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”良貨”は”悪貨”を駆逐する

 ”悪貨は良貨を駆逐する”という諺があって、その一般的な意味は”悪いものが良いものを圧倒すること”です。経済では、実際にこのようなことが起こった歴史がありますが、テクノロジーに限っては、そのようなことは起きません。常に、新しい技術が古い技術を駆逐していきます。

 私が小学校に行く前の頃は、白黒ブラウン管テレビでした。それが、小学校の低学年頃にはカラーブラウン管テレビになりました。今では、ブラウン管の説明から始めないと、テレビの歴史が理解してもらえないかもしれません。ブラウン管はブラウン博士が発明した映像装置で、ブラウン博士はこの発明によってノーベル物理学賞を受賞しています。もちろん、今ではブラウン管は駆逐されて、液晶やプラズマを使った薄型画面が主流です。

 音楽についても同じです。音楽のメディアと言えば、レコード盤カセットテープが主流でしたが、それがMDCDに置き換わりました。そして、今ではインターネットを介した配信が中心となって、音楽メディアそのものが不要になりました。

 コンピュータの記憶媒体についても、昔から大きく様変わりしました。今の人は見たこともないでしょうが、フロッピーディスクという”ペラペラな黒い円盤が四角い入れ物に収まったもの”がデータやプログラムの記憶媒体として使われていました。私が使い始めたころは、8インチの大きなフロッピーディスクでした。このフロッピーを入れるディスク装置の本体は、当時50万円くらいしました。それから、サイズが段々小さくなり、5インチ、3.5インチと主流が移っていきました。

 さらに大容量化の波が訪れ、フロッピーディスクはハードディスクに置き換わっていきました。初期の頃のハードディスクは5メガバイト(ギガではありません!!)で、やはり50万円くらいしました。そのハードディスクも、いまではSSDに置き換わり、移動用の記憶媒体としてはUSBメモリが当たり前にように使われています。

 テクノロジーの世界では、”良貨”は”悪貨”を必ず駆逐します。今後のテクノロジーの進歩が楽しみです。その進歩を体験するためにも、長生きしたいなぁ・・・。

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