『カブトムシ』の勘違い
オールドファンには懐かしい、今や伝説になった『ビートルズ』ですが、『The Beatles』は音楽のビート(beat;拍子)と虫の(beetle)をかけた駄洒落です。ちょっと英語がわかる人なら、「そうそう、ビートル(beetle)ってカブトムシのことなんだよね」といいますが、完全に間違ってます。そもそも、日本のカブトムシのような虫は、イギリスにはいません。この場合のbeetleは甲虫(コガネムシ)のことを指しています。
日本のカブトムシの英名はJapanese rhinoceros beetleで、直訳すると”日本のサイのような甲虫”となります。ヨーロッパの人にbeetleといえば、カブトムシのような虫ではなく、コガネムシをイメージするはずです。ちなみに、クワガタはstag beetleといって、直訳すると”雄鹿のような甲虫”になります。
もう一つ勘違いされているカブトムシ(ビートル)があります。それが、ドイツの車・フォルクスワーゲンです。本当の発音は、フォルクスヴァーゲンに近く、意味は”大衆車”です。初期のフォルクスワーゲンは、その形状からビートルという愛称が付いていました。これまた、日本では本来の意味を知らずに、カブトムシと呼んだりしていましたが、下記の写真からも”コガネムシ”のイメージがピッタリです。もちろん、フォルクスワーゲンには、角のような突起もありません。
ヨーロッパと日本では、これほどbeetleのイメージが違っているのです。日本のイメージは、単なる”知ったかぶり”でしょうけど・・・。同じものでも感じ方の違う例として挙げられるのが、”リンゴの色”です。日本人がイメージするリンゴの色は赤ですが、ヨーロッパではリンゴの色は緑です。ちなみに、ニュートンが万有引力を発想したと言われているリンゴの木のリンゴも、青りんごです。
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