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病気でつらい時に寄り添う電話健康相談3選

病気の時。

治療するのは手術や投薬、必要なのは安静に過ごすこと…だとしても、リアルタイムで辛さをわかってくれる、寄り添ってくれる誰かがいるだけで「安心」できる。

そんな寄り添いの重要さが再認識できる体験談を2022年に募集した「私の電話健康相談エッセイ」から、3作品ご紹介します。

すがる思いを安心に変えた電話相談 
(めぐえもん 千葉県  50歳 女性)

9月中旬頃にコロナを発症した。高熱激しい咽頭痛倦怠感に息苦しさに深夜耐えていた。診察も受けられず市販薬のみ。しかも効かない。

下旬に乳がんの手術を控えていた。もちろん延期である。精神的にかなり追い詰められていた。ふと、保健所の電話相談が目に止まった。呼吸をするのもやっとであった。なかなか繋がらない。諦めかけたらお待たせしましたと看護師さんの声が聞こえた。

うれしさと心細さが入り混じり泣いてしまった。担当の看護師さんは優しくまるで近くにいるように話してくれた。

コロナのせいでがんの進行が心配でいてもたってもいられないと訴えた。コロナの発症ががんの進行への影響は今のところないそうだ。

お辛いですがコロナを治して体力回復しましょうと共感して励ましてくれた。

ネットの文字を追いかけるのは元気な時は苦にならない。
心身弱っている時はやはり人と話すと安心する。

その後急速に回復して手術も無事に成功した。今は抗がん剤治療をしている。

詳しくはホームページやチャットなど文字のみでやり取りが多い昨今。

困った人に寄り添えるのはやはり人である。

声を聞くだけ話すだけでも違うのだ。アナログだが電話相談はずっと続いてほしい。

寄り添ってくれてありがとう
(かずの 兵庫県 37歳 女性)

私の10代20代は月経痛との戦いだった。婦人科にかかっても身体が成長しきっていないからだと効かない痛み止めが出されるだけ。市販の痛み止めも効かず夜も眠れずに朝までうめいて苦しんだ。

そんなとき私に寄り添ってくれたのが加入している医療保険の24時間電話健康相談サービスだ。

電話をしたからと言って腹痛が無くなるわけではないが電話口の相談員に心配してもらえると一人で痛みに耐えなければならない心細さが埋まった。

何度か月経の度に電話をしていたら「痛みが強いようなのでセカンドオピニオンをおすすめします」と助言された。

セカンドオピニオンの結果、子宮に月経痛が酷くなる病気が見つかりホルモン治療で月経痛に悩むことはなくなった。

あの頃、私の痛みに寄り添ってくれた相談員の方々にお礼が言いたい。助言がなければセカンドオピニオンを受けようとも思わなかっただろう。いつでも電話すれば痛みや辛さに寄り添ってくれる人がいることは時に病院以上の安心を与えてくれる素晴らしいサービスなのだ。

自分と向き合う 
(みやび 神奈川県 54歳 女性)

私は53才の時、左胸にしこりがあるのを見つけました。「えっ、まさか」と思いつつも、病院に行く気にはなれず、悶々とした日々を過ごしていました。

しこりに触れる度に、少しずつ大きくなっているような気がするものの、近くの病院に女医さんはおらず、病院へ行く勇気を持てずにいました。そんな時、電話健康相談を知り、恐る恐る電話をしたのです。

私の心配をよそに、対応してくれたのは、とても優しい声の女性でした。私の症状を話すとともに、病院に行く勇気が持てずにいることを伝えると、その女性が一言、「しっかりと自分自身と向き合いましょう。」と。

私はその言葉に、ハッとしました。しばらく沈黙が続き、気が付くと私は、「検査に行ってきます。」と返事していました。

女性の一言で、私は自分と全く向き合っていなかったことに、気付いたのです。電話相談する前に、家族から幾度となく病院に行くよう言われていたのに、受診せずにいました。

電話相談の女性は、受診を促すような事は一切なく、ただ自分と向き合うようにと、私の凍りついた心を包み込むように、優しくアドバイスして下さり、その一言が、私を受診すると決意させてくれました。

検査結果は、初期の乳癌でした。入院、手術と慌ただしい日々を送りましたが、発見が早かった為、抗がん剤治療は行わずに済みました。

退院後、一週間で仕事復帰し、今は、以前にも増して元気になりました。自分と向き合いましょう。の一言が、私に勇気を吹き込んでくれたのです。そして、そのおかげで、早期発見、早期治療ができたのです。

あの時、対応して下さった相談員さん、心より感謝しています。ありがとうございました。


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