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美術教育に物申す!

 最近、急に絵が描きたくなってきました。昔から絵は好きだったのですが、得意というわけではありません。特に風景画は苦手で、普通に書くと平面的なヘタクソな絵になってしまいます。しかし、少し自慢になりますが、ポスターやデザインは結構得意で、小規模なコンテストでは入賞したりもしていました。

 いざ、絵を描こうと思っても、描き方が全くわかりません。とりあえず、YouTubeで検索してみると、水彩画の描き方を教えている柴崎春通先生に辿り着きました。柴崎先生は、水彩画講座の講師を40年以上務めているベテランの水彩画家で、世界的なテレビネットワークのCNNインターナショナルの番組『Tech for Good』に取り上げられたこともありました。

 柴崎先生は、見た目は”品の良いお爺ちゃん”で、口髭が”画家さん”的な効果を出しています。語り口は穏やかで、とっても良い渋い声で、ゆっくりとお話されます。しかも、ちょっぴりお茶目です。この人間的な魅力が動画から染み出ています。YouTubeは息子さんの勧めで始めたらしいのですが、いまや登録者100万人を超す大人気チャンネルです。

 海外の視聴者も多いみたいで、コメント欄には英語が溢れています。確かに人間的な魅力はありますが、どうしてこんなにも登録者数が多いのでしょうか?。これは裏を返せば、今迄このように”絵の描き方を丁寧に教えてくれる先生がいなかった”からだろうと思います。思い返せば、中学や高校で美術の授業はありましたが、”具体的な絵の描き方”や”絵筆や絵の具の使い方”などを一度も習ったことがありません。今の美術教育についての実情は知りませんが、数十年前はこんな有様でした。

 美術の時間に”美術の基礎”を教えないのは、美術の先生の怠慢です。私が体験した美術の授業は、風景画やポスターなどのテーマが与えられて、ひたすらその課題を”見様見真似みようみまね”でこなすだけのものでした。学期末試験では、美術の試験もありましたが、授業で美術の教科書を開いたことは一度もありませんでしたし、先生が何かを教えたこともありませんでした。これでは、何を問われて、何に答えればよいのかが全く分かりません。

 絵を描くノウハウを教えることももちろんですが、”絵画の鑑賞法”を教えることも重要だと考えています。少なくとも、有名な絵画の作者や題名と同時に、その絵の時代背景や鑑賞ポイント等は必須だと考えます。少なくとも過去の美術教育は、大きく間違っていました。今もこのような悪しき伝統(?)が続いているのなら、大問題です。そろそろ、悪習を改める時期ではないでしょうか?。


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