ホン雑記819「だったら世界にお裾分けしなさいな」
小林正観氏の本を買って読んでたら、松下幸之助のエピソードが出てきた。初見のエピソードだった。
創業間もない頃に、出来上がったばかりの製品を自転車に載せて運んでいた時のこと。
十字路で急に自動車が飛び出してきて、松下氏は自転車ごと跳ね飛ばされてしまう。
しかも、飛ばされたところは電車道の上。積んでいた荷物は散らばって、自転車もグシャグシャのところへ電車が来ていたんだけれど、2メートル手前のところで停まったらしい。そのことを彼はこう言う。
「自分には運があると思いました。そして、運があるなら、ことに処して自分はある程度のことはできるぞ、というように何げなく考えたのです」
普通なら、創業間もない頃に商品も自転車もグシャグシャになるような事故に遭えば「験が悪い」と悲観してもおかしくない。それを「自分は運がある」と捉えるところがマンガみたいにすごいよなぁ。
それの2000万分の1ぐらいの規模だけど、ちょっと嬉しいことがあった。
最近のオレは「人生悲しみランキング」過去3位ぐらいの悲しみに覆われているとちょいちょい漏らしてるけど、その内容をちょっとだけこのnoteから知り合った友人に話してみた。
オレは自分がちいせーもんだから、なかなか知人友人を作る気にならず「フツーの人なら別にイラネ。時間もったいね」と思う悪い癖がある。
なのでその友人も「スゲー」と思ってるから追っかけてるとこがあるわけだけど、その彼が「仲さんは人生の試練みたいなの多いですよね」と言ってくれて、おったまげた。
「あ~、お金とかフォロワーいらんな~」って思える瞬間だよね。自分の敬愛する人にそんなん言われたらさ。ま、いらんことないけどね。お金ね。
嫁にもその喜びをブチまけたんだけど、嫁も「その人のがよっぽど苦労してるよねー」って言ってた。いや、ホントそうなのよ。別にオレなんもしてないのよね。
友人が言ってくれた試練ってのは、たぶんオトンの自死のことが一番デカいと思うんだけど、それもまぁ勝手に、オレは時間の経過に身を晒してホゲーーーッとしとくしか解決法はないわけで、自分は特になんもしてないんだよな。ま、自らを助くるチックなことはめっさやってきたんで、なんもしてないことはないんだけど、自分がラクになることなら、そらやるわいな。
でも、彼のその言葉を聞いて、苦労はしてないけど、たしかに運はあると思ってるかも! と思った。
いまにして思えば、父親が自殺するなんてのは最高の死に方だとマジで思う。だって、先代はどうせ死ぬんだもん。そもそも先代が先に死ぬこと自体が親子の福音であるし(逆縁はなくなったわけで)、どうせ死ぬんなら、デッカい書物を遺すほうがいいじゃないっすか。
で、オレ用には特にピッタリの形の教典になったんだよ、あの死に方は。
オレ、イヤなやつだからね。あまり人の痛みがわからんとこあるし、これ介護の末の死とかだったら無理だと思うもん。道を外してた自信ある。
介護疲れで親を殺めちゃって、なんてニュースを見るとやりきれんなぁとホント思う。どこかしら、オレの代わりに背負ってくれたんだなぁと思う分子も2%ぐらいはあって、そんな人がなぜ罪に問われるんだろうなぁってな。「相談すればよかった」ってのはそりゃその通りなんだけど、そんなもんどうしようもないんだよ。当人にはどうしようもないんだ。そんな後出しジャンケンされても。
あ、いかん、違う人の話してるわ。
で、そういう文脈での運のうんぬんではなしに、実際オレは運がいいなぁとは思う。なんかちょっと申し訳ない感あるぐらい(笑)
いや、ステータス的に見たらたいした男じゃないんだけどさ。金もないしさ。でもなんかねー、恵まれてると思うんよなー。
イヤな言葉だけど、親ガチャ、嫁ガチャ、友ガチャ、大当たりだったわ。
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【今日の過去詩リーズ】
新作の詩がちょっと止まったので、過去作から順に挙げていきます。
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