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ホン雑記 Vol.228「ひらけ、コア」

前々からどうしようどうしようと思ってんだけど、「ほぼ日の學校」に入ってみた。ま、學校っつってもアプリのひとつなんだけど。

糸井重里氏の独断で著名人から全然知らん人まで、いろんな人に講師となって授業をしてもらって、アーカイブ化していく試み。
ま、言ってみれば動画集なんだけど、話してる動画の内容が下にテキストで出てる。あぁ、字幕みたいになってるってこと。
なんだけど、動画の画面内じゃなくて下に普通にテキストで出てるんで、その都度横のリボンマークを押すと、自分の好きな言葉をストックみたいなとこに保存できる。人にも送れる。よー出来てる。

人物検索してみて、笑福亭鶴瓶氏の回を見た。
なんかオレの長年の自分への思い込みを、ちょっと払拭してもらったような気がしたなぁ。ずっと、むちゃくちゃ人間嫌いだと自己評価してたんだけど「あれれ?」みたいな。


知ってる人も多いと思うけど彼はホントに分け隔てのない人で、知らない人から掛かってきた電話にも出てしまう。
タモリ氏に「アンタちょっと病気だよ。『自開症』だよそれは」と呆れられるという。
開き過ぎだと。


ファンがプレゼントを送ってくると、お礼の電話をしてあげるという。着いたかどうか心配してたらかわいそうだからと。中には番号登録して、もう友達だと思って掛けてくる人もいるらしい。

「東京と大阪のチケット間違えて取ったので、替えてもらえませんか?」とか、そんな内容の電話。そんなんワシに言うてくんなよと。

他にも、「前川清さんのチケット取れてん、鶴瓶ちゃん」ときて、それでも「あぁそう、良かったねー」と返してあげる。
「それがなー、3階やねん。1階にでけへん?」って、でけへん言うねんと。

「パートの主婦なんですけど…」と掛かってきた電話にも、「あー、なんですか?」
仕事で軍人のカッコして血だらけになっていた時だった。
「いまね、おまんじゅうを40個、変な返品の仕方してしもて、店長にえらい怒られて。本社のほうにはウソついとけって言われたんやけど、鶴瓶さんどない思いますか?」と言う。
血だらけの鶴瓶氏は「いやいや、もうそれは正直に言わはったほうがいいですよ。あとでいずれバレるから、ミスしたことは正直に言いなさいよ」とアドバイス。
「あぁ、私間違ってないですよね?」って言うから、「掛けるとこ間違うてる」。

そしたらまたその人から電話があった。
「2年前のあのパートの主婦です。私店長になりました」。出世してはる。正直に言うてよかったね。

「こうやってね、開くといろんなものが入ってくるねん」と、鶴瓶氏。


ひさびさに動画で、「大笑い弱」ぐらいの笑いをもらったんだけど、聞いてるうちにだんだんウルウルしてきた。な、なんだこれは。
そうなんですよ。これが冒頭の「あれれ?」なんですよ。

ノスタルジャー(懐古中毒者)のオレは「あの時実はこうだった」とか「あの苦い経験があったからいまがある」って物語にもんのすんごく弱い。ってか、最高の幸せを感じる瞬間かもしれない。時の隔たりや切なさが大好きなんだろう。ちょびーっと嫌いなんだけど、死ぬほど好きなのだ。

「もし自分が芸能人だったら」なんて妄想をよくするんだけど、その妄想の中のオレはこういった素人たちが大嫌いだ。
ふざけんなよと。インフォメーションセンターちゃうでと。

だけど、人々(まんじゅう店長なんか特に)はこんなにも多くの縁のゆらめきを見せてくれる。人間賛歌、オレの好きなやつだったじゃないか。
オレのノスタルレーダーがMAXになる時には、いつだって人が介入している。逆に人以外の何がそれをもたらすのだ、と思う。



人嫌いに隠された理由をこじ開けていくと、原因だと思っていた「他人は格下」が、実は「自分の猜疑心」なんだと気づいた。弱かったのだ。

鶴瓶氏ほどではなくとも、同じ病気に罹っていきたい。




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