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【歯科医師】転職ってした方が良いの?

一般企業でも「終身雇用制」が崩壊し、今では「転職」することに違和感を感じなくなりましたが、歯科医師の世界ではどうでしょうか?

最近の若い先生のお父さん世代は、歯科医師免許を取得してから、2~3年ほどで開業する人が多かったようです。おそらく、保険診療が中心だったため3年ほどで保険診療が出来るようになった段階で「開業」というイメージだったのでしょう。

しかしこの20年ほどで歯科業界は著しく変化しています。新しい治療や機材が増え、それに伴い歯科医師免許を取得してからもマスターしないといけない内容は増えました。それにより開業までの期間が長くなっているようです。とはいえ、開業には莫大な費用が必要となるため銀行の借り入れなどの事情から40歳になる前には開業をしたいという人が多いようです。

では、それまでに何度くらい「転職」するのでしょうか?

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開業までに勤務した医院数

    <開業までの勤務医院数>
  3軒                             48.0 %
     1~2軒                          32.0 %
     4軒以上                                   12.0 %
     開業を考えていない                 8.0 %


データではこのような数字が出ています。80%の人が開業までに、1~3医院での勤務を経験しているようです。


こんなことがありました・・・
開業を考えておられない50代後半の先生ですが、
  1. 履歴書が一杯なほど転職をされている先生。
  2. 転職経験が2回ほどしかない先生。
このお二人の先生の履歴書を見られて、歯科医院の院長はどのように言われたと思いますか?

転職を繰り返されている先生に関しては、あまり良いイメージを持たれなかったというのはご理解頂けると思います。「うちで働いてもらっても、また辞めるんじゃないかな~」との感想でした。

逆に1カ所で10~15年勤務されていた先生に対しての評価はどうだったと思いますか? もちろん「素晴らしい」と言われた院長もおられたのですが、「上昇志向がないよね」という評価をされた院長もおられたことが意外でした。
もちろん一概には言えません。医療法人内で勤務医から分院長というように立場が変わっていく場合もありますので、時と場合にもよるのですが、状況が変わらないまま10~15年勤務するというのは、ある面からすればマイナスなイメージに取られる場合もあるという事です。

ということで、「転職」という形をとるかは別として、スキルアップ・キャリアアップはしていかなくてはいけません。

では、歯科医師の方は経験年数に合わせてどういう「転職」をされるのでしょうか?


臨床研修明け 初めての就職 (1回目)

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臨床研修後、初めての就職は、「保険診療をしっかり出来るようになりたい」という目標のもとに探される方がほとんどです。多くの方が、先輩勤務医が数名いる規模の所を選ばれます。 初めての就職という事でご両親のアドバイスに左右される方も多く、 規模の大きい歯科医院の方が安心だと言われたこともありました。 

私の経験的には、教育体制がしっかりしていて、すぐ年上の先輩たちがいる歯科医院をご提案することが多いです。 しっかり勉強と実践を繰り返しながらステップアップし、まずは保険診療をマスターすることをおススメしています。


経験3年~5年 自費治療を学びたい (2回目)

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「保険診療はある程度できるようになったので、自費を学びたい」と言われ転職をされる方が多いです。 そのためインプラントやペリオに強いところというように、専門分野で探されます。

保険診療が一通りできてお任せできるようになったこの時期の転職はどこの歯科医院も喉から手が出るほど求めているため、ある意味「売り時」と言えるかもしれません。

ただ、気をつけなければいけないことが一つあり、求人側と求職側の求めているものに少しズレがあるということです。

求人側(歯科医院側)・・・保険診療をして点数を上げて欲しい。
求職側(歯科医師側)・・・自費治療を学びたい。

基本的に、「職場」は「学校」ではありませんので、学びの場ではないことは理解しておきましょう。セミナーなどを利用して学ぶべきですが、学んだことを実践できるか、フォローしてもらえるかというのが「転職」のポイントとなってきます。

転職をした先生から、実際自分の思っていたのと違っていたという話もよく聞きます。

・ インプラントオペは院長がするため、その間一般診療をしてくれと言わ
  れ、オペの見学すらできない。
・ セミナーに行かせてもらったが、実際インプラントの患者さんがほとん
  どいない。
・ 自分で患者さんに説明をして契約が取れたらやっていいと言われたもの
  の、経験の浅い自分の説明ではなかなかインプラントの契約すら取れな
  い。
・ インプラントは院長でお願いしますと言われるため、実際にはほとんど
  できない。
・ インプラントの経験をするために自身の知人や親族を連れてくるように
  言われる。


最初にお話したように、この位の経験数の歯科医師を欲しがっている歯科医院は大変多いです。そのため「インプラント症例は多いよ」「セミナー費用の補助をするよ」といった美味しい言葉を並べて、結局は日々保険診療に明け暮れ、売上点数のノルマを言われるような医院も現実的にあります。「転職」の際には、その医院で自分はどのように自費の技術をマスターしていけるのかを確認することが必要でしょう。


例えば、私の知っている歯科医院では、

① 「インプラント100時間コース」を習得(セミナー代金補助あり)
     ⇩
② インプラントのカウンセリングをする担当者がインプラント経験初めて
   のドクターが施術しても良いかを患者さんに承認してもらう。
     ⇩
③ 院長アシスタントのもとインプラントオペを経験する。(数回経験)
     ⇩
④ 1人立ち

このような流れでフォローしてもらえます。セミナーで学んだものの、経験がないと患者さんを説得することができないのは仕方がないですし、患者さんも出来ればベテランの先生にやってもらいたいでしょう。一人立ちできるまで色々な面でフォローしてくれる歯科医院をお勧めします。


開業前、最後の歯科医院を選ぶなら! (3回目)

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保険も自費もできるようになったらいよいよ開業も目前です。開業前の最後の歯科医院を探している方はどういう事に着目しているのでしょう。

・ 訪問診療の経験がないので、訪問診療のできるところに行きたい。
・ 治療のスピード力をつけたいので、患者数の多いところに行きたい
・ 地域密着型の歯科医院を開業したいと思っているので、そういうイメー
  ジの歯科医院に行きたい。
・ 経営やスタッフ管理を学びたいので、分院長を経験したい
・ 開業資金のためにお給料の高いところがいい

こういう希望をよく聞きます。要するに、「開業のイメージにより近い医院で、不足しているスキルを補うこと」が大きな目的のようです。

また、開業予定がより具体的になっている方は、開業の準備をしたいので時間に拘束されたくないため非常勤で働きたいと言われる方もおられます。


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「ずっと常勤で働いてきたので、非常勤の経験がありません。今後開業して、非常勤を雇用することになるかもしれないので、非常勤を経験したいです」と言われた先生がおられました。「転職」によって技術を学ぶことはもちろんですが、色々な医院を経験するのも大切な事。フラフラと転職を繰り返すのは良くありませんが、スキルアップのため、目的を持っての転職は是非1~3回はしておいた方が良いかもしれません。


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