Ⅰ退行性病変および進行性病変(唾液腺の非腫瘍性病変)
退行性病変および進行性病変
regressive and progressive diseases
1. 萎縮
2. 放射性障害
放射線照射後唾液腺炎
3. 化生
① オンコサイト化生
② 杯細胞化生
③ 扁平上皮化生
④ 壊死性唾液腺化生症
この中で、3.化生の定義を述べ、唾液腺に見られる化生についてまとめる
・化生の定義 ある種の正常な成人細胞から別のタイプの正常な成人細胞へ分化の方向が変わる事を言う。
①オンコサイト化生
腫大した好酸性顆粒性細胞質と濃縮性の小さい核を伴った細胞が出現する。耳下腺、道管の内皮細胞に多い。加齢的に増加する傾向。
顆粒の正体は膨化した多数のミトコンドリア。
②杯細胞化生
道管上皮細胞の粘液産生細胞への分化
③扁平上皮化生
加齢に伴い道管および腺房の一部に見られる。
④壊死性唾液腺化生症
唾液腺小葉の梗塞に至る虚血が原因でおこる道管ないし腺房の著しい扁平上皮化生を特徴とする比較的まれな疾患。
硬口蓋小唾液腺に生じることが多い。大唾液腺にも見られる。中年以降の男性に好発。
・病理組織学的所見
腺組織の一部が小葉構造を保ったまま壊死に至り、導管や腺房に著名な扁平上皮化生が観察されるため、一見扁平上皮癌を思わせる。上皮細胞の異型性はない。
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