嚢胞(非歯原性)の分類
歯胚の遺残組織に由来しない嚢胞を非歯原性嚢胞という。
先に発生由来をまとめる
鼻口蓋管嚢胞・・・鼻口蓋管の遺残組織
術後性上顎養胞・・・残留上顎洞粘膜
鼻歯槽嚢胞・・・鼻涙管原器
甲状舌管嚢胞・・・甲状舌管
鰓嚢胞・・・鰓原性器官
類皮嚢胞・類表皮嚢胞・・・胎生期外胚葉組織
非歯原性嚢胞の分類
Ⅰ 顎骨に生じる嚢胞
1.鼻口蓋管嚢胞
1)切歯管嚢胞
2)口蓋乳頭嚢胞
2.術後性上顎嚢胞
3.単純性骨嚢胞
4.脈瘤性骨嚢胞
5.静止性骨空洞
3~5は非上皮性嚢胞(偽嚢胞)と呼ばれる。
Ⅱ 軟部組織に発生する嚢胞
1.類皮嚢胞・類上皮嚢胞
2.鼻唇嚢胞
3.鰓嚢胞
4.甲状舌管嚢胞
Ⅲ 唾液腺の嚢胞
1.粘液停滞嚢胞(粘液瘤とガマ腫)
2.リンパ上皮性嚢胞
※太字は偽嚢胞
上記より、嚢胞を非歯原性に分類した後、発生部位によって分類される。
これは、①顎骨、 ②軟部組織、③唾液腺 に分類される。
そして、①②③それぞれ、裏装の有無によってさらに分類される。
①顎骨の裏装上皮があるものは、1.鼻口蓋管嚢胞(切歯管嚢胞と口蓋乳頭嚢胞)、2.術後性上顎嚢胞であり、裏装上皮がないものは3.単純性骨嚢胞、4.脈瘤性骨嚢胞、5.静止性骨空洞である(偽嚢胞)
②軟部組織の裏装上皮があるものは、1.類皮嚢胞・類上皮嚢胞、2.鼻唇嚢胞、3.鰓嚢胞、4.甲状舌管嚢胞であり、裏装上皮がないものはなし(唾液腺にある)
③唾液腺の裏装上皮があるものは、2.リンパ上皮性嚢胞、裏装上皮がないものは、1.粘液停滞嚢胞(粘液嚢胞,粘液瘤)、ガマ腫
※ガマ腫・・・舌下腺の唾液が周囲組織に貯留してできる嚢胞で、口底を拳上し、口腔底部に透明感のあるやや青みを帯びた腫脹として生じる。病理所見は、粘液嚢胞と同様。 つまり、ガマ腫は粘液嚢胞が大唾液腺に生じたものである。
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