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Godiva(ゴディバ)の由来とPeeping Tom(ピーピング・トム)

タイトル画像は、高級チョコレートの代名詞Godivaのロゴマークに描かれているLady Godivaの銅像です。そのロゴマークには、馬に乗った裸の女性が描かれています。このロゴマークの由来は知っている人も多いと思いますが、”教えたがりのウンチク好き”ですから、ここで皆さんに披露したいと思います。でも本当は義父の受け売りなんですけどね。

因みにGodivaはベルギーのチョコ会社なのでゴディバと発音しますが、もともとはイギリス領主の名前でゴダイヴァと発音します。このゴダイヴァ領主の奥さんがロゴの主人公であるゴダイヴァ夫人です。この夫人が裸なのには、以下のような言い伝えがあります。

昔々、イギリスのコヴェントリーの領主Godivaは、住民に重税を課していました。普段から住民思いの妻Lady Godivaは、夫に税の軽減を訴えました。領主は訴えを聞いた後、妻に対して「全裸で馬に乗り、街を一周したら考え直してやろう」と言いました。夫人は夫の提案を受け入れ、一糸まとわぬ姿で馬に乗ろうと決心します。夫人のその覚悟を聞きつけた町の住民たちは、外が見えないように窓を閉じて、夫人の通り過ぎるのを待ちました。無事に街を一周して帰って来た夫人を見て、領主は考えを改め、税を軽減しました。めでたしめでたし。

この話には、続きがあります。Lady Godivaが全裸で街を一周した時に、こっそりと覗き見した男が一人いました。その男の名前はTom といいます。不埒なTomは、貴婦人の裸を一度見てみたいと思ったのかもしれません。このTomは天罰を受けて失明したそうです。これが Peeping Tom (のぞき見する男)の由来となりました。日本では、”のぞき見する人”を”出歯亀デバガメ”と言ったりしますが、今ではほとんど死語に近いですね。

このLady Godivaの全裸のエピソードは、その時代(11世紀)の記録にはなく、文章として最初に出たのは彼女の死から100年後のことだそうです。しかも出歯亀トムの話は、さらに後の17世紀になってからとのことでした。こんな不名誉な話題に出てくるトムと同名の人が、ちょっと気の毒です。

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