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デプロイゲートの理念を言葉に!その策定プロセスを振り返る

こんにちは、デプロイゲート広報チームです!

2012年9月に株式会社ミクシィの新規事業としてローンチし、2015年2月末に事業譲渡を受けて独立したデプロイゲート。この度、企業理念をより具体的になるようブラッシュアップいたしました!

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▲新たに策定した企業理念(ミッション・ビジョン・コアバリュー)

新しくなった企業理念では、企業としての意志をこれまでよりも明確に言葉に表すことができました。それぞれの言葉の背景については、代表の藤﨑による前回の記事でご紹介させていただいています。

ではそもそも、なぜ理念をブラッシュアップしようと思ったのか。どのように策定していったのか。今回はそのお話をさせていただければと思います。

ここからは、策定を依頼した株式会社サインコサインの加来幸樹さん(以下:加来)と、理念策定のプロセスを話しながら振り返っていきます。

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▲オンラインでの振り返りインタビューの様子


なぜ今、理念を見直したのか?

安田「理念見直しのきっかけは、ここ2年ほど、チームづくりをきちんとしていきたいなという気持ちがあったことですね。これまでは設立当初からのメンバー同士だったから自然と通じ合ってきた考え方や意識を、設立の背景を共有していないメンバーが増えてきたことで、言語化していかないといけないフェーズになってきたなと。」

藤崎「メンバーが3人で独立したときから理念を何度かつくってはいたんですが、それが日常に生かされていないなという思いもありました。社内での意識は揃っているものの、それを社外や新しい人に向けたときに、意味があるかというとそうではなかった。だから、これがデプロイゲートのミッションだ!と言えるものをつくりたいと考えていたんです。」

安田「そこで藤﨑と僕でミッションなどをつくってみたものの、難しくて……(笑)。」

旧ミッション案

▲藤崎と安田で検討していたミッション案。長くてわかりにくい文章に…

安田「僕ら2人ではこれ以上良いものが出てこないと思ったので、加来さんに依頼させてもらったんです。」


何度も見直し練り直す。理念策定のプロセス

加来「理念の策定に向けては、何度もミーティングをして、ワークショップも行いましたね。ミーティングの回ごとに振り返りましょうか。途中でぶつかった問題も ……(笑)」

安田「ありましたね(笑)」

会議室

▲はじめは対面でのミーティングでしたが、途中からオンラインにシフトしました


1. 背景を整理し、ミッション・ビジョンの言語化へ

藤崎「最初は背景の話をする時間を多く取りましたよね。エンジニアの僕がなぜ独立したのかや、元々のミッションについて。」

加来「そうですね。考えたアイデアを提案しに行ったというより、これまでの理念の思考の過程や働き方の価値観に関するインタビューをさせてもらって、デプロイゲートについて理解することを主な目的にしていました。」

安田「僕の中ですごく良かったのは、そもそものミッション、ビジョンの定義を説明してもらったことでしたね。世の中に定義が溢れていることもあり、それまでは自分達なりに整理していたものの、理解が難しくて。加来さんの理念体系を見てそこがクリアになりました。」

理念体型

▲加来さんに示してもらった一般的な理念体系

加来「お話を伺う中で、『一緒につくっている』『適切に開発チームの時間が使われるようにする』という象徴的なキーワードが挙がってきて、最初のミーティングでは暫定案としてこの言葉をつくりました。」

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2. 大切にしたい行動規範・コアバリューの整理

加来「次は、コアバリューについて話し合っていきましたね。」

安田「そうですね。これまでは社員には明示していなかったものの、藤崎と僕との間でつくっていた『大切にしたい5つの価値観』がコアバリューに相当するものだったんですが、これを考えているときから議論はいろいろあって。完成したものについても、5つの内容に被りはないか?どれが最も大切なのか、それとも全てが同じくらい大切なのか?など。そもそも成り立っているのかという疑問があったので、これもつくり変えようと。」

5つの価値観

▲藤崎・安田の間でまとめていた「5つの価値観」

藤崎「ここにある内容自体が、既に何度か練り直したものではあるんですが、それでもなお『これで良いんだっけ?』と……。」

加来「この『5つの価値観』をもとにしつつ、項目の優先度に関する議論も行いながら、最終的に普段から藤﨑さんがよく使っている『すごい』という言葉を用いて、コアバリューを以下で完成させました。」

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加来「デプロイゲートはすでに世界122ヶ国でサービスが利用されており、将来的に海外でも積極的に採用していきたいと考えているので、次回はこれを英訳にしようというのがこの時点では次のプロセスとして予定されていたと思います。」


3. あれ、しっくりこないかも…ミッションの再考

加来「ただ、次のミーティングの前に、安田さんから連絡があって……(笑)」

安田「そうでした(笑)。四半期の目標設定のミーティングを行っていた際に、前述のミッション案がしっくりこないかも、という話になってしまって。納得感はあったはずなのですが、改めて見てみると、僕ら自身の信念なのか、社会をこうしていきたいのかがわからなくなって。他社はどういう感じで設定しているんだろうって話になったんだよね。」

藤崎「そうそう!BrewDog(※パンクIPAなどのクラフトビールで知られる英国のブルワリー)の話になったんだ。ここのミッション、ビジョンがすごくわかりやすくて。」

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BrewDogの掲げるミッションより(PDFダウンロードリンクは切れてしまっているようですがこちらで参照できます

藤崎「これと自分たちのミッションを見比べたときに、僕らのは外に出してもわかってもらえるのかな?と。もっと『僕らのプロダクトを世界で一番にする〜…』みたいなほうが良いんじゃないのかな?とか思ったりして。。」

加来「確かに、『最適に開発チームの時間が使われるようにする』という部分が結果の話になっていて、自分たちがどんな価値を提供するのかがわかりづらい印象になっていたのかもしれませんね。それで、次のミーティングではミッションに含めるべき要素について再考して、いくつかの案を出した状態で終わりました。」


4. 開発チームとユーザーの関係性を定義する

加来「その次のミーティングの中で、DeployGateって開発チームに必要な『声』を届けているんだよねって話に。」

藤崎「改めて、どういうことをやっていきたいんだっけ?とまとめていたときに、僕らはあらゆる場所で、正しいフィードバックが行われる状態をつくりたい、という思いがあって。それを『あらゆる声を作り手に届ける』みたいに言っていたんですよね。そこから、『』って言葉がすごくしっくり来て。」

加来「例えばユーザーから直接もらう不具合の報告など、表に現れる『声』もあれば、心の中にあるけど言えない『声』、思ってもみなかったけど必要な『声』も全て、開発チームに届けるという意味でも、『声』は良いんじゃないかという話もさせてもらいました。」

安田「開発チームとユーザーと、どちらが主軸なの?と考えることもあります。でもこのミッションを見て、『やっぱり開発チーム起点なんだ』ということが改めてクリアになったなと思いましたね。」

藤崎「以前は、開発チームとユーザーの間で『フィードバックのループが回るようにする』ということを意識していたんです。でも一方で、ユーザーは必ずしも開発に参加したいわけじゃないのでは?という疑問があって。もちろんSNSやアプリストアで意見を言ってくれるユーザーはいて、その意見を受け止めてはいるんですが、それを『開発に参加している』と言うのは重いのでは?と。それもあって、開発チームに焦点を当てました。」

加来「そして、この『声』というキーワードの発見や、ユーザーと開発チームの関係性が整理できたことで、下記のようなミッション、ビジョン案へとより強い覚悟をもってブラッシュアップすることができたと思います。」

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5. コアバリューの英訳を通じて、本当の意味を問い直す

加来「次は改めてコアバリューの英訳ですね。直訳ではなく、本来の意味が伝わるように意識して、一つひとつ議論しました。その結果、日本語案についても認識が深まったり、部分的に作り直したりもして。安田さんの高い英語力に助けられました(笑)」

安田「そんなことないですよ(笑)。短い英文にしようと考えることで、本質的な意味は何なのか、この言葉で意図する行動を促すことができるのか、を議論できたのは意外でした。」

藤崎「ここでの議論で『わかったつもりで終わらない』が『みんなの個性を掛け合わせる』に変わっています。チームだからこそ、それぞれの自立した個性を磨きながらも、お互いの立場や考え方を尊重することで相乗効果を生み出したい。そしてチームとしてもっと遠くにいきたいし、この価値観をみんなとも共有したかったんだ、ということが改めてクリアになったのを覚えています。」

加来「また議論の途中で、これって全部『WE』から始められるんじゃないか?という話になり、表現にも統一感を持たせながら下記のように合意することができました。」

コアバリュー


6. 新たな意見で、気付きを得る(社員全員でオンラインワークショップ)

WSタイトル

加来「ここまでの案を踏まえて次は、最終決定に向けて社員のみなさんとZOOMでワークショップを行いました。社員全員で理念づくりをするのは珍しいですよね。」

藤崎「そうですね。そもそもこの理念を誰のためにつくっているのかというと、チームのため。それなら当事者はみんな入ってもらわないとね、という思いがありました。経営陣含めて社員が全部で5名と小規模だからできたことでもありますが、全員でつくればしっかりと納得感のあるものになるなと。」

安田「これから採用を強化していきたいという思いがあって、全員が理念づくりに参加することで理解を深めてほしいと考えていたんです。現状の小規模チームにとってはリファラル採用が鍵になります。全員が会社の目指している方向性や魅力を説明することができ、その内容がブレないようにしたかったんです。」

加来「ワークショップではまず、企業理念という概念に関するインプットと、新しいミッション、ビジョン、コアバリューを共有しました。次にミッション・ビジョンそれぞれと自分との『距離感・関係性』を率直かつ直感的に表してもらいました。」

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▲ミッション・ビジョンに対する自分との距離感を上の図に示してもらった

加来「ミッションは納得感が高かったのですが、ビジョンはメンバーのみなさんとの距離が少し離れてしまいました。『もっと市場をリードするような立ち位置でありたい』のような意見が多く出てきて、それを聞いて藤﨑さんも『そうだよね』と。自分たちがこうありたいというより、信じている価値観はこうだよね、ということをもっと深く言語化しなければと。」

藤崎「社会的にこうあってほしいというメッセージのつもりだったんですが、よく考えるとデプロイゲートとしてのありたい姿ってこうじゃない、と。ユーザーの意見を取り入れるだけが仕事じゃない。期待していなかったけれど、すごい体験ができた!というものをつくりたいという思いが入っていなかったなと気付きました。」

加来「コアバリューについては、それぞれの項目に対して、現時点でできていると思う度合いを自己採点で示してもらいました。結果はそれぞれの傾向がうまくばらけて、個性がかけ合わさっていて良いなと僕は思いました。ここで、『コアバリュー5つ目の“すごい”を“おもしろい”に変えると自分ごと化できてしっくりくる』との意見があり、確かにそのほうが良さそうだとみなさん納得していましたね。」

WS(コアバリュー)

▲WSで使用したコアバリュー自己採点シート

安田「藤﨑がよく言う“すごい”をそのまま使っていましたが、“すごい”では数字が大きいようなイメージになってしまうんだなと。とてつもなくぶっとんだ選択肢をとらなきゃいけないのか?とみんな思ってしまったみたいで。確かに“おもしろい”のほうがうまくあてはまる。『“すごい”って他者から評価されるときの言葉だけど、“おもしろい”は自分が感じるものだ』という意見もあって。なるほどと思いました。」

藤崎「僕としても、普段言う“すごい”のニュアンスはここでいう“おもしろい”と同じものだったので違和感はなかったですし、良い発見でした。」


7. 言葉にみんなの思いをのせる最終調整

加来「ワークショップを踏まえての最終ミーティングで、変更した重要な部分はビジョンの表現ですね。『期待に応える』が『期待を超える』に変わりました。」

安田「この話をしているとき、藤崎が『“期待を超える”が良いと思うんだよね』って言ったのを、最初は流しちゃって(笑)。」

藤崎「大事なことなんでもう一回言いました(笑)」

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▲あらためて、FIXしたミッション、ビジョン、コアバリューはこちらです

加来「おふたりは理念が完成してから、改めて見てどう思いました?」

藤崎「僕としては、理念をつくる過程で色々と考えたことがすごく良かったなと。今後会社について外部へ説明するにも、すごくやりやすくなりました。」

安田「これから作成したり改訂したりしていく各種制度、福利厚生や給与制度などなど、チーム拡大にあたって必要なものを整えていくための基盤ができたなと思いますね。ミッション、ビジョンを達成するために本当に必要な要素になるのか?と、一つひとつ改めて見つめ直せるのはとても良い。今後は社外にも、デプロイゲートの価値観として積極的に出していきたいですね」

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グラレコ

▲振り返りインタビューの内容はグラフィックレコーディングも行いました

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▲完成したグラフィックレコーディングはこちら

以上、デプロイゲートの企業理念リニューアルのプロセスを順を追ってお伝えしました!

何度も話し合いを重ねて、企業としての覚悟をしっかりと言葉に表現できた今回の企業理念策定プロジェクト。新しい理念は、DeployGateのAbout Usページにも反映され公開されています。

ミッション・ビジョンの実現に向けて、より強い覚悟を持って活動していくデプロイゲートを、今後ともぜひよろしくお願いいたします!

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noteでは引き続き、デプロイゲート社の組織面について紹介していきます。興味のある方は是非 Inside DeployGate マガジンをフォローしていただければと思います。


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