徹底追及第4弾! あなたは疑惑の総合デパート、総合商社ですよ!
立憲民主党の小川淳也の勢いが止まらない。
知名度も人気も、党代表の泉健太をはるかにしのぎ、今や立憲民主党の顔ともいえる存在だ。
小泉今日子やダイアモンド☆ユカイまでもが、小川淳也を支持している。
数年前まで無名だった政治家が、なぜこれほど急に知られるようになったのか。
そこには、小川淳也をヒーローに祭り上げた礼賛本の存在があった。
『本当に君は総理大臣になれないのか』(講談社現代新書)。
書いたのは、中原一歩というノンフィクション作家である。
だが、この御仁。
ピースボート共同代表という経歴を隠して、報道にたずさわってきたというから驚きだ。
それだけではない。
中原一歩の筆にかかれば、詐欺師でさえヒーローになるというから、さあ大変――。
やらせとステマの『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』
2011年3月11日。
東日本大震災が発生。
中原一歩は「週刊誌『AERA』の派遣記者のひとりとして、大震災発生直後から石巻市に入って取材を続けていた」という。そして、5月23日号の『AERA』に「ボランティアの理想と現実 熱意を形にする仕組み」という記事を発表する。
前回の記事で検証したように、中原一歩は2008年までピースボートにいたことが確認できる。しかも共同代表という肩書である。ピースボートには特定の代表者がいないため、共同代表といえば運営のトップである。
だが、『AERA』の記事ではその経歴に一切触れていない。
中原一歩によるこの記事では、二人のヒーローが登場する。
一人目は、ピースボート共同代表(当時)の山本隆。
震災直後に石巻市に入り、全国から集まるボランティアを統括する組織「NPО・NGО支援連絡会」を設立した。
だが、中原一歩と山本隆は、2001年にピースボート共同代表としてイスラエル・パレスチナ「空爆停止街頭アピール」を行っている。つまり、元同僚で旧知の間柄である。
元共同代表の中原一歩が、当時・共同代表の山本隆の活躍を称賛しているのだ。これが公正なルポルタージュだと言えるだろうか。
また、このような経歴の人物を「派遣記者」とし、記事を書かせた雑誌『AERA』はメディアとして公正だろうか。
二人目のヒーローは、石巻市で建設会社を経営していた伊藤秀樹。
「社団法人石巻青年会議所(JIC)」の元理事長であり、「市との間に太いパイプ」がある伊藤秀樹は、「NPО・NGО支援連絡会」に出入りし、行政との折衝などを担当するようになる。
4月2日。
伊藤秀樹は、「単なる団体間の連絡調整の場にとどまらず、石巻の復興に責任を持とう」と提案し、「連絡会」の名称を「石巻災害復興支援協議会」に変更し、自分が会長となる。
一方、ピースボートは4月19日に「一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター」を設立し、代表理事に山本隆が就任する。(2019年10月に団体名称を「ピースボート災害支援センター」へ変更)。
この二人のヒーローを、亀山紘市長が支援する。
石巻専修大学の校舎の一部を開放し、ここを「石巻災害復興支援協議会」の拠点とする。
市長が責任者を務める市の災害対策本部会議に、伊藤秀樹や山本隆を出席させ、ボランティアと自衛隊の連携も実現させる。
これらのことをして、中原一歩は「奇跡の災害ボランティア」「石巻モデル」と称賛するのだ。
2011年10月13日。
中原一歩は記事に加筆して『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』(朝日新書)として刊行。版元は朝日新聞出版である。
中原一歩のデビュー作となったこの本は、山本隆が代表理事を務める「ピースボート災害支援センター」のサイトで今も宣伝されている。
伊藤秀樹もまた「ピースボート災害支援センター」が主催するイベントにたびたび参加していた。
https://pbv.or.jp/blog/?p=14794
https://pbv.or.jp/blog/?p=320
2012年
3月5日 中原一歩は伊藤秀樹のインタービュー記事を雑誌『AERA』に発表。
3月7日 書籍の韓国翻訳版が出版される。
だが、このあと事態は一変する。
石巻市議会で、ある疑惑を調査するために「百条委員会」が設置された。
伊藤秀樹が、復興事業の補助金2億円を、チョロまかしていたというのだ。
詐欺師を石巻のヒーローに祭り上げた中原一歩
2012年3月。
東日本大震災から一年。
中原一歩によってヒーローに祭り上げられた伊藤秀樹だが、地元での評判は良くなかった。
「ボランティアを使ったガレキ撤去作業で儲けている」
その声を受けて、石巻市議会が調査に乗り出す。
5月には調査特別委員会(百条委員会)が設置される。しかし、伊藤秀樹が調査に協力しなかったため、市議会は警察に告発した。
2014年10月30日。
伊藤秀樹は、震災がれき処理の詐欺容疑で逮捕。
その後、一審で懲役4年の実刑判決を受ける。
2017年11月1日。
仙台高裁は懲役4年とした一審判決を支持し、伊藤秀樹の控訴を棄却。
石巻市から5700万円余りをだまし取った詐欺の罪が確定。
「Asagei plus」(2012年11月5日)の配信記事によれば、その手口は次のようなものだ。
「石巻災害復興支援協議会」(協議会)の会長となった伊藤秀樹は、市から依頼を受ける形で復興事業に関与する。
だが、「藤久建設」社長でもある伊藤秀樹は、日本財団から「協議会」に無償貸与されたトラックやダンプカーを「藤久建設」で流用する。
ボランティアを総動員してガレキ撤去をやらせ、それを「藤久建設」が請け負った事業として石巻市に水増し報告し、補助金をだまし取っていた。
さらに記事では、伊藤秀樹が「市の職員の指示に従ってやっただけ」という趣旨の発言をしているという。
伊藤秀樹の身内にはベテランの県会議員ががおり、亀山紘市長の支援者で、市政にも強い影響力を持つ。中原一歩も、伊藤秀樹には「市との間に太いパイプ」があると書いていた。
この詐欺事件が「太いパイプ」によるものだとすれば、これは石巻市政の闇である。
「Asagei plus」(2014年3月18日)は、次のように報じている。
中原一歩は、この伊藤秀樹に密着取材していたのである。『AERA』に記事を書き、本にまでしたのである。事件が公になる直前まで会ってインタビューしているのである。
だが、メディアでの報道が始まると、中原一歩は伊藤秀樹の名を口にしなくなる。
石巻にも震災ボランティアにも触れなくなる。
この後に、銀座の高級てんぷら屋の主人・近藤文夫の本を出すのである。
なにが「ノンフィクション作家」か。
「石巻モデル」震災ボランティア美談の真相
ウソ、大げさ、まぎらわしい。
中原一歩劇場、自分語りの猿芝居。
中原一歩が美談に仕立てた「奇跡の災害ボランティア」。
その実態は、「石巻モデル」詐欺事件。
悪人が跋扈したその実態を、他のメディアの報道からまとめておこう。
https://blog.canpan.info/sasakawa/archive/3500
ボランティア美談「石巻モデル」は犯罪モデル
被災地を救うボランティア。
中原一歩はそれを美談に仕立て、ヒーローに祭り上げた。
だがその正体は、金と欲にまみれた犯罪者。
こんな話に、どこか見覚えはないだろうか。
「大雪りばぁねっと。」の事件もそうだった。
岩手県山田町から、東日本大震災で避難した被災者の雇用創出事業を委託されたが、ずさんな運営が明らかになり、旭川市、岩手県、山田町を巻き込んだ騒動となった。
2014年2月4日に、代表の岡田栄悟が業務上横領容疑で逮捕、懲役6年の実刑判決を受け、確定した。
また、石井光太が『遺体―震災、津波の果てに』で、ヒーローとして祭り上げた千葉淳もそうだった。西田敏行の主演で『遺体 明日への十日間』という映画まで作られ、『情熱大陸』に出演するなど大活躍。
だが、十代少女への強制性交容疑で逮捕された。
石井光太が、今もジャーナリストとして活躍できているように、中原一歩もこのまま何の責任も取ることなく活躍できるのであれば、ジャーナリストとはなんと気楽な商売か。
あっと驚く経歴詐称の錬金術
中原一歩はピースボート共同代表という経歴を隠してマスコミに潜り込み、雑誌『AERA』で記事を書いた。
すると今度はこの経歴を利用して、ピースボートのイベントに出演。
ピースボートのイベントでは共同代表という経歴を隠し、「雑誌AERAなどのフリーライター」「アエラ記者」といった肩書を使いまくる。「派遣記者」として一回記事を書いただけで。
フリーライターにとって「AERA」はブランドなのだ。
まさに経歴ロンダリング。
フリーライターとして読者をだまし、ピースボートではお客さんをだましているのだ。
中原一歩は「石巻モデル」の記事と単行本で文名を上げ、銀座の高級てんぷら屋で、てんぷらを食いまくる。
杉田水脈が見たピースボートの実態
2011年3月11日。東日本大震災。
ピースボート共同代表(当時)の山本隆は石巻市に入り、全国から集まるボランティアを統括する組織「NPО・NGО支援連絡会」を設立した。
しかし、この組織はひと月もしないうちに伊藤秀樹が会長となり、名称も「石巻災害復興支援協議会」に変更される。
4月19日。
ピースボートは新たに「一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター」を設立し、代表理事に山本隆が就任する。
ピースボート共同代表の吉岡達也も理事に名を連ねる。その後、団体名称を「ピースボート災害支援センター」に変更し、今も活動を続けている、
この組織について、杉田水脈は次のように書いている。
杉田水脈は何かと問題のある政治家だが、それならなおのこと、これが誤報であれば中原一歩は訂正を求めるべきであろう。
「ノンフィクション作家」という名のファンタジー作家
ウソ、大げさ、まぎらわしい。
中原一歩劇場、自分語りの猿芝居。
中原一歩がいかにして詐欺師をヒーローに祭り上げたか、その手口をご覧いただこう。
以下はすべて、名作『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』(朝日新書)からの引用である。(人名補足は筆者)
「まえがき」は、『AERA』の記事と同じく次のように書き出される。
それから、伊藤秀樹は参加するボランティア団体の調整役として活躍するようになる。
世界よ、これが中原一歩ノンフィクションだ!
中原一歩はいったい石巻で何を見ていたのか。
一介の建設業者社長が、巨額の補助金をチョロまかすことができたのは、中原一歩が称賛した「石巻モデル」により、行政の利権に食い込むことができたからだ。
それを後押ししたのは中原一歩らによるマスコミ報道である。
嘘八百のボランティア美談。
教訓として、『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』(朝日新書)は、今こそ広く読まれるべき名作である。
なにが「救世主」じゃ、ボケ。
ピースボートの「石巻だよ!全員集合」
「あなたは疑惑の総合デパート、総合商社ですよ!」
2002年3月11日。
衆院予算委員会で証人喚問された鈴木宗男に、辻元清美はそう言い放った。
アフガン会議からNGО代表が排除された問題に鈴木宗男が関与したとされ、その後も海外利権疑惑などが浮上したことから、証人喚問となった。
鈴木宗男はこれを国策捜査、冤罪であると主張しており、辻元清美が追及した疑惑では起訴されなかった。だが、当時のメディアは辻元清美をジャンヌダルクのように報道した。
鈴木宗男は今も「辻元清美を絶対に許さない!」と書くほどの因縁の間柄だ。
(「ムネオ日記」月刊Hanadaプラス 2021年11月04日)
私も、こべに軍団を絶対に許さないと思っているので、鈴木宗男の気持ちは痛いほどよくわかる。
この鈴木宗男が関与したとされる「NGО参加拒否問題」に、猛烈に抗議したのが辻元清美らが設立したピースボートである。
当時、ピースボート共同代表だった中原大弐(のちの中原一歩)は、外務省に公開質問状を送るなどの抗議活動を展開した。さらに外務省の自粛要請を無視してロシアが実効支配する国後島へ上陸。北朝鮮にも渡航した。
そのゴリゴリの左翼活動家が、名前を変えてマスコミに潜り込み、ノンフィクション作家を名乗って記事を書くようになったのである。
まるで工作員ではないか。
中原一歩『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』(朝日新書)の「あとがき」には、次のような謝辞が述べられている。
「フォトグラファーの上野祥法」は、ピースボートでクルーズ・ディレクターをしていた。震災当時は、平野悠が経営するロフトプラスワンのスタッフだった。その後、「レイシストをしばき隊」としても活動する。
人権派弁護士の神原元も「しばき隊」に関わっており、その妻が中原一歩と共に外務省への抗議活動を行った土井香苗である。
ロフト創始者の平野悠もピースボート世界一周クルーズの乗船者である。震災当時のことを、ブログで次のように書いている。
https://twitter.com/900dohc/status/489397781237207040
https://twitter.com/900dohc/status/678615367191683072
上野祥法(よしのり)が石巻市に入ったのは、震災三日目だという。
(「ロフトラジオ」「3.11 東北大震災 -その時ロフトはどう動いたか?-」(2015年3月5日)による)
2011年3月11日。東日本大震災。
ピースボート共同代表(当時)の山本隆が石巻でボランティア。
元ピースボートのクルーズ・ディレクター上野祥法(よしのり)が石巻で写真撮影。
中原一歩が雑誌『AERA』の派遣記者として石巻に入り、山本隆に密着取材し、上野祥法が撮影した写真を著書に掲載。
中原一歩の著書が「ピースボート災害支援センター」(代表理事・山本隆)のサイトで宣伝される。
偶然にしては出来過ぎていないか?
中原一歩と浜田敬子が日本をアカに染める
雑誌『AERA』に中原一歩を起用したのは、当時の副編集長・浜田敬子である。
朝日新聞の元記者。週刊朝日編集部のあと、『AERA』編集部へ。2014年には編集長になる。
現在はジャーナリストを名乗って、オンライン経済メディア「ビジネス・インサイダー・ジャパン」統括編集長に就任。
テレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」、TBS「THE TIME,」、「サンデーモーニング」のコメンテーターとしてお茶の間にもおなじみのあの女性だ。
辻元清美と親しく、最近でも次の記事が注目を集めた。
浜田敬子は、中原一歩の経歴詐称を知っていたのか。
たとえ知らなかったとしても、今知ったのだから、それをどう思うか。
石巻の詐欺師をヒーローに祭り上げた責任をどう取るのか。
小山田圭吾についても、浜田敬子は「ビジネス・インサイダー・ジャパン」で中原一歩の記事を有料配信した。
その中で、中原一歩は次のように語っている。
「一番の責任は出版社や雑誌の編集部にあるだと?
震災ボランティア美談をでっち上げたおまえらが、どの口でそれを言うのか。
中原一歩が『AERA』に書いた記事と、朝日新聞出版が出した本がいかにデタラメだったか検証するのが先である。
また、中原一歩は、次のようなジャーナリズム論を口にする。
経歴詐称にも、震災ボランティア美談のヨタ記事にも、これまで一切答えていない自称ノンフィクション作家が、ずいぶん立派なことをいうものである。
これだけの大口を叩いたのだから、「署名記事で飯を食っているプロのライター」としての責任の取り方を、とくと見せてもらおうではないか。
このまま何も言わず逃げ回るのであれば、むしろ詐欺師は、中原一歩の方だったということにもなりかねない。
浜田敬子が「AERA」で世に放った中原一歩は、今や立憲民主党の小川淳也に取り入って政治をも動かす公人となった。
「AERA」は、今も中原一歩に政治ルポを連載させている。
ピースボート共同代表という経歴を隠したままで。
その影響力は多大なるものがある。
中原一歩と小川淳也の共著『本当に君は総理大臣になれないのか』を出した講談社の罪も重い。出版記念イベントと題して「小川淳也チャンネル」(YouTube)で、衆院選挙前に3回のインタビュー動画配信を行っている。
あきらかな選挙応援である。
政治に関わるジャーナリストとして、こんなことが許されるのか。
和田靜香というライターも『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』という便乗本を出した。
和田靜香は作詞家の湯川れい子のアシスタントだった。湯川れい子はピースボートの「水先案内人」である。
中原一歩は和田靜香と一緒にトークショーを行い、小川淳也の選挙応援をした。
小泉今日子は和田靜香の本をテレビで紹介し、小川淳也の選挙応援にかけつけた。
ウソ、大げさ、まぎらわしい。
中原一歩劇場、自分語りの猿芝居。
経歴詐称の工作員。
いつまで中原一歩にだまされ続けるのか。
ピースボートの友達の友達はみな友達だ。 世界に広げよう、左翼の輪!