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ホン雑記 Vol.577「待ち受けの嫁」

今日もまたまた糸井氏の日記から話題を頂く。


彼のスタッフが撮る自身のふたりの娘さんたちの写真がいい、って内容なんだけど、そのスタッフ氏が「あんないい被写体がなくなってきちゃう」と言う。たしかに、大きくなったら撮らなくなるよねー、と。
で、糸井氏が「妻を撮るって習慣、どうしてないんだろう?」と反射的に言ったらしい。

配偶者を愛情込めて撮っている写真はあまり見かけないと。時間は子供といる時以上にあるのに、そういう人を見たことがない。
その場にいた父や夫をやってたり、妻や母をやってるスタッフもいたんで「なんでだろう」と聞いてみるんだけど、「なんででしょうかね」とみんなして答えはよくわからないまま。
「家族全員の写真なら配偶者入りの写真もあるんだけど…」という意見もあった。
で、最後に「この不思議を考えるためにも、誰かやってみますか? 妻写真とか夫写真」

ということだったんだけど、オレがそれをやってる人だった。
で、やってる人がここにいるんだけど、不思議を考えようもなかった。こっちからしたら、なぜ撮らないのかが不思議としか言いようがない。


オレは嫁と付き合って恋人(というのも違和感あるけど)期間が20年ほどあった。5年半前に結婚した。

それまでは別に籍入れる入れないはどっちでも良かった。オレも嫁も多少異端児なので「たかが紙切れ1枚」と斜に構えてた…わけでもないんだけど「まぁいずれしたほうがいいかもね」みたいなスタンス。ってかスタンスとかない。

で、5年前当時の職場のふた回りぐらい年上のおじさんが奥さんを亡くして、その葬儀に出た時(奥さんはそこのパートさんだった)に「これは結婚しよう」と急にオレが思ったので結婚した。

子供も「まぁどっちでもいいよねー」なんていうダメ人間ふたり(ホントはまったく思ってないけどちょっと謙虚に行こうかしら)だったんで、当然ギリギリの適齢期を逃した。逃したってか、ま、放流だな。


はっ!
いかん、また脱線したまましゃべり続けとんなワシ。
えーっとねー、結局なんてーの、オレの常識がないっていうか、まぁ好きで一緒にいるわけだし、好きならお気に入りなわけで(お気に入りのが下位か)、そしたら撮っておきたくなるじゃないですか。

だいたい2日にいっぺんぐらいは撮ってる。嫁はそこら辺で手当たり次第に寝る人なんで、それを盗撮したのが一番多い。あとは何か食ってる時か、テレビ観たりマンガ読んだりしてらっしゃるところぐらい。ま、幸せそうにしてる時だな、思えば。

昔は秘密の写真をメインでよく撮ってたけど、結婚してからは娘として、今はどうやら孫として扱ってるらしい。別にお互い狙ったわけでもないんだけど。

で、たぶんオレだけが配偶者を溺愛してるわけじゃないと思うわけで、なんでそれがそんなに嫁ばっかり撮るのかっていうと、「嫁溺愛の人×死別の恐怖に溺れてる人」の掛け算でこうなってると思う。人生を逐一セーブ保存してるんだろうな。
あぁ、それとかなりの女々しさも手伝ってるか。恐怖を想ってても、それを口にしないような日本男児は「写真撮らせろー」ってならないだろうしな。

どっちにしろ、いろいろ溺れてんだなオレ。



という、「たしかになんで撮らないんだろ~?」を装った壮大なノロケ。




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