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歯学部に後悔?人気回復はあるのか

歯学部に後悔?人気回復はあるのか


歯医者と聞くと、お金持ちをイメージする方も少なくないのではないでしょうか?

しかし、それは、もう何年も過去の話かもしれません。

1960年前後、食べ物の西洋化が急速に進み、虫歯が大流行した時代がありました。

当時、歯医者には虫歯の患者が押し寄せ、3時間も診てもらえないなんてこともよくあったそうです。

当時の水道水や歯磨き粉には、フッ素が含まれていなかったこともあり、歯科医院も少なかったことから、虫歯の患者は多いのに、歯医者が足りないという状態にありました。

つまり、

需要:大
供給:小

という時代です。

今の若者にとって、「おじいちゃんが歯医者」という人は、その祖父母の方は、この「歯医者の黄金時代」を経験しているのかもしれません。

当時は、医者より歯医者の方が、稼げていたとも言われています。

こういった事情もあり、日本で、「歯学部の設立」が急激に進みました。

結果、歯科医師数は、大幅に増加しましたが、その間に、虫歯の患者の数も、大幅に減少したため、「おじいちゃんが歯医者」の時代と比べると、逆の状況になっています。

つまり、先ほどと逆で、

需要:小
供給:大

という時代に変化しました。

今では、「コンビニより多い歯医者」と言われるようになっています。

お金持ちのイメージがあった歯医者から、稼げない仕事の代名詞として、「歯医者は敗者」とまで、揶揄されるようになってしまいました。

しかし、こういった情報はマスコミを中心として発信されているため、本当の姿は、歯科医師の方にしかわかりません。

今回は、その実態を把握すべく、参考になる動画を紹介します。

歯学部は後悔するのか?人気回復は?

(出典:石倉歯科医院 石倉 聡先生のYouTubeチャンネル)

先生のお話を抜粋すると、

「歯医者も医者。」

「歯医者の5人に1人が、年収200万と言われているのは、研修医の存在。確かに、彼らは、月給13〜15万くらいなので、200万未満の年収。」

「歯科医師の平均年収が、700万というのは嘘。ほとんどの歯医者は、開業するケースが多く、個人事業主として、1,000万前後の利益がある。」

「なぜ700万前後になっているかというと、開業歯科医には、専従者給与といって、収入の一部を奥さんに割り当てることが可能なため。例えば、自分の給与を700万としたら、残りを奥さんの給与とすることができる。これが理由。」

「コンビニより多いと言っているのは、東京。東京でやりたい気持ちはわかるが、東京はさすがに厳しい。」

(自分も筑波大医学部行けたけど、筑波に住むより東京に行きたくて、東京医科歯科大学の歯学部を選んだから、気持ちはわかる。)

「東京以外で場所をしっかりと選べば、今でも1,000万ぐらいは稼げる職業。むしろ地方にいけば、2,000万も目指せないことはない。」

「サラリーマンの平均給与が400万の時代。今の時代、偏差値60〜70の大学に行っても、歯医者ぐらい稼げるかどうかというのは、怪しいのではないか?」

「特に、サラリーマンで年収2,000万を稼ごうとしたら、かなり厳しいのでは?歯医者なら、それが可能なんじゃないかな?」

「昔は、医学部よりも歯医者の方が偏差値の高い時代があった。実際、自分の時代は、筑波大の医学部より、東京医科歯科大学の歯学部の方が、偏差値が高かったし、自分は医科歯科だから、模試でも筑波大は射程圏内だった。」

「終身雇用が崩壊したと言われるが、歯医者に定年はない。生涯年収で考えると、悪くない額になるのではないか?」

「チャンスなのは、国家試験の人数を絞っているので、これから歯医者が足りなくなるような時代がくること。」

「ほとんどの歯医者が開業する。開業すれば自分が大将だから、嫌な上司もいない。人間関係の悩みもない。自由な時間もすげーある。」

「そう考えると、今の時代、歯学部は入りやすいので、チャンスのなのでは?」

実際の歯科医師の方のお話は、医療系を目指す者が将来を考える上で、非常に参考になりそうです。

歯医者の5人に1人が、年収200万と言われていますが、先生のお話にあるように、そのカラクリとして、

・研修医(月給13〜15万)
・育休中の歯科医師(無給に近い)
・60歳以上の歯科医師が、週2〜3日程度、
 趣味の感覚で働いている


という実態があります。

また、開業に失敗した歯科医師の年収もあるので、それを含めると、5人に1人が200万未満と言えるのかもしれませんね。

先生のお話を裏づけるものとして、数値データとして何か確認でできそうなものはないか、国の統計資料を調べてみました。

歯科医師の年収は、後悔するような数値か?

具体的な年収について、統計データ(出典:医療経済実態調査)をこちらの記事で詳しく解説しています。

概要のみお伝えすると、医療法人化した歯科医師院長の年収は、約1,500万と、高給であることがわかりました。

先ほどの動画でも、開業医は、1,000~2,000万という話がありましたので、1,500万という数字は、しっくりきます。

歯科医不足の時代がくる?

先生のお話では、50代の歯科医が最も多いというお話でした。

実際に、数値をグラフ化をしたものを見ると、現在、約10万人ほどいる歯医者の半分以上が50代以上ということがわかります。

出典:プレジデントオンライン

この大きな歯科医の人口が、2030年には大量に高齢者となっていき、徐々に引退を考える先生たちが出てくることが予想されます。

つまり、コンビニより多いと揶揄される歯科クリニックの中から、引退に伴い閉院していく歯科クリニックが生じていくと予想できます。

また、55歳以上となると、どれだけ体力があった先生でも、力を抜いていくことが一般的であるため、現役世代にチャンスが到来するとも考えられるかもしれません。

まとめ

 ここまで、歯医者が儲からない・ワーキングプアは、嘘なのか?という点について、検証する内容を紹介してきました。

 結論としては、医師ほどではないものの、平均年収は高いと捉えることが可能な職業、と言っても間違いはなさそうです。

今回のお話をまとめると、

・開業した医師は、歯科医師の倍以上の年収
 (年収2,000〜4,000万以上)
・地方で開業した歯科医師
 (年収1,000〜2,000万)
・偏差値60〜70程度の大学(早慶とか)卒のサラリーマンでも、
 今の時代、年収1,000〜2,000万を稼ぐのは、難しいのでは?
・歯医者に定年はないため、生涯年収は悪くない

というお話でした。

 シンプルにすると、年収では、

開業医師>>>地方で開業した歯科医師>早慶卒サラリーマン

というお話になるのかもしれませんね。

 実際、歯医者の女医もこのような感じで、コンサル、外資系、商社などの早慶卒エリートサラリーマンだろうと、全部サラリーマンってカテゴリーで見ています。

 近年の医学部入試は、難化が続いてるため、医学部志望の方の併願先として、歯学部を候補に入れても良いかもしれません。

 また、それだけではなく、早慶以上の大学を出てから、

・医学部 再受験
・医学部 学士編入

を選択肢に入れる20代、30代の方も増加している時代です。

 しかし、そのような高学歴で勉強な得意な方でも、何年も浪人をする場合が少なくないようです

(出典:井上ちゃんねる)

 何度か医学部にトライして、年齢的にも学力的にも焦りが感じられた場合に、「歯学部編入」という道も、候補に入れてもいいかもしれません。

 また、歯科医不足の時代がくる、というお話が現実となった場合、さらなるチャンスが現役世代に到来するかもしれません。

 もし早慶クラスをご卒業された優秀な方だとしても、いったん歯科医師になれば、自分次第で一流企業のサラリーマンより、稼ぎは増えるかもしれませんよ。

社会人にも歯科医師へのチャンス?

 早慶クラスをご卒業された優秀な方々でなくても、努力と工夫次第で、歯科医師への道は開かれています。

 特に、編入試験という制度を利用すれば、4~5年で歯科医師になれるため、社会人にとって魅力的な選択肢になります。

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