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 戦略は、もともと戦争術から戦術と併せて分化した概念で、軍事学の専門用語でした。しかし、今日では様々な分野で使われています。一般的には戦略(ストラテジー; strategy)は、特定の目的を達成するために、長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術・応用科学だそうです。ちなみに、”意識高い系”の人達は、ストラテジーというカタカナ英語の方を好みます。少し偏見かもしれませんが・・・。

 我が家では休日の時に、よく家族でボードゲームしたりしましたが、ゲームにも戦略が必要です。運の要素が強いゲームでも、戦略の良し悪しが勝敗に関係します。また戦略は、商売にも関係があります。少し前に『がっちりマンデー』という番組で、”アイディアで売り上げアップ”というような企業の紹介がありました。なかでも面白いと思ったのは、潰れかけた高知競馬場の起死回生のアイディアでした。

 地方の公営ギャンブルは、どこも売り上げが落ち込んでいます。特に大都市から離れた場所にある地方競馬場などは、集客も見込めないので運営が大変です。高知競馬場も、例に漏れず、年々売り上げの減少が続き、閉鎖寸前まで行ったそうです。しかし、現在はV字回復して、以前の数倍の売り上げになっています。

 いったいどんなマジックを使ったのでしょうか?。実は、そんなに特別なことはしていません。以前と変えたのは、開催時間です。普通の競馬場は午前中から始まって夕方に終わります。しかし、高知競馬場は開催時間を大きくずらしました。高知競馬場は、他所の競馬場が終わりかけた午後3時から始まって、夜はナイターとなります。

 ナイターは電気代が多少かかりますが、仕事終わりの人でも気軽に出かけることができます。また、他所の競馬場で負けて、熱くなった競馬ファンがまだ開いている高知競馬場の場外馬券を買うといった、副次的な効果もあったそうです。さらに、最終レースには、スペシャルレースと題した”最近勝ったことのない馬を集めたレース”が設定され、人気を集めています。どの馬も弱い馬ですから、勝ち馬を予測するのが困難です。競馬ファンは、一発逆転を夢見て馬券を買います。

 昔、大学の先生からこんな話を聞きました。その先生のお父さんは職業軍人で、騎馬部隊の所属だったそうです。騎馬部隊の兵隊は馬に慣れていますし、どの馬が良い馬かをよく知っているそうです。その部隊が宴会をする時には、宴会資金を増やすために競馬場に行っていたそうです。彼らが馬を見れば、どの馬が勝つかがほぼ100%わかったそうです。そうやって、宴会資金を捻出していたそうです。この話を聞いたのは事実ですが、話の内容が事実かどうかは分かりません。

 脱線しましたが、やはり戦略が大事です。大きなコストをかけなくても、アイディア次第で商売や研究はうまく行く可能性があります。でも、これができないので、みんなが苦労しています(笑)。


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