ホン雑記864「生きながら転生」

『明石家さんまヒストリー1』を読んでいる。
昨日の寛平ちゃんに続いて「オマエは吉本のまわしもんかい」と思われるかもしれんけど、近ごろ明石家さんまにハマってきた。徐々に急に。

松本人志にも、甲本ヒロトにも、長渕や德永や玉置にも、ファンという感情はなかったけど（多少はあるんだろうけどコレクション概念がないゆえな。ファンという感覚がない）、明石家さんまへのいまの感覚はそれを超えて心酔に近い。
そういうことをやってたのか、彼は、現世で、と、気づいてしまったさー。

オレは小6の時にドラえもんにドハマりして、自分で描いたドラちゃんを自分の部屋の天井に貼ってた時期がある。ドラえもんに囲まれるのに12歳はちょっとおにいさんすぎるけど、とにかくハマったんだ。
その時はドラゴンボールや聖闘士星矢などなど、好きで読んで・観てた、漫画・アニメもあったのに、どうしたもんかと思うんだけど、それってドラちゃんは生まれた時にもうすでにあったものだからなんだな。なので、ハマる状態があとから来た。中2でドハマりしたビートルズも同じ現象だ。

で、さんま師匠（敬いすぎてマジで呼び捨てがキツくなってきた。さんちゃんにしようかな）に関しても「それかーっ！」って、昨日なった。彼のピークは（いまもだが）オレが物心つく前にあって、気づいたらもう面白いおじさんはこの世にいた。だから空気みたいなもんだった。
「オレは松ちゃんのオモロさがわかるぜ」「ヒロトのすごさがわかるぜ」なんて青い思いを抱かせることもなく、そーっとずーっと、いた。

さんま師匠はそーっとすごいことをしてるので、気づかない。
昨日、さらに心酔を深めた（というか「これはもう心酔なのでは…」とはじめて思わされた）ショート動画を観た。
実はそれは前にも1回見てたんだけど、師匠が新幹線の中で隣に乗り合わせた赤ちゃんをあやす動画だ（「さんま　新幹線　神対応」などで要チェック）。

その中でめっちゃ笑ってる彼を観て、昨日は泣いてもた。もうオレのコロナも上がってるんで、弱ってて何見ても泣いてまう期間は過ぎてる。もうなんかね、崇高というか神聖というかね、そんな感じがしたんですよ。もうちょっとで光りだすんちゃうかとさえ思えた。
じきに光りだしそうで泣いたってのもあるけど、自分が見栄えのために筋トレしたり、拳鍛えたり、頭のイカれたセールスをマジで（マジで）しばいたろかと思ったりしながら生きてることが、この人が世界に対してやってることにとって真逆のことをやってるやないかと。ワシ、邪魔してるやないかと、そう思えて泣いた。

師匠はカメラも回ってないとこで（この動画はたまたま回ってるけど）、ギャラももらわんと、たったひとりの人間を大笑いさせる。そんなエピソードが山のようにある。
これ、歌手だったら、まったく知らん人のために、その人だけのために歌ってあげるのと同じことやんか。師匠は生きてる間じゅうずーーーーーっとそんなことをしてるのに、オレは自分のことしか考えてないやないかい、そう思ったんだ。
彼が世を儚みもせず、白のペンキで世界中を塗り塗りしてるのに、オレは黒のペンキで、筆はほっそいかもしれんけど塗ってるような感覚に陥った。
プーチンなんか世界をもっと黒く染めてるで？　いやいや、関係ない。そんなことはまったく関係ないんだ。
自分がどう生きるか。そのことしか、オレと世界との間にはないんだ。本当は。

師匠はたぶん「地上で笑う人の数を増やす」のが、おおよそのお仕事なんだろう。芸人でも「笑われるのはイヤだ、笑わせるのはいいけど」という人がいるけど、師匠は高校の時からそういうとこだけ欠落してた。そのへんはかなり空気読めなかったという。
彼の魂は、笑われるのも笑わせるのもどっちでもいいんだろう。「わががわがが」の精神がまったくないんだ。だから彼は寛平ちゃん、村上ショージ、ジミーちゃんあたりとウマが合うのかもしれない。ピエロになれる人に惹かれるんだろうか。

47歳まで生きて来て、オレの張ってた肩肘はどうやらなんの役にも立ってなかったのだとわかってきた。
その肩肘は、人様にはわりかし邪魔なものだったんだろう。過去からまったく繋がってない人間関係がそれを物語ってる。でもその時は本人は気づかんのよね。ただの孤独なんだけど、孤高だと勘違いしてるんだ。ウヒハ。
でも、そんなことでまったくへこたれてない自分がいて、今後はもっと目の前の人の幸福を想う人間に変身しようと思っている。オレはそんな子供な自分がかなり好きだ。はずかしわ。

でもホント、第2の人生歩めるや～ん、って感じなんよねぇ。

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【今日の過去詩リーズ】