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良性唾液腺腫瘍(SGT)の特徴

WHO分類では11個あるとされている

1.多形腺腫
2.筋上皮腫
3.基底細胞腺腫
4. Warthin腫瘍
5.オンコサイトーマ
6.リンパ腺腫
7.嚢胞腺腫
8.乳頭状唾液腺腺腫
9.導管乳頭腫
10.脂腺腺腫
11.細管状腺腫

今回は、多形腺腫、筋上皮腫、ワルチン腫瘍を挙げる

1)多形腺腫

臨床所見・・・上皮性構造と間葉様構造からなる良性腫瘍で最も発現頻度の高い唾液腺腫瘍である。発生場所として、耳下腺が80%、顎下腺が10%、小唾液腺に10%(口蓋に最も多い)。20ー50歳代によく発生し、小児の良性上皮性唾液腺腫瘍で最も多い。女性にやや多い。ゆっくりと増大する無痛性腫瘤、正常の皮膚、粘膜で覆われていて、口腔では潰瘍になる事もある。いろいろな大きさがあり、硬さや色は組織構造を反映するなどといった特徴がある。予後に関しては、一般に良好であり、時々再発、再発腫瘍はしばしば他結節性である。耳下腺例では再発が多い。
長い年月の経過後(10年以上)、良性成分の一部が癌化(多形腺腫由来癌)。

病理所見・・・介在部導管に由来し、腫瘍腺上皮と腫瘍性筋上皮による2種類の細胞から構成。
線維性結合組織で被包されており、一部で被膜から突出(通常は被膜に覆われている)。また、小唾液腺では被膜を欠くことがある。腺腫の像と多様な組織像がある。上皮成分と間葉様成分が混在、移行する。間葉様成分の腫瘍細胞も上皮細胞である。また、腺上皮細胞と筋上皮細胞の2種類の細胞からなっている。腫瘍性筋上皮細胞が産生した細胞外基質(グリコサミノグリカン)が細胞間に蓄積し,細胞が離開する。そのため上皮域の縁のある腫瘍性筋上皮細胞が細胞外基質に混ざっていく。これにより腫瘍性筋上皮細胞が間葉様構造を形成する事もわかっている。

2)筋上皮腫

臨床所見・・・耳下腺に最も多い。口蓋腺にも好発。

病理所見・・・腫瘍性筋上皮のみからなる腫瘍(タイプB)。筋上皮が多彩な形態を示す特徴がある。(多形腺腫との違いは、筋上皮腫は腺管構造がほとんどないこと。)

3)ワルチン腫瘍(2番目に多い5-15%)

臨床所見・・・再発はまれで、予後良好な腫瘍。上皮性構造と間葉様構造からなる良性腫瘍で最も頻度の高い唾液腺腫瘍である。
発生場所として、耳下腺が80%、顎下腺が10%、小唾液腺に10%(口蓋に最も多い。)
20~50歳代によく発生し、小児の良性上皮性唾液腺腫瘍で最も多い。女性にやや多い。
 ゆっくりも増大する無痛性腫瘤かつ単発腫瘤。正常の皮膚、粘膜で覆われていて、口腔では潰瘍になる事もある。いろいろな大きさが(放置すると大きくなる)あり、硬さや色は組織構造を反映するなどといった特徴がある。

病理所見・・・腫瘍実質は、嚢胞腔側の円柱上皮と間質側の立方上皮による2層構造を示す。好酸性の細胞質にはミトコンドリアが豊富に存在。腫瘍間質は、リンパ濾胞を伴うリンパ性組織でBリンパ球を主体とする。耳下腺リンパ節内に迷入した導管上皮の腫瘍性増殖をきたした過誤腫といわれている。

線維性結合組織で被包されており、一部で被膜から突出。また、小唾液腺では被膜を欠くことがある。腺腫の像と多様な組織像がある。上皮成分と間葉様成分が混在、移行している。間葉様成分の腫瘍細胞も上皮細胞である。また、腺上皮細胞と筋上皮細胞の2種類の細胞からなっている。腫瘍性筋上皮細胞が産生した細胞外基質(グリコサミノグリカン)が細胞間に蓄積し,細胞が離開する。そのため上皮域の縁のある腫瘍性筋上皮細胞が細胞外基質に混ざっていく。これにより腫瘍性筋上皮細胞が間葉様構造を形成する事もわかっている。

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