最も冒険心のあったあの頃は、最もまわりよりも強く大きくなりたがって背伸びした時期だけど、「オレいま大人の階段上るの頑張ってるわー」なんて思わなかったもんね。いつだって自信の無さと隣り合わせだった。

たしかいつかの『金八先生』で、新任の美術教師役の藤澤恵麻が金八に「自分は教師に向いてないような気がする」といった内容のことをこぼすんだけど、金八が「そう思うあなたのような人が教師に向いてるんです」というようなことを返してた。おぼろげでスマンけど（笑）

ということで、自分って全然ダメだな～ってすーぐ思っちゃう人は、なかなかぜんぜんまーったく、素晴らしいヤツである可能性が結構あると思うぜーい？
これまた見えにくい自己憐憫に陥ってない限りは。

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【今日の過去曲】