エナメル上皮腫,通常型(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 エナメル上皮腫
  1.エナメル上皮腫、通常型(80-85%)

最も代表的な歯原性腫瘍(アジアでは約半数、欧米では10-20%)
亜型が4タイプ存在する。

1.エナメル上皮腫、通常型(80-85%)

臨床所見においては、年齢 : 30-40 (平均 :37)、47% 女性 , 53% 男性。
早期の診断と治療が重要であり、
緩徐な発育を示すが局所浸潤性、骨中心性発育、骨皮質穿孔(※)(こつひしつせんこう)を示すことあり、除去が不十分な時には 高い再発率を示す。
分子標的治療により治療。
80% が下顎に発生し、ほとんどが顎角部にある。
また、40 %が埋伏歯(80% が下顎智歯)を伴う

画像所見において、多房性(60%)あるいは単房性(40%)の骨透過像が見られる。しばしば貝殻状辺縁で、明瞭な根吸収像を示す。
病理組織像においては、エナメル器(エナメル上皮、エナメル髄)においては、濾胞型。歯堤においては、叢状型が見られる。(ページ最下部のWikipedia参照)
濾胞型は、胞巣周囲の観兵式様配列を示す円柱細胞と、胞巣内部を占めるエナメル髄様の部分から成っている。また胞巣内の嚢胞変性(実質嚢胞,腔になっている)が認められる。
叢状型は、互いに吻合する索状〜 コード状上皮成分から成る。エナメル髄に相当する部分は少量である。また、嚢胞変性は間質に見られる(間質嚢胞)

骨皮質・・・骨は、骨皮質という表面の硬い部分と、海綿質という内部の網目状の部分の2層構造になっている。 骨皮質は緻密な構造から成っていることから、緻密骨とも呼ばれる。 緻密骨には血管を中心にして、まるでバウムクーヘンのように幾層も重なった同心円柱(骨単位)がぎっしり詰まっている。また、組織学的に、骨皮質の骨単位はオステオンと言い、その中心にはハバース管が通っており、その周りをハバース層板が円柱形に取り囲んでいる。また、ハバース管と交差するフォルクマン管という構造が存在する。


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