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双璧の出会いが生む化学反応

気を抜いた隙に…というか、とうとう…というか。
オレの中の大メンターの2人が対談していた。

鴨頭嘉人西野亮廣だ。

正直に言おう。最近のオレは何者にもなれない焦りからかどうもやさぐれていて、善悪の分水嶺に立っているようなところがある。
鴨頭さんは1年ぐらい追いかけており(YouTubeでだが)、西野さんのオンラインサロンには入ってから半年ぐらいが経った。

勝手に西野さんの才能に焚きつけられ、(自分の中で)友になり、今度はアラばかりが見えてくるような時期だ。そこで「やっぱり鴨さんだよなぁ」なんてことを思い始める時期だ。

正直に言おう。西野さんにはお腹いっぱい…いや、もっと正直に言おう、はっきり言って疎ましく思えていた。そんな時期だ。
そんな2人は自分の中では勝手に対極にいるイメージになり、そこかしこで「あぁ、やっぱり鴨さんなんだよなぁ」と思う自分がいた。中二病である。

サロンメンバーのツイートで2人の対談を知って瞬時にテンションが上がった。鴨頭さんが西野さんを「こんな男になりたい」と言っていたのを前々から知っていたから。
同時に、(自分の中でだが)対極に離れていった2人が対談するのにちょっと戸惑いのようなものがあった。すでにオレの中で仮想敵のようなレベルにまでアンチ西野が膨れ上がっていたからだ。
「え、ちょっと、やめてよ」みたいな感じだ。それも7%ぐらいのもので、残りは楽しみでしかなかったのだが。


アンチ西野なオレが膨らんでいった真ん中の理由は、どうしても彼が「逆張り」にしか見えなくなってきたからだ。彼は自説を説く時や、やりとりのさなかに意見の方向を15度ぐらい変えながら、それってこうだよね? それってこうだよね? とやっていくたびに、12回ほどもそれを繰り返したりして180度こちらの考えを変節させられてしまうなぁ、と思わせる策士ぶりがある。

実のところ、西野さんがサロンで話す中身はイノベーターやアーリーアダプターにしか通用しない理論(つまり先駆者上位6分の1ほど)がまだまだ多くて全然王道ではないのだが、それでも彼の説には聞く者に「おー、なるほどー」と思わせてしまうところがある。だからこそ、心が離れ気味だったのだ。特に信用を得るための方法みたいなところが引っ掛かりだした。それは拝金的で刹那的で人を信じられず怠惰で悪な今の自分と真逆の発想だからというせいもあるだろう。

ところが、単純なオレは対談中に一言で彼の元へ引き戻される。
「サロンメンバー全員を守る(コロナ禍などから)って言ったのに、たった1人、こちらから話を持ち掛けて、夢を持たせて、できなかったことがある。その時に号泣した」
と語ったのだ。単純な話、西野さんのあまりにハイスペックな脳&行動力に人間味が見えなくなり、また彼の涙によってそこを思い出しただけのことなのだが。


途中からは、余人の気づかない人の褒めどころを見つける天才である鴨頭さんの本領発揮と言った感じで、西野さんも素直にその分析に嬉しがりまくってた。

そして鴨頭さんが彼と、彼のスタッフ、オンラインサロンメンバーたちを使って「映画 えんとつ町のプペル」を全力で応援するという話が出て、何度も何度も西野さんが嬉しいですと言っていて、最後にボソッと、
「震えるなぁ」
と呟いていた。そこでハッとさせられた。

オレ最近、震えてないって。

だから、拝金的で刹那的で不信的で怠惰的で邪悪的なほうに堕ちるのだ。最近巷間で「ギバー&テイカー」の話が多すぎて、信用を集めようとする人を見るだけで逆にテイカーに見えてたのはそのためだ。

西野さんは鴨頭さんの応援に対して「いつか必ず10倍にして返す」と言っていたが、鴨頭さんはそんな見返りを求めてたはずもなく、なんならやっと今返せたぐらいに思っているはずだ。それは彼が西野さんをずっと尊敬していたからで、なんの計算もない。

こんなことを、震えてないというだけですぐ忘れてしまう。
じゃあ「震えてない」って何か? それは、

「自分のことをやっていない」ことだと思った。

アイツは給料高くていいなぁ、アイツはいいね!もらえてていいなぁ、アイツはいい女連れてていいなぁ、アイツはアイツはアイツは…
やさぐれてる時は人のことしか見ていなかった。そんなことをしてる暇は人生の中に1秒もないはずなのに。


対談の最後で2人は今にも泣きだすんじゃないかという雰囲気だった。

西野さんは、絵本をやると言い出した時から、何年も本当に独りだったと言っていた。

鴨頭さんは、次に何をするかも決まってないのに、超優秀な社員だったマクドナルドを辞め、夢を語れば馬鹿にされて、あとで独り号泣していた。

お互いに、どれほどの逆風を耐えて来たのか計り知れない。そのことがお互いに計り知れるのだろう。


気づけば最初笑いっぱなしで、最後泣きっぱなしだった。
巨きな双璧のもとで、化学反応を起こしていたのは自分自身だった。
そして、なぜか色んな人に感謝の念が湧いて来ていた。






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