歯原性角化嚢胞(歯原性嚢胞)
歯原性嚢胞
発育性嚢胞1
歯原性角化嚢胞の臨床的、病理学的所見
臨床的所見においては、再発傾向が強い(症例の10~20%)。嚢胞だが、潜在的に侵襲性で特に顎嚢胞/基底細胞母斑症候群に関係するものは侵襲性である。
歯原性嚢胞の10~20%に見られる。10~20歳に好発。60%が男性で、80%が下顎骨で、50%が下顎第三大臼歯部で、50%が埋状歯を伴う。
※内容物はおから状(角質)。再発を繰り返すと顎骨内に扁平上皮癌を発生させる。
X線所見においては、単胞性〜多房性X線透過像を示し、貝殻状辺縁、歯根吸収はまれ。皮質骨の穿孔が時にある。
病理学的所見においては、嚢胞腔内面は錯角化扁平上皮(錯角化を伴う重層扁平上皮で、嚢胞では歯原性角化嚢胞のみに見られる)で裏打ちされており、上皮は薄く上皮突起を欠く。また、立方状〜円柱状の基底細胞が観兵式様配列を示す。錯角化した上皮の表面が波打ったようになっている。また、重層扁平上皮が結合組織からしばしば剥離する。基底上層に核分裂像が見られる。 芽を出したり小さな上皮胞巣を形成したりする。これは、再発率が高いことに関係する。ほとんどの症例は嚢胞性だが時に充実性を示す。
ゴーリン・ゴルツ症候群
・多発性で再発傾向がある歯原性角化嚢胞。
・皮膚の基底細胞癌の発生。
・骨格異常。
・頭蓋の異常。
※基底細胞・・・錯角化上皮は、基底膜上から、基底細胞層→有棘細胞層→中間層→表層 の4層(非角化上皮と同)
正角化上皮は、基底膜上から、基底細胞層→有棘細胞層→顆粒層→角化層 の4層
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?