全身性IgG4関連疾患とシェーグレン症候群との違い

涙腺と唾液腺に対称性の腫張をきたす慢性炎症性病変であり、原因不明で高度のリンバ珠浸潤を伴うものをミクリッツ病、白血病、結核など原疾患の明らかなものをミクリッツ症候群とよぶり。

これまで、ミクリッツ病とシェーグレン症候群は同一の疾患あるという概念がされてきたが、最近になりミクリッツ病では、血清分画中のIgG4が著しい高値を示すとともに、腺組織にIgG4陽性形質細胞の浸潤を伴うことからIgG4関連疾患の1としてまとめられた

IgG4関連疾患は、血清IgG4高値に加え、IgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化により全身臓器の腫大や結節形成を伴う原因不明の疾患である。自己免疫性膵炎や涙腺唾液腺炎が代表的な疾患として注目され、現在ではほとんどすべての臓器に発症しうることが知られている。

病理組織学的には、唾液特に顎下腺に高度のリンパ球、形質細胞浸潤。リンパ濾胞の形成と腺房の萎縮を特徴とする慢性硬化性唾液腺炎像が認められるなお、本症では、血清中の抗SS-A / Ro抗体、抗SS-B / La抗体は陰性であり、ステロイド薬に対する治療反応性がよくシェーグレン症候群とは異なる特徴を示す。   新口腔病理学p280参照

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