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「日本のCMが好き」新卒2年目 映像ディレクター 何 瀾|社員インタビュー #1

電通クリエーティブX 広報チームです!
(社名の「X」は「クロス」と読みます。以下、クロス)

はじめての社員インタビューは、クロスの映像ディレクター集団「カントク」に所属する入社2年目の何 瀾(カ・ラン)です。優秀な若手映像制作者を表彰する「JAC AWARD 2022」の受賞作品が2022年12月に発表され、ディレクター部門でメダリストを受賞しました。

今回は、受賞作品「もしあの時」が生まれる舞台裏や、何さんのルーツ、当時の就職活動について語っていただきました。

大学受験の悔しさから生まれた企画

-  改めて、「JAC AWARD 2022」ディレクター部門 メダリストの受賞おめでとうございます! 何さんのまわりで、受賞の反響はありましたか。

ありがとうございます! 社内からの反応が一番多くて、会う人から「おめでとう!」って言ってもらえました。意外だったのでは、社外の制作部からもお祝いの言葉をいただけたことで、みんな注目しているアワードなんだなって改めて思いました。それと、今の師匠(中西 尚人)と一緒に仕事しているエディターさんからも褒めていただきましたね。

- 今回、どうしてJAC AWARDに応募しようと思ったんですか。

入社する前、クロスのWEBサイトで村田 まいさんのインタビュー記事を読んだことがあって。JAC AWARD 2019Brain Online Video Award(BOVA)アジア太平洋広告祭(ADFEST)でどんどん受賞しているのがすごいなって思って。それと、普段の仕事ではいろいろと制限がありますし、会社から制作費をサポートしてもらって、自由に表現できるチャンスはなかなか無いので、応募することに決めました。

- 今年の課題テーマは「しあわせ?」でしたが、どのように企画を考えていきましたか。

最初にテーマを見たときに、「?」が付いているので、普段使っている「しあわせ」とは少し違う感じの「しあわせ」を考えようと思いました。お父さんと「幸せって何だろう」と話したことがあって、最終的には「楽しい+有意義なことをしている=しあわせ」という結論になりました。

でも、自分の目標を達成する前に、そのときは悪いと思っていたことが結果良かったことにもなるし、その逆もありますし。人は後悔しているエピソードを話すとき、「もしあの時、〇〇していたら・・・」とよく言います。でも、後悔しているからといって、必ずしも悪い結果になるとは限りません。

たとえば私の経験でいうと、大学受験の時、1つの試験の点数が足りなくて、第1志望だったファインアート学科に進めず、第2希望だった映像学科に進学することになりました。本当は彫刻家になりたかったので、入学するときはすごく悔しかったけれど、今思うと映像の道に進んで良かったなって思います。

- カタチにするまでに一番大変だった部分は何でしたか。

企画案をブラッシュアップする段階が一番大変でした。

最初は、子どもや20代の女性など4人が登場し、こんな悪いことがあったけどその後はしあわせになるという案を考えていました。学校の成績や友だち関係、仕事や結婚など、それぞれの主人公にまつわる人生のイベントを考えていたんですけど、エキストラを含めた出演者の数が多くなり、30秒という尺の中に収まらないこともあり、どうするか悩みました。

最終的には、4人の登場人物のストーリーを1人のおばあちゃんの人生に落とし込むことをなり、制作を進めることになりました。


- 演出面ではどのような点を工夫されましたか。

登場人物の衣装の色を、場面展開と共にそれぞれの関係によって分けています。

(高校時代)三人は友達の関係なので同じ色の制服を着ています。

(20代)友達の二人がカップルになったから、その二人は全身赤い服を着ていて、主人公の女の子は青です。その後、同じく青を着てる男の子(未来の旦那)と出会います。

(老後)二人で公園。二人とも夫婦なので青を着ていますが、おばあちゃんが亡くなったら白。おじいさんは新しい彼女とデートするため、おじいさんと新しい彼女は黄色の服を着ています。

実はラストカットで、おじいさんが指輪を外しているのでご注目ください(笑)。

日本で働こうと思ったきっかけ

- 何さんの子供時代のことを教えていただけますか。

幼稚園のころから絵を描くのが好きで、絵の塾に通うくらい好きでした。でも、中学3年生までは美大や芸大に入ろうなんて全く考えていなくて、とにかく趣味で絵を描いていましたね。特別な目標も特にありませんでした。

中学3年の時に、学校の先生から美術系の高校受験を教えてもらったんです。その瞬間は、「わたしには関係ないかな」って思っていたんですけど、書類提出締切の前の夜、「やっぱり芸術系に進みたい」と思い始めて、最終的に美術系の高校に進学しました。けっこう、勉強を頑張りました(笑)。

- 日本に興味を持ち始めたのはいつごろですか。

中学生や高校生の時、日本のアニメをけっこう見ていました。それと、「1本満足バー」やマクドナルドの「ドナルドのうわさ」シリーズのCMを見た時から日本の広告に興味を持ち始めました。

はっきり日本で働こうと思ったのは大学3年生の時です。日本で働くために何が必要だろうと考えて、まずは大学院に入ろうと決めて、日本語の資格1級を取ることにしました。

大学4年生では1年間、ずっと卒業制作をしないといけなくて日本語を勉強する時間が取れないだろうから、3年生の間に日本語検定1級を取ろうと決めて。毎日めちゃくちゃ勉強しましたし、日本のドラマをひたすら見たり、日本の音楽をずっと聴いたりして、無事に1級に合格できました。

大学院生活と就職活動

- 中国で大学を卒業して、日本に来たわけですね。

そうですね、日本には6月に来ました。9月に出願が始まり、11月くらいに面接を受けて、12月に無事、日本大学大学院 芸術学研究科に合格することができました。その中で、映画や放送、写真などを学べる映像芸術を専攻していました。

主指導の先生は、実験映画のようなメディア映像を作る先生なんですけど、選択科目で画家の先生の授業や放送の先生の授業など、いろいろ選ぶことができました。広告会社でクリエーティブ・ディレクターを務めていた先生の授業もありました。

昭和のテレビCMを先生から教えてもらい、面白いと思ったことがきっかけで、大学の図書館にある「ACC年鑑」や「ADC年鑑」をすべて見ましたね。

- 大学院に入って少し経ったら就職活動ですよね。どういった業界を受けていましたか。

入学した年の11月くらいから、早期から採用している企業にチャレンジ的にエントリーしていました。冬以降は広告業界に絞っていて、新卒採用している広告会社や制作会社はすべて応募しました。どの会社も、映像ディレクターは採用人数が少ないので厳しかったですが、第1志望だったクロスから内定をもらうことができたので良かったです。

自分を知ること、仕事を知ること

ー 今後、どんな映像ディレクターになりたいですか。

面白おかしなことやファッション、料理が好きなので。好きなモノをもっと詳しく知って、好きなモノのCMを作れるディレクターになりたいです。好きなモノを組み合わせたCM、例えばオシャレなギャグ系とか、面白いビューティ系とか、そういうCMも作ってみたいです。中国や韓国の仕事も担当してみたいので、海外からもオファーをもらえる国際的なディレクターになりたいです。

ー 就職活動中の学生にメッセージをお願いします。

映像ディレクターの採用人数は少ないので、制作部(プロダクションマネージャー)と演出部(映像ディレクター)どちらにエントリーしたらいいか迷っている人が多いと思います。私も当時そうでした。

私から伝えられるのは、まずはちゃんと自己分析すること。そして、制作と演出の仕事の違いをちゃんと理解すること。自分がどんな人間で、どんな仕事に向いているのかを知っている上で就活することがとても大事でだと思います。

本気で映像ディレクターになりたいなら、迷わず映像ディレクターにエントリーした方がいいです。そして、選考のなかで自分らしさをドンドン出してください。あなたの才能と魅力に気づいてくれる人は絶対います。自分のことを信じて頑張ってください!


クロスでは2024年度 新卒採用を実施しています。プロダクションマネージャー、映像ディレクターの仕事に興味がある方はこちらからエントリーをお願いします!