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ずいぶん前の話ですが、仕事の関係で外国の人と話す機会がありました。その人は、自国で役に立つ技術の研修のために、日本に滞在していました。日本に技術を学びに来る研修生には、裕福なイメージが無いかもしれませんが、なかには日本でも滅多にお目にかかれないほどに裕福な人がいます。

私が話したのは、そんな人たちの一人でした。その人の他にも数名の研修生がいたのですが、研修生グループで実家の話になりました。様々な国から研修生が来ているので、色々な話が聞けました。ある研修生が、育ちの良さそうな研修生に冗談交じりで言いました。「君の実家は豪邸なんだろう?」。するとその研修生は事も無げにこう言いました。「実家には母と兄夫妻と一緒に住んでるけど、そんなに大きな家ではないよ。メイドが二人と、運転手が一人いるんだ。それから、庭を管理する庭師がいるかな」。もちろん、全員住み込みの仕事のようでした。その時会話に参加していたメンバーは、目を丸くして、一世に顔を見合わせました。

会話は英語で行われていたので、一瞬、gardener(ガードナー;庭師)という単語が理解できませんでした。お金持ちとは縁遠い生活をしていますが、お抱えのメイドや運転手は、なんとなく想像できます。しかし、”庭師”は全くの想定外でした。日本にもお金持ちは沢山いるでしょうが、住み込みの専属庭師を雇っている家は、何件あるでしょうか?。

そんなお金持ちの彼にも悩みがあるそうです。その当時、彼はアラフォーくらいの年齢でしたが、”彼女がなかなかできないし、交際できても長続きしない”とのことでした。研修生の一人がアドバイスしました。「プレゼントはしたのか?」。すると、「マンションを買ってあげようとしたが断られた」と答えました。これには、一同ドン引きしました。

「さすがにマンションは無いだろう・・・」とアドバイスした研修生が言うと、「いつもじゃないんだ。この前はチョコレートをプレゼントしようと思ったんだけど・・・」と彼が答えました。すると、すかさず食い気味に「チョコレート工場を買ったのか?」と、アドバイスした研修生が茶化しました。

異文化交流で、私とは無縁なリッチな生活を垣間見ることができました。あの時の彼は結婚できたかなぁ?。

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