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同じ時間を楽しみ、互いに感謝する

学校法人電波学園
東海工業専門学校金山校 建設学部土木科長
鈴木 将仁 先生

土木・測量業界もDX化の時代

なぜ東海工業専門学校金山校へ?


「高校生の時は、電気電子系の大学をめざしていました。大学受験は大変でなかなか高いハードルでした。それで、父親が土地家屋調査士であったこともあり、でっかいものを作りたい!という思いから土木・測量を考えるようになりました。当時、愛知県で測量が学べる学校は2校。そのひとつが東海工業専門学校(現:東海工業専門学校金山校)でした。入学の決め手は、入学試験のときに私服で受験に行ったら、当時の教務部長の先生に試験前であるにもかかわらず「面接試験があることは分かっているのに私服で来校するとはどういうことか」と叱られたこと。その時、きちんとダメなことはダメと叱ってくれる良い学校だと感じました。入学後は、必死に勉強しました。普通科高校出身だったこともあり、教科書はすべて初めて見るものばかり。もちろん測量機器も初めて手にしました。どうしてもわからないことがあり使用方法を職員室へ聞きに行った時、親切に1時間かけて丁寧に教えてくださる先生がいて、新入生の自分にこんなにしっかりと教えてくれるなんて、なんて良い学校だと感動しましたね」

なぜ電波学園へ?


「就職活動へ臨む際、『自分は大学生には絶対に負けない自信がある、ここで学んだ土木・測量の知識と技術を十分に生かせる職場を紹介して欲しい!』とクラス担任の先生に頼みました。そうしたら、ここしかない!と本校の教員になることを勧めてくれたんです(笑)。入学試験で叱っていただいた教務部長の先生が普段はものすごく穏やかでメリハリのある先生であったことや、他の先生方も同様に尊敬できる人が多かったこともあり、担任の先生の言葉を信じて奉職を決めました」

わかるまでしっかり指導


土木・測量の魅力を伝えたい!


「土木・測量分野は、年々高校生の志望者が減少しており、進学相談会の希望調査においても人気が高いとは言えない。だからこそ、土木の魅力を伝えるのも教員の仕事だと思います。入学してくれた学生が、意欲が無くなり退学してしまうのは悲しいし、卒業して土木業界へ就職したOBが仕事を辞めてしまうのはもっと悲しい。自分は今まで、失敗は無いと思って教員を続けてきました。自分が失敗したと思ってしまったら、それは学生に失礼だと。彼らの進路を預かる以上、こちら側は最適な教育を行っているという自信を持っていなければいけません。そうした自分の思いがあるからこそ、多少のトラブルはそれを糧に挑戦することで楽しくなることを学生に教えています。土木・測量は専門知識と資格が無ければ出来ない仕事です。その誇りとやりがいをしっかりと伝えていきたいですね」

自分に合った“いいかげん”


「楽しんで学校生活を送って欲しいし、その中でやらなければいけない時には一緒に努力していきたい。自分のスタンスは何十年も変わっていません。
それぞれの個性に合った進路を在学中に見つけ、卒業しても「楽しい」と思える進路を選んで欲しいと思っています。悩みや迷いを乗り越えていくためには“いいかげん”さも必要。良くも悪くも、考え過ぎず、悩み過ぎず、自分に合った「良い加減」を見つけ出して丁度いい立ち位置を見つけて欲しい。苦しいばっかりより適度に楽な方がいいですよね。
それに自分が悩んでいる姿は学生に見せたくない。なぜなら彼らが不安に思うから。学生たちは敏感ですよ。彼らに余計な気を使わせたくない。だから、職員室で嫌なことがあっても、笑顔で教室に行きます。自分の悩みは彼らには関係無いから。思い詰めず、適度に思いきる。そんな“いいかげん”がモットーです。」

学生の前では常に元気に!

人生の『おめでとう』とは


「普通、卒業生にはおめでとうと言いますが、僕は言わない。だって、彼らは今まで、学校や家庭から守られて生きてきたんです。それが、卒業して社会に出れば、周りは敵だらけ。自分の居場所は自分で作らなくちゃいけない。ちっともめでたくない(笑)。めでたいのは結婚式くらいですよ。
卒業後、何年も会っていない教え子の結婚式に呼ばれることも多々あります。多い時は、月に1回(笑)。
遠くは沖縄県。沖縄には測量を学んだ学生が多く、自分が担任した卒業生はたくさんいます。沖縄県で、測量や工事現場で働いている人に「東工専!」※と呼び掛けると何人かはこちらを振り返るんです(笑)。それくらい、沖縄県には東工専の卒業生が多いんです。実は、今年から県人会の沖縄県担当になりまして、企業訪問などで沖縄県へ行く機会が増えるので、彼らに会うのが楽しみです。
卒業後、何年も音信不通のOBから突然、電話があり、先生、いついつ空いてる?って。何でって聞くと、結婚するから来賓で来てよって。高校の恩師でなく、自分が?と思うこともあります。でも、自分が彼らの人生の中に残っているって思うと断る理由は無いですよね。だから、卒業式ではなく、結婚式のときにおめでとうって感謝を込めて言ってます。」
※東工専:東海工業専門学校金山校の略称、「TOKOSEN」とも表記される。

教え子の結婚式にて


卒業後にも「ありがとう」と言ってもらえること


「教員の仕事は『入学から卒業まで』ではないと思っています。学生時代にやんちゃだった学生が、卒業後に学校に遊びに来てくれて、『あの時は叱ってくれて感謝してます』と言われると、驚きますよ。卒業式で『ありがとうございました。お世話になりました』は普通の光景です。でも、卒業後、何年も経ってですよ。しかも大概、結婚の報告の時に(笑)。当時は苦労したけど今となってみれば楽しかったなってお互いに肩を組んで笑い、感謝できたときに『やっててよかった』と感じます。
この仕事は自分にとって天職であると思います。土木・測量の魅力を伝え、後進を育て、卒業後も慕ってくれる。振り返れば、就職活動時に志望していた『学んだ知識と技術を生かせる職場』ですね。今となっては上司ですが、当時の担任の先生の見る目はさすがだなって(笑)」


いつでも笑顔で楽しく!


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