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病理学まとめ 唾液腺腫瘍ver

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唾液腺の腫瘍性病変と唾液腺の非腫瘍性病変
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2020年8月の記事一覧

全身性IgG4関連疾患とシェーグレン症候群との違い

涙腺と唾液腺に対称性の腫張をきたす慢性炎症性病変であり、原因不明で高度のリンバ珠浸潤を伴うものをミクリッツ病、白血病、結核など原疾患の明らかなものをミクリッツ症候群とよぶり。

これまで、ミクリッツ病とシェーグレン症候群は同一の疾患あるという概念がされてきたが、最近になりミクリッツ病では、血清分画中のIgG4が著しい高値を示すとともに、腺組織にIgG4陽性形質細胞の浸潤を伴うことからIgG4関連疾

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唾液腺腫瘍の病理診断の進め方

唾液腺腫瘍の病理診断の進め方

1)唾液腺腫瘍の概要の知識と臨床情報の解釈
病理診断に際しては,患者の年齢,性別,病変の部位,画像所見,触診所見,手術所見などの臨床情報を把握まずしておく。

唾液腺腫瘍の特徴

① 部位別頻度
耳下腺,小唾液腺,顎下腺,舌下腺の順で,耳下腺が6割以上。
悪性腫瘍の割合:発生頻度とは異なり,舌下腺がもっとも多く,小唾液腺,顎下腺がこれに次ぎ,耳下腺は最も低い.

② 組織型
多形腺腫が最も多く(6

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