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超私的グルメ(6) サバのカルパッチョ

 よくよく考えたら、これまでの超私的グルメでは自分でお金を払って食べたものがありません。これまで、一円もお金を払っていませんでした。これも人徳でしょうか?。今回は、自腹で(お金を出して)食べた初めての超私的グルメです。

 今でもそうですが、青魚の刺身はあまり得意ではありません。単なる思い込みですが、青臭さがチョット・・・、と長い間思っていました。これは、それまでの偏見を大きく覆したサバのお話です。

 ロブスターが食べてみたいと、市内のお店を探すと、ロブスターの専門店が見つかりました。たまには、プチ贅沢もいいだろうと、予約して家族で食べに行きました。席に案内されて、飲み物の注文が終わると、前菜が出てきました。前菜は刺身のようでしたが、皮の表面に光沢がありました。「なんだ、サバか」と、正直ガッカリしました。そのサバは、薄く切られていて、酢で〆られているのか、身が薄っすら白くなっていました。このサバが、丸くて白い皿にきれいに並べられていました。イタリア風なのか、サバの上には黄緑色のオリーブオイルがかけられていました。

 仕方ない、一枚だけ食べてみるかと、それを口に入れた瞬間、さわやかなレモンの香りが口いっぱいに広がりました。どうやら、レモン果汁で〆ていたようでした。一口噛むと、程よい弾力で、塩加減も絶妙でした。脳内で「オリーブオイルとサバのマリアージュや。ウメー、サバってこんなに美味しいんだ」と、今までの偏見が吹き飛びました。その時は、単なるサバとしか記憶していませんでしたが、あとで『サバのカルパッチョ』だと知りました。メインのロブスターは、もちろん美味しかったのですが、その時はサバの印象しか残りませんでした


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