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病理学まとめ 嚢胞ver

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歯原性嚢胞と非歯原性嚢胞の分類と、その代表例をとりあげる
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#病理

嚢胞 腫瘍 膿瘍 腫瘤の違い

口腔病理学を学ぶ上でよく聞く単語であるが、違いの定義は曖昧になりがちである。嚢胞性腫瘍な…

嚢胞(歯原性)の分類

歯原性嚢胞は歯胚の遺残組織に由来する発育性あるいは炎症性嚢胞。一般に下顎大臼歯部から下顎…

嚢胞(非歯原性)の分類

歯胚の遺残組織に由来しない嚢胞を非歯原性嚢胞という。 先に発生由来をまとめる 鼻口蓋管嚢…

歯原性角化嚢胞(歯原性嚢胞)

歯原性嚢胞  発育性嚢胞1 歯原性角化嚢胞の臨床的、病理学的所見 臨床的所見においては、…

含歯性嚢胞(歯原性嚢胞)

歯原性嚢胞  発育性嚢胞2 含歯性嚢胞の臨床所見、X線所見、病理組織像における特徴 臨床的…

石灰化歯原性嚢胞(歯原性嚢胞)

歯原性嚢胞  発育性嚢胞3 石灰化歯原性嚢胞の臨床的、病理学的所見 臨床的所見においては…

歯根嚢胞/根尖性嚢胞(歯原性嚢胞)

歯根嚢胞(根尖性嚢胞)の臨床的・病理学的所見 臨床的所見においては、最も頻度の高い歯原性嚢胞(65%)である。 マラッセの上皮遺残が反応性に増生することに由来する。 全年齢層に見られるが、乳歯の歯根嚢胞はまれ。歯根肉芽腫が先行する。通常無痛、急性増悪時に疼痛。 ※根側性歯根嚢胞:原因歯の側枝開口部に生じる歯根嚢胞。 X線所見においては、小型で境界明瞭な根尖周囲の透過像を示し、原因歯は失活歯で、歯根吸収が見られることがある。 歯根側が棒人間の頭の方とすると、歯は棒人間の体

鼻口蓋管嚢胞(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類 Ⅰ 顎骨に生じる嚢胞  1.鼻口蓋管嚢胞   1)切歯管嚢胞   2)口蓋乳頭…

術後性上顎嚢胞(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類  Ⅰ 顎骨に生じる嚢胞   2.術後性上顎嚢胞 上顎洞炎(蓄膿症)の根治手…

単純性骨嚢胞(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類  Ⅰ 顎骨に生じる嚢胞   3.単純性骨嚢胞 顎骨内に見られる単胞性の嚢胞…

動脈瘤様骨嚢胞(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類  Ⅰ 顎骨に生じる嚢胞   4.脈瘤性骨嚢胞(動脈瘤様骨嚢胞) 多房性の嚢胞…

静止性骨空洞(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類  Ⅰ 顎骨に生じる嚢胞   5.静止性骨空洞 まれな下顎骨の発育異常  X線…

類皮嚢胞と類表皮嚢胞の異同(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類  Ⅱ 軟部組織に発生する嚢胞   1.類皮嚢胞・類表皮嚢胞 類皮嚢胞と類…

甲状舌管嚢胞(非歯原性嚢胞)

非歯原性嚢胞の分類  Ⅱ 軟部組織に発生する嚢胞   4.甲状舌管嚢胞 病因・・・甲状腺と舌盲孔(舌上部の後ろの方)との間に生じる,胎生期の甲状舌管の遺残に由来 病理学的所見・・・裏装上皮は、重層扁平上皮          嚢胞壁は、炎症に乏しい線維性結合組織 、迷入した甲状腺組織 (扁平上皮癌,乳頭状腺癌が発生する可能性がある)