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手話を1年習ったらどの程度までできるようになるのか

耳の聞こえない・聞こえづらい方へ駅の情報を視覚的にわかりやすくするエキマトペというプロジェクトにデザイナーとして携わったことにより、私の人生で大きく変わった出来事がありました。
※エキマトペはこんなものです▼


いくつかあるその大きな出来事のうちの一つに、手話を習い始めたことがあります。
2021年10月より手話を習い始め、ちょうど1年が経った今、どのくらい手話ができるようになったのか書き起こしてみました。
アメリカでは手話は人気の言語らしいですし、2025年には聴覚障害者のオリンピック『デフリンピック』が日本で開催されるので、日本もこれから手話を学ぶ人がもっと増えるような気がしてます。
手話修行者の結構リアルな声なので、手話を勉強してみたい、手話が気になっているという方の参考になりますと幸いです。

前提として

手話のことをあまりよく知らない方もいらっしゃるかもなので、一応基礎的なことをここで綴ります。

・手話はジェスチャーじゃないよ

手話は身振り手振りやジェスチャーのことと思う方がたまにいらっしゃるのですが、手話は『日本語』『英語』みたいな感じの、1つの言語です。
独特の文法がありますし、手話者の文化に根付いたものなのです。

・手話は世界共通じゃないよ

また手話は世界共通ではありません。一応国際手話という国際交流に使われるために作られた世界共通手話はあるにはありますが、多くの手話者は日常的には使用していないように思います。
ちなみに私が習っているのは「日本手話」です。

私の勉強スペック

勉強をしたくないから美大に行ったと言っても過言ではないくらい勉強は苦手な方です。加えて、基本的に落ち着きがないので机に向かってガリガリ書いたり長時間本を眺めることが難しい人間です。
手話は言語なので、語学レベルでも例えるとわかりやすいですかね。英語は英語話者の友人と雑談する程度なので生活に困らない程度の英会話はできる感じです。前述の通りテキストとか読むのが苦手なので、喋りながら身につけたタイプです。TOEIC・TOEFLは受けたことないのでわかりません。
こんな調子なので、多分手話もみなさんよりは真面目に勉強できてないかもです。どうかお手柔らかに・・・。

どうやって勉強したか

①レッスンをなるべく休まず頑張る

毎週月曜の朝30分オンライン手話教室のレッスンをマンツーマンで受けています。個人的に朝は弱いので寝ぼけ眼でなんとかやってます。
ノートにこんな感じでその日習った手話を書き起こして、たまに見返しています。

あんま綺麗じゃないので恥ずかしいけど参考になると嬉しい・・・

②手話を使う機会を増やす

弊社のろう者の従業員となるべく手話で会話し、生きた手話を使いながら身につけるようにしています。私が変な手話をしたらすかさず突っ込んでくれるありがたい存在です。

③手話を見るようにする

Twitterで手話の動画を載せてくださるろう者、手話者の方が数名いらっしゃるので、動画を見ながら表現を覚えることもあります。無料で教材が手に入ってるようなものなので、ありがたいです。私はかえでさん、コーダゆりこさん、ふとった=デフパパ≠デブパパさんなどのアカウントで勉強させていただいてます。他にも#手話でつぶやこうでTwitter検索するとめっちゃいっぱい出てくるのでおすすめです。
手話ニュースもよく見ます。ニュースで使われる手話は速度が速いので見落とすことが多いですが、日常会話とは違う表現を身につけられるので見ています。みんなの手話はタイミングが合えば見ます(すいません)。出演者の那須映里さんの手話は超わかりやすいので必見です。

ちなみにテキストは買ったものの私にとっては絵などはやや分かりづらくてあまり読んでないです。でもたまに読むと学びがありますね。

どの程度までできるようになったか

まず物おじせず手話を使えるようになったという点は大きいです。そんなの当たり前だろと思うかもしれませんが、手話って表情豊かであることも大切なので、最初の半年くらいは表情が手に追いつかないことが大変でした。今は徐々にできるようになってきた気はします。

レベル感で言うと、例えば弊社のろう者の社員との日常的なコミュニケーションは出来るようになったかなと思っています。具体的にいうと、してほしいことやしたいことを伝えることは出来るようになりました。
ちなみにろう者の社員から見て実際に私のレベルはどのくらい?と聞いてみたところ「手話技能検定の6〜5級くらいですね」という返答。私個人としては4級ぐらいだと思ってたのでちょっとショック・・・。まあでも習うのと実践するのってまた違うから・・・と思いたい・・・。
参考:手話技能検定のレベル表

手話を1年習った感想

最初は「日本語の文法に当てはめれば通じるじゃん!」と思っていましたが、手話には手話独特の伝え方や文法があることを改めて知って、手話の魔境に入ったこともありました。この辺は言語学的なことも入ってくるため詳しい解説は私から明言は避けますが、習うとわかる感覚だと思います。
あとある程度の英語を喋りながら覚えるような、私のような行動勉強派の人には結構向いてる言語かもしれません。やはりノートなどに動く表情や手を細部まで書き起こすのはなかなか大変なので、どんどん使っていくことで身につくのかなと思います。

あとこれは直接手話のことではないですが、生活のいたるところに情報保障がまだまだ行き届いていないんだなと思うようになりました。単純に手話者との交流が多くなっただけかもしれませんが、当たり前に情報が平等に受け取れない社会を疑問に思うことが増えました。

2年目の目標

使う頻度を増やしたいです。見るだけの勉強が多かったので・・・。コロナも落ち着いてきたし、これからは手話サークル的なところにも行ってたくさん使っていきたいですね。
あとは雑談できるようになりたいですね。「こないだこんなことがあって、こう思ったんだよ〜」とか「最近こういうのが好きでさ〜」といった『何気ない会話』をちゃんとできるようになりたいです。

手話を勉強してなにを目指したいか

それはもう、手話通訳士試験合格ですよ。この調子だと何年かかるかわかりませんが・・・。
理由は、対面で自分の手話で、手話者とお話できるようになりたいからです。手話者の方々とちゃんとお話するのにはまだ手話通訳を介さないといけないことに、今はものすごいもどかしさがあります。
実際に手話通訳士として貢献したい気持ちもありますし、なって広がる世界もきっとあるんだろうなと思います。

以上、これから手話を習いたい方の参考に少しでもなれば幸いです。
手話の先輩の皆様におかれましては、これからもあたたかい目で見ていただけますと幸いです。
2年目も頑張るぞ〜〜!!


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