見出し画像

歯科医はワーキングプア?嘘?


歯科医はワーキングプア?嘘?

「歯医者はコンビニより多い」と呼ばれるようになった現代。

 最近は、中学生にも「歯医者ってコンビニより多いんでしょ?」と言われるくらい、歯科医師数が過剰な状態にあることが、世の中に浸透してきました。

「歯医者は、儲からない」

「歯医者は、ワーキングプア」

「歯科医院は、ブラック」

 そのように言われてしまうことも多くなりました。

 「ワーキングプア」とは、正社員やフルタイムで働いているにも関わらず、生活保護の水準以下しか収入が得られない、就労者の社会層のことをいい、日本では「働く貧困層」と呼ばれています。

 歯科医師の5人に1人が、年収200万円以下と呼ばれています。

 例えば、朝の9時から働いて、仕事を終えるのは22時過ぎ、意外にも歯医者は肉体労働なので、患者さん対応の間は、常に手を動かしていなければならない、それで年収が200万以下だとしたら・・・

 それが、本当であれば、確かに、ワーキングプアと呼ばれてしまう働き方&収入なのかもしれません。

 しかし、一般人からすると、歯科医師の知人や友人というのは、周囲にいないことも稀ではなく、本当のところを知ることは困難です。

 歯医者はワーキングプアは嘘なのか?

 儲からないとしたら、その理由は?

 そこで、今回は、その実態を知るべく、実際の歯科医師の方のお話を紹介します。

歯医者はワーキングプア?嘘?実際は?

出典:「たかさき歯科医院」公式Youtubeチャンネル

先生のお話を抜粋すると、

「昔は、本当に儲かっていた時代もあり、会社の役員ぐらいの収入があった」

「コンビニより多いというのは、東京なのでは?」

「自分の周りで、1,000万くらい稼いでる人は、たくさんいる」

「2,000〜3,000万程度稼いでる人も、ゴロゴロいる」

「5,000万レベルになると、1つの市区町村に1人くらいの割合かもしれないが、いることにいる」

「医師のように、億とか稼げるわけではないけど、全然稼げている」

 実際の歯科医師の方のお話は、医療系を目指す者が将来を考える上で、非常に参考になりそうです。

 数値データとして何か確認でできそうなものはないか、国の統計資料を調べてみました。

歯科医師の年収は、ワーキングプア ?

こちらの記事で、具体的な年収の統計データ(出典:医療経済実態調査)を詳しく解説しています。

 概要のみお伝えすると、医療法人化した歯科医師院長の年収は、約1,500万と、高給であることがわかりました。

 先ほどの動画でも、開業医は、1,000~2,000万という話がありましたので、1,500万という数字は、しっくりきます。

歯科医師がワーキングプア と呼ばれる理由は?

 歯科医師は、よく医師と比較されます。

 花粉症の方が、耳鼻科に行って、薬をもらうとしましょう。

 おそらく医師との会話時間は、5分程度、医師の方が、患者の体に触れている時間も短時間でしょう。

 そして、お会計は、保険診療で1,000円程度が相場なのではないでしょうか?

 ここで、5分で1,000円だったということを覚えておいてください

 一方、歯科医師はどうでしょうか?

 私は、最近、歯のクリーニングに行きました。

 通常、歯のクリーニングは歯科衛生士の方が、されることが多いかもしれませんが、その際は、若手の歯科医師が、丁寧に歯をクリーニングしてくれました。

 会話の時間も長く、クリーニングにかかった時間は45分程度でした。

 当然、クリーニングの際は、ずっと歯に医療器具を当てていることになります。

 そして、お会計は、なんと花粉症の薬をもらった場合と同額です。

 保険診療で1,000円程度でした。

 ここで、耳鼻科と歯科医師を比較してみたいと思います。

 ○時間&費用
  耳鼻科  5分 1,000円程度 
  歯科医師 45分 1,000円程度

 耳鼻科であれば、60分で20人もの患者を見ることができ、1日7時間働いたとすれば、140人の患者を見れることになります。1日7時間働いたとすれば、140人の患者を見れることになります。

 1,000円 × 140人 = 14万円

 保険診療なので、患者の負担額は3割だとすると、医院に入る収入は3倍以上なので、
 
 14万円 × 3 = 42万円

という計算結果になります。

 患者全員が、花粉症ではないので、実際は、これ以上の売上があるでしょう。

 それでは、歯科医師は、どうでしょうか?
 
 45分で1人の患者を診て1,000円だとすれば、1日7時間働いたとすれば、9人の患者を診れることになります。

 1,000円 × 9人 = 9,000円

 保険診療なので、患者の負担額は3割だとすると、歯科医院に入る収入は3倍以上なので、
 
 9,000円 × 3 = 36,000円

 患者全員が、クリーニングではないので、実際は、これ以上の売上があるでしょう。

 しかし、ここまで計算すると、医師と歯科医師が、どれだけ差があるのか、わかりやすいのではないでしょうか?

 単純計算で、42万円と36,000円もの差が、たった1日で生じます。

 また、歯科医師は、診察中、ずっと手を動かしているため、肉体労働に近い感覚になることもあるかもしれません。

 さらに、これだけ歯科医院がたくさんあると、1日に9人も患者が来るかどうか、それもわかりません。

 それだけでなく、保険点数が医師より低く、薬を処方する機会も少ないことから、歯科医師の収入は、医師とは比較にならないほど、差があることが想像できます。

 こういったことから、歯科医師はワーキングプア、と呼ばれてしまう背景があるのかもしれません。

まとめ

 ここまで、歯科医がワーキングプアというのは、嘘なのか?という点について、検証する内容を紹介してきました。

まとめると、

・開業した医師の年収は、歯科医師の倍以上
・歯科医師がワーキングプアを呼ばれる背景に、倍以上の収入を得る医師と比較されやすいという背景もある
・歯科医師の実際の年収は、1,000万程度
・中には、2,000〜3,000万程度稼いでいる歯科医師もいる

というお話でした。

 結論としては、医師ほどではないものの、平均年収は高いと捉えることが可能な職業、と言っても間違いはなさそうです。

 特に、近年の医学部入試は、難化が続いてるため、医学部志望の方の併願先として、歯学部を候補に入れても良いかもしれませんね。

 また、それだけではなく、早慶以上の大学を出てから、

・医学部 再受験
・医学部 学士編入

を選択肢に入れる20代、30代の方も増加している時代です。

 しかし、そのような高学歴で勉強な得意な方でも、何年も浪人をする場合が少なくないようです。

 何度か医学部にトライして、年齢的にも学力的にも焦りが感じられた場合に、「歯学部編入」という道も、候補に入れてもいいかもしれません。

 もし早慶クラスをご卒業された優秀な方だとしても、いったん歯科医師になれば、自分次第で、一流企業のサラリーマンよりも、稼ぎは増えるかもしれませんよ。

関連記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?