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超!個人的に大好きな名盤10選~邦楽編~


まずは前置きを。
「そんなんどうでもいいわ」って方は飛ばしちゃって構いません。

昨今、noteだったりブログだったりと、色々な場所で、色々な方が、色々な音楽を紹介されてますよね。そういうのを読むのが好きなんですけど、その理由は"自分の知らない未知の音楽"と出会えるからなんですよ。その人の至極個人的な思い入れや、趣味嗜好が色濃く反映されたレビューが好きなんです。そもそも音楽って、思い出補正とか個人的な感情が強く現れるものだと思うので。あくまで個人的にですけど。
で、「そういうのを好きな人が私以外にもいるんじゃないか?」と思って、「じゃあ僕も書いておこう!」ということでこれを書いている訳です。
なので、今回僕が紹介する10枚もそんな感じで個人的趣味バリバリのものになってます。あと、あくまで10選なので順位とかはありません。
そこらへんを踏まえて、どうか温かい目でご覧ください。

ではでは、前置きはこれくらいにして10枚紹介していきます!

1.さよならポエジー 「前線に告ぐ」

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僕が今1番好きなバンドかもしれない。

神戸発のスリーピースバンド「さよならポエジー」。彼らが2016年に発表した1stアルバムがこの「前線に告ぐ」です。
とりあえず曲を聴いてみてください。

どうですか!
作詞作曲を担当しているのはVo&Gtのオサキアユさんなのですが、この歌詞が本当にすばらしい。アユさんの歌詞には文学的で難しい言葉が多いんですが、確かに日常に寄り添ってくれていて、生活の中で等身大で藻掻いているような、本当に彼にしか書けない歌詞だと思います。
もちろん音も本当に最高。ナンバガ的なギンギンなギターにアユさんの歌詞が乗っかって心に突き刺さってきます。
どれも素晴らしい楽曲で、個人的超オススメです!
ちなみにアユさんサブスクにはあまり好意的じゃないようなので、それにはあまり期待せずに盤を買おう!最高だぞ!



2.宇宙コンビニ 「月の反射でみてた」

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「マスロック」と「ポップ」を掛け合わせた唯一無二の美しさを持つ名盤。

「マスロック」って何?って人も多いと思います。日本だと「the cabs」や「toe」あたりが有名どころだと思いますが、決して知名度のあるジャンルとは言えないでしょうね。僕には説明難しいんでWikipedia先生にお願いしましょう。

”ロックの一種。キング・クリムゾンやスティーヴ・ライヒらの影響を受けた複雑で変則的なリズム、ギターを中心とした鋭角的なメロディや不協和音などが特徴”

引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

っていうことで、まあポップとはだいぶ離れたジャンルなんですよね。でもマスロックにしかない魅力っていうのもたくさんあって、それを見事にポップにしてしまったのが宇宙コンビニなんです。
まあ聴けばわかるでしょう。

美しい…そしてギターうまっ!って思いませんでした?
スリーピースでこの空気感を生み出せるのは、バンドのキーパーソンでもあるギターの「だいじろー」さんの実力があってこそでしょうね。
聴いて頂いて分かるように、マスロックらしい変拍子ありまくりな曲なんですけど、それが最大限ポップに生かされてるんですよ。そこに「えみちょこ」さんの澄んだ声が乗って、本当に息を呑むほどに美しい音楽ですよね。

これは2ndアルバムなんですが、1stも名盤なので、これを聴いていいなと思ったらぜひ1stも聴いてみて下さい。きっと同じぐらい感動すること間違いなしです。

ちなみに、現在だいじろーさんは「JYOCHO」というバンドで活動しています。イメージ的には宇宙コンビニよりもスケールが大きくなった感じですかね。「sugoi kawaii JYOCHO」という曲がすさまじいのでよければ聴いてみてください。



3.毛皮のマリーズ 「Gloomy」

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俺みたいな暗い奴らはみんな聴け!俺たちに向けられたロックだぞ!

今回の10枚の中では比較的有名なんじゃないかと思いますがどうでしょうか?
現在はドレスコーズとして活動している志磨遼平が組んでいたバンド、毛皮のマリーズが2009年にインディーズで最後に出したアルバムです。
とりあえず聴いてみてください。

あー…いい曲だなぁ…
2019年、このアルバムの発売10周年記念でアナログ盤が発売されることになった際に、志磨遼平はこうコメントしています。

 ”この作品が生まれた10年前の2009年は、ぼくらにとって激動の1年でした。小さなライブハウスには入りきらなくなったフアンと共に、大きな野外フェスやメディアに取り上げられるようになった一方で、ソングライターであるぼくの鬱病はますますひどくなり、新曲制作はおろかメンバーやスタッフとの交流すらままならないといった状況が一年ほど続いていました。
 唯一の「命綱」だった音楽すら信じられなくなり、窮地に追い込まれたぼくが選んだ最後の手段は、音楽なんて大嫌いだ、ロックンロールなんて大嫌いだ、毛皮のマリーズなんて大嫌いだ、という憎しみを、また音楽へと還元することでした。
 <Gloomy=暗い、陰鬱な>というタイトルの本作は、同じような気分を抱えた若者にとっての解毒剤のようなものになり得たのかもしれません。
 この作品をすべての暗い若者と、かつてのぼくらに捧げます。”

引用:毛皮のマリーズ、“すべての暗い若者と、かつてのぼくらに”3rdアルバム『Gloomy』アナログ盤リリース

最後の一文、「この作品をすべての暗い若者と、かつてのぼくらに捧げます。」この言葉にこのアルバムの全てが集約されているんじゃないだろうか。どの曲も、志磨遼平のやけくそになって歌ってる感じがいいんですよ。
僕も相当根暗な人間なので、このアルバムは自分にとっての、そしてすべての暗い若者にとってのアンセムが詰まってるんじゃないかと思います。

おまけに、このアルバムの曲ではなくなってしまうんですが、僕が毛皮のマリーズで一番好きな曲も貼っときます。毛皮のマリーズは本当に名曲が多いんですが、この曲は本当に特別です。



4.Bluebeard 「Bluebeard」

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「ジャパニーズエモ」の金字塔!エモが好きなら絶対聴け!そうじゃなくても聴け!

エモっていうジャンル自体は結構有名だと思います。日本だったら「bloodthirsty btchers」や「eastern youth」とかがエモに属するとされていますね。エモというジャンルは「ハードコア・パンク」がルーツにあるので、「激しくて、とにかく暑苦しい」みたいな音楽をイメージするかもしれませんが、Bluebeardは少し違います。
とにかく聴いてみてください。※爆音推奨!!

どうですか?めっちゃ美しいですよね!そして熱い!!!
これだけ歪みまくったギターなのに、こんなにも美しいバンドアンサンブルを奏でている。とてつもないバランスで出来ている音楽だなと感じさせられます。それには、Gt&Voである高橋良和さんの力強くも伸びやかなボーカルの力も大きいですね。

個人的には、1曲目、2曲目、3曲目の流れがヤバいです。これ以上なくエモいです。僕はこれ程までに美しくて、これ程までに熱くなる音楽は他に聴いたことがありません!この1枚だけで解散してしまったのが本当に悲しい!



5.CARRY LOOSE 「CARRY LOOSE」

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マジでライブ行きたかった!超悔しい!

今回紹介する中で一番個人的な趣味だと思います。
皆さん「BiSH」というアイドルグループは知っていますかね?ここ数年でとても有名になったので、知ってる方も多いんじゃないかと思います。BiSHは、「WACK」という事務所に所属していて、CARRY LOOSEもそのWACKに所属するグループの一つでした。
2019年9月に結成し、同年10月22日に1stアルバム「CARRY LOOSE」が発売されました。2020年2月11日には1stシングルも発売し、これからが頑張り時だ、という時に来たのが”コロナ騒動”でした。
当然予定されていたライブは全部中止。なんとか活動を続けようと、メジャーデビューできるまで4人で共同生活をする様子を24時間配信するという企画を始めたものの、メジャーデビューが決まることはなく、同年10月31日、解散することが発表されたのでした。
CARRY LOOSEに対していろいろ想いはありますが、あくまで音楽について語る記事なので、そろそろ楽曲について触れていきたいと思います。
あっと、その前に一つだけ。実は、メンバー4人中3人が過去にグループの解散を経験しているという、なかなかに苦労人なグループなんですよ。そういった背景を知った上で聴いて頂くと、曲の感じ方も変わるかと思います。アイドルソングの良さはそういうストーリーがあることだと思うので。
では曲を。

色々書きましたが、そういった背景とかを抜きにしても単純に良い曲だと思います。
アルバムの他の曲は、よりパンク感が強いので、「銀杏BOYZ」が好きな人とかは、このアルバムも良いアルバムだと感じてもらえるかもしれません。
BiSHも楽曲の良さには定評があるので、これがいいなと思ったらBiSHも聴いてみてはいかがでしょうか。BiSHは解散してないので悲しくならないですしね。。゚( ゚^∀^゚)゚。



6.DIALUCK 「A First Aid Kit」

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個人的に一番好きなガールズバンドです!

皆さんはガールズバンドっていうと何を思い浮かべますかね?
「チャットモンチー」「SCANDAL」「SHISHAMO」「リーガルリリー」
などなどいっぱいいますよね。
調べてて思ったんですけど、ガールズバンドってギター歪ませてジャカジャカ掻き鳴らすタイプのロックバンドが多い気がしますね。そういう見方をしてみると、DIALUCKはそれらとは一線を隔す音楽をやっているような感じがします。
そんじゃ、とりあえず聴いてみてください。

これまで、なんでこのアルバムがこんなに好きなのかうまく説明できなかったのですが、少しわかった気がします。
ガールバンドに限らず、他のバンドにはない独特な浮遊感のあるサウンドに自分はハマってたんですね。
そして何よりもGt&Voのハルさんのこの声ですよね。かわいいですよねこの舌っ足らずな感じ。小さい女の子が気怠げに歌うこの感じすごく好きです。他の曲も全体的に結構暗めで、それがまたすごくイイんですよ。

実は、DIALUCKは2018年10月に活動休止してたのですが、2020年5月に活動を再開しました。LUCKY TAPESとコラボしたり、新メンバーが加入したりと、これからの彼女たちに注目せざるを得ませんね!



7.王舟 「Wang」

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晴れた日曜日の朝、散歩しながら聴きたい。

全編通して、生楽器によるアコースティックなサウンドで、ハッピーな音楽が溢れている、とても気持ちがいいアルバムです。
ともかく聴けばわかる。

ハッピーなサウンドで爽やかな朝って感じがしますよね。
でも、個人的にはただただハッピーって感じでもないと思うんです。なんというか、色んな苦難とか悲しみを乗り超えて辿り着いたハッピーエンドっていう感じがするんですよね。と言っても別に暗いわけじゃなくて、ただのハッピーじゃない、「王舟」にしかない深みを感じるっていうことですね。すごく感覚的な話ですけど。
このアルバムは、心の体重を深くかける必要がないので、すごく気楽に聴けるのもいいところ。なので、聴いてる回数でいうと今回の10枚の中で1番多いかもしれないです。ボーカルの気怠げな歌い方もクセになって何回も聴きたくなっちゃいます。

ちなみに僕が王舟で一番好きな曲は、2ndアルバムに入ってる「愛があって」という曲です。いつかのバナナマンライブで、EDテーマに使われていた曲でもあります。まさに悲しみを乗り越えてたどり着いたハッピーエンドって感じで大好きです。



8.台風クラブ 「初期の台風クラブ」

初期の台風クラブ

今60s,70sのロックンロールを奏でる京都の兄(あん)ちゃんたち。

僕はやっぱりロックが好きなんです。中でも「ガレージロック」が好きで、日本なんかだと「ミッシェルガンエレファント」がそうだし、洋楽だったら「The Strokes」っていう最高のバンドがいて、どっちも大好きです。特に「The Strokes」の1stアルバム「Is This It」は、2000年代に60s,70sのガレージロックをとんでもない完成度に昇華させた大名盤なんです。
なんでこんな話をしたのかというと、台風クラブもそのようなことをやってるんですよ。
どんなのかっていうと、こんなのです。

これぞロックンロール!って感じですよね。
このカラっとしたサウンドに、気怠げで退屈そうな、それでいてどこか人懐っこいようなボーカル。この最小規模の構成に、ガレージロックの魅力がギュっと詰まってる!って感じがします。

メロディがすごく好きで、気怠げなボーカルと合わさって、黄昏を感じさせる空気感が、何度でも聴きたくなってしまいます。このアルバムも何回聴いたことか…。
全曲聴いても33分っていう短さもすごく良い。「ポップミュージックにとって短さは重要」ってスカートの澤部渡さんがどっかで言ってた記憶があります。僕もそれは大きな要素だと思います。

台風クラブは、皆さん仕事をされながらバンド活動もされてる方たちなので、メジャーバンドほど活発に活動はされていませんが、そのゆったりした感じも彼らの魅力なんじゃないでしょうか。



9.猫叉Master 「さよなら世界」

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生命たちの喜びを、終わりゆく世界で。

「猫叉Master」こと「佐藤直之」さんは、コナミデジタルエンタテインメント所属の音ゲー作家さんです。「pop'n music」とか「beatmania」とかをやったことある方なら知ってるんじゃないでしょうか。正直、僕は音ゲーそんなに詳しくないんですけど、「サヨナラ・ヘヴン」というすごく有名な曲があって、それで猫叉Masterさんを知りました。
これです。

この民族音楽的なサウンドが、僕が想像するような所謂音ゲーとは全然違って、とてもいい曲だなぁと思ったんです。そこから猫叉Masterさんがアルバムを出されていることを知って、初めて買ったのがこの「さよなら世界」でした。
とりあえず聴いてみて!

「さよなら世界」というテーマはとても悲しそうに聴こえます。でもこのアルバムは、それを悲しく受け止めるのではなく、むしろ喜びに溢れたアルバムになっているのです。言うなれば、「生きとし生けるものすべての、生命への喜び」とでも言いましょうか。テーマは悲しいのに、聴こえてくる音はどれも踊っていて、とても幸せそうに命を謳歌しているんです。
ぜひアルバムを通して聴いてもらいたいです。



10.踊ってばかりの国 「君のために生きていくね」

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人生で聴いてきた音楽の中で一番好き!

ついにラスト!
10枚目に紹介するのは僕が人生で一番好きな曲が入っているアルバムです。とにかくその曲を聴いてほしい!そして、このバンドはぜひライブで見てほしい。もちろんスタジオアルバムも素晴らしいのだけど、ライブが本当に最高過ぎるので。
ということで、ぜひこちらをお聴きください。

初めて実際にライブに行って聴いたとき、2番終わりの丸山康太さんのギターに”やられました”。本当にこれが”やられる”ってことなのかな、と初めて感じましたね。かっこいいとか感動するとかそういう言葉では表せられないです(ただ僕に語彙力が無いだけかもしれませんが…)。

そしてこの曲、半分以上アウトロなんですよ。聴いてて驚きましたか?でもそれが最高にカッコイイ!痺れまくりです!
音楽において歌詞ってすごく重要なものではあると思うんですけど、でも音楽って、"音を楽しむ"って書いて"音楽"ですからね!ってものすごく使い古された表現をしてしまいましたが…でも本当にそうだと思います。
つまりは、「音を楽しめ!考えるな!感じろ!」ってことです。

おっと、この曲が好きすぎるあまりアルバムについて言及できていませんした。他の曲も素晴らしいものばかりです。踊ってばかりの国は、一度大きくメンバーが入れ替わってまして、その時にギターが増えてトリプルギターという珍しい体制になりました。そんな大きな変化を迎えてから、初めて出したアルバムがこの「君のために生きていくね」なのです。

本当に優しい歌を歌うバンドですよね。心からの本当の気持ちをさらけ出して歌ってくれる。それがGt&Voの下津光史であり、踊ってばかりの国なんです。

最後におまけで、別のアルバムの曲になっちゃうんですが素晴らしいライブ映像があるのでよければ聴いてみてください。


ということで、いかがでしたでしょうか。
たまたまこれを見て新しい音楽を知れたという方がいれば、とても嬉しいです。
あと、色々挙げていったら邦楽だけで10枚余裕で超えてしまったので、「超!個人的に大好きな名盤10選~洋楽編~」として後日投稿する予定です。また、今回で収まり切らなかった邦楽アルバムもたくさんあるので、興が乗ったら邦楽編第2弾として書くかもです。
では、良き音楽ライフを!


※追記:「超!個人的に大好きな名盤10選~洋楽編~」書きました。


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